河合隼雄のレビュー一覧

  • 泣き虫ハァちゃん

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    環境だけでなく行動も昔の子と随分違ってきているなと思う。一つは兄弟の数だろう。兄弟が多いと喧嘩もするけど思いやりも育つ。いつまでも口をきかないなんてことにはならない。
    さて、河合隼雄さんがこの本を世に出そうとした意図は何だったのだろう。読者の対象はどういう層を想定したのか、そのあたりは訊いてみたかった。また、岡田知子さんの絵が本の内容にマッチしていてすごく良かった。2017.9.14

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    2017年09月14日
  • 河合隼雄の幸福論

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    『一般に幸福と言われていることは、たいしたことではなく、自分自身にとって「幸福」と感じられるかどうかが問題なのだ。地位も名誉も金も何もなくても、心がけ次第で人間は幸福になれる。』人間は何かと上や下を見て人と比較をして幸不幸を考えるが、大切なのは足るを知ることだと教えてくれる。

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    2017年08月12日
  • 働きざかりの心理学

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    たまたま古本屋で手に取った本だが、やはり河合隼雄さんは外れが少ない。
    親子関係において、独立と依存は反対語ではない。適度な依存を得てこそ、子はある日すっくと立ち上がり歩きだすことができるという話。
    「天使のまねをしようとするものは、悪魔のまねをするに至る」子供に良い子であれと求めすぎると、内側で悪魔的あるいは陰的な因子が育っていくことは避けられないという話。
    いまの若者は、場の倫理を前提として個の倫理を加えたものに従っているという話。
    読み終わって2日経ち、断片的にしか思い出せないが、これらは全て家族のある中年の、つまりは働きざかりの、おじさんの直面する問題として繋がる。
    会社で奮闘する一方で

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    2017年08月03日
  • 人の心はどこまでわかるか

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    題名からイメージ、期待していた「人の心を理解するためのテクニック」とは違い、「心理療法家とはこんな仕事だよ」と言った感じの内容で少々拍子抜け。ただ、誰にでも分かりやすく平易な日本語で書こうとされてる事は文章から伝わってくる。
    『教師の生徒に対する体罰がときどき問題になりますが、体罰と同じ厳しさ、強さを、体を使わずに、言葉と態度で表現できるようになることがかんじんです。それが父性を鍛えるということです。』p69より引用

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    2016年09月19日
  • 父親の力 母親の力 「イエ」を出て「家」に帰る

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    (P86)
    「突撃!」と号令がかかったときに、真っ先に突撃して死ぬのがもっとも強い父性だと思われていた。
    (P87)
    ・昔の父親は強かったと言われるけれど、本質的に昔から強くはなかった。
    ・そこを勘違いして、「昔の強かった日本の父権を復活させよ」と言われるけれど、そうした考えは疑問。
    ・日本でこれから父親が強くなろうとしたら、全く新しい父親像をつくりだす覚悟が必要。
    ・明治の父親は強かったからと、あれを真似しようと思ったら、大きな間違いを起こすことになる。
    ・あれは、父親がいばるための制度。
    ・人間としては鍛えられていなかった。
    (P89)
    ・羊の群れ。オスの羊が1歳になると殺す。
     オスが何

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    2016年08月02日
  • 人の心はどこまでわかるか

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    心理療法家がどのような姿勢で、クライエントと向き合っているのか、さまざまなケースを例に記されている本。
    心理学者というものは、全人格で患者と向き合わなければならない仕事だ。医者と同じように、患者の命をも左右する。スキルや知識を得ただけでは成り立たないし、多少の経験では心もとない。かといって経験を積まなければ高みに行けない。
    「心理療法家は全体が見えてなければならないのです」とあるけれど、そんなに簡単に見えるものでもないだろう。

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    2016年04月01日
  • 働きざかりの心理学

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    事例としては、今となっては古いものではあるが、時代は変わっても問題の根は共通するものなのかもしれない。
    ただ結局は、ひとつひとつの事例ごとに解決策を見出さなければならず、それも当事者全員が気付かなければいけないことでもあり、簡単ではない。

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    2016年02月07日
  • とりかへばや、男と女

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    とりかえばや物語の心理学的解釈
    外国のものがたりと対比しながら解説
    もうちょっととりかえばやものがたり本体のことを
    とりあげてもいいのかも

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    2016年01月27日
  • 読む力・聴く力

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    空模様で明日の天気を「読む」ように、鼻や気が「利く」というのも、全身で対象に対して耳をすませるーー「聴く」ことであるように、網膜がとらえたもの、鼓膜がとらえたものは脳で総合的に処理される。
    そうして、それらは、「理解」に結びつく。

    そこにみえる、ある、そのものの向こう側にかすかにかがような何か。
    言葉というころもをまとう前の何か。

    立花氏が表層に、谷川氏が中層に、河合氏が深層にいるような印象だが、詩もこころも魂に近く、それらは洪水のような知識を浴び思考することで豊かになる。

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    2015年11月29日
  • 紫マンダラ 源氏物語の構図

