河合隼雄のレビュー一覧

  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    数年前、大学の授業で「ハムレットの幻覚」という論文から示される「実はハムレットが先王殺害犯」説に衝撃を受け、それ以来、シェイクスピアを心理学的に読んでみたかった。
    本書は、日本における臨床心理学、ユング心理学の大家である河合隼雄先生と翻訳家の松岡和子さんの対談形式の作品批評。「~幻覚」ほど斬新で鋭い見方はなく、日本的にほんわかムードで語られていくが、ロミオとジュリエットが青少年の発達心理学的見地、マクベスが臨床心理学的見地、そしてリチャードⅢ世がなんとアドラー理論に合致と教示され、改めてシェイクスピアの才能に驚かされた。これらの根拠は、舞台構成や台詞の中に密かに散りばめられており、素人がボーッ

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    2023年05月22日
  • 母性社会日本の病理

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    ユング心理学に基づいた母性原理と父性原理の説明と対人恐怖について書かれているところが面白い

    母性→
    グレートマザーと同じように慈しみ育てる肯定的な面と、全てを包み呑み込む否定的な面がある。どちらにおいても「我が子であれば全て良い子」といったような、ある「場」において何物も区別しない平等性を持つ。母性原理に基づく倫理観は「場」の中に存在するものの絶対的平等に価値を置き、場の平衡状態の維持に最も高い倫理性を与えるもの。これが「場の倫理」。あるがままで救われる→浄土真宗

    父性→
    切断するという機能にその特性が示される
    主体・客体、善と悪などに分類し、人をその能力や個性に応じて類別する
    規範によっ

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    2023年05月06日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    タイトル通り、知識人がこぞって話したい思う河合隼雄さんに村上春樹さんが会いに行き、対談した様子をおさめた一冊。
    さすが、日々思いを巡らすお二人の会話は、、やはり難しい…。しかしわかる部分も一部あり、また再読するときに更に分かることが増えればいいな。時期的には『ねじまき鳥クロニクル』を書き終えたあたりで、作品についても触れ、さらに地下鉄サリン事件にも話は及ぶ。夫婦の関係性等、様々話は交わされ、いつしかその場にいるような気持ちになった。
    本書1995年時点の二人の未来予想も遠からず近からずだからスゴい…。

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    2023年05月02日
  • 読む力・聴く力

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    有名な人というか、すごい人は、本当に多読家なんだと実感した1冊。すごいなー、たくさん本を読んでいる人に私もなりたいし、でもそれはすごい人になりたいからという目的では勿論なくて、ただの娯楽として楽しみたいね。でも、やっぱり研究になると学ぶために本がある、その学びが私の興味関心だから、やっぱり読むことはやめられませんね

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    2023年04月12日
  • 父親の力 母親の力 「イエ」を出て「家」に帰る

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    約20年前の本なので今の状況と合致していない部分もありそうだが納得できる点も多かった。
    「日本の父親像は地位によって守られてきたもので健全な子育てのために新たな父性を構築し直す必要がある」のはその通りだなと思った。
    また最近はアンガーマネジメントや子供への対応がハウツーとして提示されていることが多いが、そのような対応ばかりしていると子育てから感情がなくなり、子供も親の本当の気持ちが分からなくなるという考えも面白いと感じた。

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    2023年03月19日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    暴力性が必要っていうのはなんかわかる気がする。物理的に相手を殴るとか刺すとかいう意味じゃなくて。暴力的なものから癒やしが得られることってよくあるしなー。感覚的な話が多くて、お二人だから通じ合える内容であるように思うので、正直理解するのは難しかった。

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    2023年03月03日
  • 河合隼雄の幸福論

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    儀式  人が死ぬ。今まで存在していたものが急に無に帰してしまう。いったい人間はどこから来てどこに行くのだ。このような根源的な問いかけに科学は答えを提供してくれない。

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    2023年01月18日
  • 影の現象学

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    ユング派心理学者が、人間の影の部分=オルターエゴを考える。


    本書では〈影〉を研究にするにあたって基本的には小説や過去の心理学者が発表したものを例に取り、自身が臨床医として接した具体例には詳しく触れていないが、クライアントが見た夢はたくさん紹介されていてそれが面白い。「影の逆説」の章に載っている狼の夢などはよくできた昔話みたいだし、ユングが報告しているという真っ黒な装いの「白の祭司」と全身真っ白な「黒の祭司」の夢なんか象徴主義の絵のように謎めいて美しい。
    よく「他人の夢の話を聞いてもつまらない」と言ったりするけど、多分それは映画やアニメーションで〈他者の夢〉を見ることに慣れてしまった現代人の

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    2022年12月17日
  • 働きざかりの心理学

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    タイトル通り仕事で溜まるストレスの軽減方法だけでなく、家族や育児に関わる悩みの考え方など多岐にわたる内容でためになる。読んでいると不思議と心が落ち着くので先生の文章を読むだけで癒し効果があるに違いない。昭和時代に書かれたものだが、今でも十分通じる内容に人の心は大きく変わってないのかもしれないと思う。ただ、執筆当時の「自然に逆らうような世の中」に対しての部分はあまり共感できなかった。食べ物の旬に関係なく作られる果物を例に出して、自然に反する社会が人の関係を壊すことに繋がっているのではと問題提起している。そういう部分はあると思うが「味のない果物」ばかり食べているというくだりはピンと来なかった。

