河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
謎と神秘に満ちた「ケルト」について民俗学の見地から紐解いていく本。ケルトに伝わる民話、ドルイド、今もなお現存する「魔女」など興味深い事柄が載っていて面白い。近年キリスト教や科学信奉からの乖離が進み、ヨーロッパ古来の文化、ケルトが見直されている。現在も色濃く残るケルトの民俗がどのように生活と自然の中に生きているのか、その一端に触れることができたような気がして楽しかった。日本の民話伝承などとの類似性も紹介されていてこういうちょっとした比較文化というのは何度読んでもわくわくするぐらい楽しい(^^) 東西の「異なる世界」がまさに似て非なるという印象でいろいろ想像すると感覚的に理解できるような心象がある
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Posted by ブクログ
この方の書いた文章を中学ぐらいの時に教科書で読んだような記憶がありまして。どんな作品だったのかは全く覚えていなかったのですが、名前に見覚えがあって。懐かしさもあり、またタイトルに“猫”とついている事もあり手に取ったのですが、フタを開けてみたらばこの方、心理学者さんだったのですね……すいません無知で。そんなこんなで学者さんが書く文章独特の、まどろっこしくて説明過多で、正直物凄く読みづらい部分も多かったです。ただ内容が、猫が主人公だったりテーマとして取り上げられている文献を深く掘り下げるというものなので、猫好きさん&本好きさんにはおススメ。「おおっ!こんなに魅力的な本があったのか!」という新たな出
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Posted by ブクログ
高校生の頃かな、カウンセラーや精神科医になりたいと思った時期があった。
今考えれば無謀な夢だったのかもしれないけど、そういうふうに、誰かを助けられたらいいな、などど考えていた。
簡単にいってしまえば、あの頃の自分は思春期真っ只中で、いろいろ考えたり、悩んだりしていたんだと思います。
だから、そういう夢をちょっと抱いたのでしょう。
さすがに今は思いませんが。
でも、この本がもし、あの頃あったら、よくわからなかったカウンセラーと精神科医の違いとか、理解できて、進んだ道は違ったかな…なんて。
「ものが豊かになった分だけ、こころのほうも努力しないといけない。」
この言葉がとても印象に残りました。
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Posted by ブクログ
正確に言うと猫に関する本、ではなくて『猫に関する本に関する本』。古今東西様々な猫が登場する本/物語を紹介しています。
前半、私には少し退屈で、途中まで読んでほってあったのですが、後半『100万回いきたねこ』あたりから、河合氏もノリまくりという感じで、あれもこれも読みたいなと。ポール・ギャリコ『トマシーナ』、谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のおんな』、大島弓子『綿の国星』、ここら辺は是非読んでみたい。しかし、河合氏の読み解きがあまりに自在なので、なんとなくすでに読んだような気がする。更に私が『綿の国星』を読んでいたら絵的に恐いだろうなという危惧もある。
実際読んでも河合氏の解説ほど深く作品の機微に