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    難しいが、精神学者の目で見ていることでおもしろさがある。個人的には現代語訳も関連本も女性の書いたものを多く読んでいるので、男性の目で見ていることが新鮮であった。

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    2015年11月28日
  • 読む力・聴く力

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    ビッグスリーの鼎談というところでしょうか。
    立花隆の圧倒的な読書量に対して、河合と谷川がどのように攻勢するかが見もの。

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    2015年11月08日
  • 縦糸横糸

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    時事的な話題のコラムは似合わない。心理臨床家らしい冗長さが感じられ鋭さがないのだ。司馬遼太郎や柳田邦男のそれとは違う。だからいいのかも。2015.7.20

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    2015年07月20日
  • 昔話の深層 ユング心理学とグリム童話

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    ユングの普遍的無意識や元型の考えによって、昔話を見てゆこうとするもの
    人間の成長にともなう心の内的な成熟過程に注目し、ユングは自己実現という名を与え
    昔話を、人間の内的な成熟過程のある段階を描きだしたものとして見てゆこうとする

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    2015年04月03日
  • 臨床とことば

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    河合先生の対談本は何冊か読んでますけど、だいたい対談の相手がカウンセリングを受けてるみたいになってるんですよね(笑)。
    ついつい話が弾んでいく様子がよくわかります。

    で、今回のお相手の鷲田先生の提唱されている臨床哲学の考え方は日々臨床に携わる上での参考になります。

    エビデンスの重要性が盛んに言われますが、実際のところは諸問題を未然に防ぐための方便の要素の方が強いのが実情ではないですかね。
    現代人は因果律で考えることが大好きなので、原因と結果で説明された方が納得しやすい。
    しかし現実は偶然の積み重ねや、様々なめぐり合わせで事態が好転することが多いのは臨床家なら経験していることでしょう。

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    2015年07月11日
  • 母性社会日本の病理

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    表題どおりの「母性社会日本」をめぐる第一章は現在でも通用する議論でなかなかおもしろくあったのだが、その後がいかんせん。方々に書いたエッセイを集めたというから繰り返しも多く統一性に欠ける。文字数の制限を理由に論が深まらぬところもあって、「ココんとこもっと」とおねだりしたい箇所も多く痒いところに手が届かない。

    父性原理の特徴は「切断」にある。極端ではあるが良い子は我が子で悪い子はよその子という風に。キリスト教というのはまさにこういう考え。
    母性原理としてユングは三つあげている。すなわち「慈しみ育てる」「狂宴的な情動性」「暗黒の深さ」。

    日本では母性の「慈しみ育てる」面だけを称揚し、「暗黒の深さ

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    2015年02月01日
  • 河合隼雄の幸福論

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    タイトルから憶測されるような自己啓発的な内容ではなく、日常生活におけるちょっとした出来事や人との交わりから幸福とは何かを問いかける。著者の豊かな感受性と深い思索が溢れる小品。

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    2014年11月24日
  • こころの読書教室

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    語り口は軽妙。
    臨床心理学者の仕事が少し見える。
    とりたてて、どう、という内容でもないが、おすすめの本は読んでみようと思う。

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    2014年06月01日
  • 明恵 夢を生きる

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    これは、明恵の夢に対する著者の考察をまとめた論文のようだ。鎌倉時代に生きた僧、明恵の夢記を紐解き、夢とともに(ユング派でいうところの)個性化を成し遂げて行ったであろう論を展開している。転機においては判断のヒントを、完成に至っては華厳の世界の実現を夢と現実とにみたであろうと。深層心理の幕開けが、20世紀初頭であることを考えると、この時代にこれだけ夢に真摯に取り組む人がいたということに、著者がいだく驚きと尊敬の思いとが随所に感じられる。ただ、時代を追ってはいるものの、個別の夢ごとの説明と、夢は現代語訳されておらずすぐにイメージがわかないために、明恵という人物像を読者が全体的に捉えることには失敗して

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    2014年05月12日
  • 母性社会日本の病理

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    「こころの処方箋」の著者である河合隼雄さんのユング心理学をベースとした評論本.連載モノを文庫化したもの.
    注意として,本書は新書ではよくあるような「どうすべき」ということを明確に示すようなものではない.しかし "対人恐怖" でなくとも,日本人が日本社会で少なからず感じていそうなことを指摘し,どのようなことが心のなかで起こっているかについて分析しているという意味で意義深いと考える.

    第一章「日本人の精神病理」では,日本社会の母性原理について主に述べられており,日本独特の「場の倫理」という観点が興味深い.また,ユング心理学で重要な「グレートマザー」が守るだけでなく飲み込んでし

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    2014年05月07日
  • フロイトとユング

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    30年以上前に出版されたものなのに全然古さを感じない。人が変わらないのか、この二人が本質を見抜いているからか。今でも十分読む価値のある対談であり、もう二度と叶わない対談でもある。

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    2014年03月28日