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    2026年03月10日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    ■真っ当に女性からモテたい男たちへ
    男なら誰しも「モテたい!」という願望を持ったことがあるだろう。

    それは進化論的に至極当然の感情だ。より多くのメスからアプローチが貰えるオスの方が自身の遺伝子を残せる確率は上がるし、非モテのオスは必然的に自然淘汰されてしまうからだ。

    実際に人間以外の動物(例えばライオンやクジャクなど)は腕っぷしの強さや見た目の派手さがメスから選別されるファクターとなり、それに満たないオスは冷酷にも切り捨てられていく。

    人間の男にも同じようなことが言える。
    いわゆるイケメンや高身長、金持ちなどのステータスがモテを左右する要件となり、条件を満たさない男性は女性から選択肢に入

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    2022年10月23日
  • 無意識の構造 改版

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    感想
    無意識の驚異の能力。その姿を眼前に鮮やかに描き出す。無意識は心身二元論に残された最後のフロンティアか。脳科学の知見も交えて議論したい。

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    2022年08月20日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    この本の感想は、言語化が難しい...。すごく面白かったのにこの思いを文字に起こせずすごくモヤモヤしている。もう一度じっくり読みたい。

    拙い言葉で一部書き綴ると...。
    色んなパターンで西洋と日本の違いを見比べた時に、あるものをあると認識するのは簡単だけど、ないものをある(逆も然り)と認識するのはすごく難しいなぁと思った。

    「治るばかりが能じゃないんですよ。そうでしょう、生きることが大事なんだから。」というフレーズにグッときた。

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    2022年07月30日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    タイトルと関係のあるような遺伝学的な記述は少ない。
    ごく穏当な内容のモテるためのテクニック本
    自信を持つ。
    女性の立場(何を恐れているか)を理解する。
    健康な肉体。メンタルヘルス。EQ的な意味の賢さ。意志力。優しさ。
    シグナリングとしての、財力、権力、名誉、見かけ。
    ロマンチックプルーフ(一途であるというシグナル)。
    男女比の低い(男の少ない)場所を選ぶこと。

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    2022年07月12日
  • 河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして

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    この本を読むと、カウンセラーという職がいかに難しく、いかに出口がなく、いかに報われないか……本当に、河合さんの言うように「物好きでないと」続かない仕事だとつくづく思わされる。どこまでいっても陰の存在であり、治る時には自然とクライアントは来なくなる。来なくなったときが治った時。この世の中で最も難しい職業のうちの一つだと思わされる。そして、「聴く」ということの重要さを思い知らされる。人はこんなにも聴いてもらうことで救われるのか。あるいはそうかもしれない。すごい、、

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    2022年06月16日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    抄訳。あんまりめくる気にもなれず。でも非モテの人はいちおう読んでおきなさい。

    「(女子は)彼女とのデートのためにどれだけ努力したかも評価するのだ」「(大半の男性は)自分たちでは「カジュアルっぽさとリラックスした雰囲気を重視」と思っているが、彼女たの目には「無頓着で無関心」に映る。

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    2022年07月03日
  • 私が語り伝えたかったこと

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    大学の授業で心理学に出会って以来、心理学に関する興味は未だあり、箱庭や夢分析に何年も足繁く通った。よりよく生きたい。いつどうなってもいい。この表裏が日によって変わるが今もこうして生きているのは、よりよく生きたいがやや強いからなのだろう。河合隼雄の言葉のヒントをもらいつつ、自分で思考判断しながら生き続けるのだろう。

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    2022年05月19日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    村上春樹も河合隼雄も何冊か本を読んで知っているつもりだったが、この対談ではテーマが次々と繋がりながら広がっている。分かったような分からないような。

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    2022年05月09日
  • 泣き虫ハァちゃん

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    古き良き昭和初期の温かな日常を、小学生低学年の男の子目線で書かれたお話。
    兄弟、両親との愛情いっぱいの生活や、昔のこどもは小さなうちから両親や先生に対してきちんと敬語を使えていたんだな、ということに感心するのと同時に、人を敬う気持ちが現代では失われつつあることに寂しさを感じた。
    それにしても幼き頃の自叙伝が遺作だなんて、それだけでも染み入ってしまう。

    文字が大きくてこどもでも読めると思う。おすすめ。

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    2022年03月13日
  • 人の心はどこまでわかるか

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    これを読みながら、つくづく人々が抱える問題というのは、一夜にして瞬間的に治る・解決するなんていうことはそうそうなく、じわじわと、じっくりだんだん治る、良くなるものだと改めて感じさせられる。カウンセラー・臨床心理士とは、なんとも忍耐力の必要な仕事だなと思わされる、、

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    2022年03月11日
  • 母性社会日本の病理

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    河合隼雄を初めて読む人には向かない。他の著書を読んでいると理解が易しくなる。
    日本の母性原理に基づく社会の問題点はよく理解できた。
    「場の倫理」が重視される日本において、場から排除されることが死を意味する。
    4月から新社会人となる私は、場の倫理の平衡を保つために上司の顔を伺い、これから数十年に渡って働く他ないのかと思うと、少し憂鬱な気持ちになった。
    しかし、こうした構造を理解しているだけでもこの先確実に起こるであろう理不尽を一旦腹の中に収めることの助けとなる気がした。

    第4章の物語についての後半は良く分からなかった。

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    2022年02月22日