河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この世にある無数の本の中から、私たちの『こころ』を開いてくれそうな本を
臨床心理学者の故・河合隼雄氏がオススメとして紹介し、登場人物たちの
心の動きを解説してくれる一冊。
非常に読みやすいです。
当時行われた講演の語り口を出来るだけ残して文章化されているので、
河合先生の人柄が文章からにじみ出てくるよう。
まえがきでご子息にあたる河合俊雄氏が言っておられるように、
語り部として非常に優れた方だったのだということを改めて感じさせられる。
もっともっと多くの言葉・物語りを残してくださったら良かったのにと思う。
心理を本当に学ぶための本ではないので、そういった学問的な要素を
強く求める方は専門書 -
Posted by ブクログ
ネタバレ同僚の先生からお借りして。
エマ・ユングの本を読んでみようと思いました。
わたしは、めったに人を好きになりません。
「この人しかいない!」みたいに思うことも未だかつてない。これからもないと思う。
何気ない道を、一人で歩いていて、気づいたら、同じ方向に歩く人がいて、いつの間にか人が二人、三人、って増えていて、気が付いたら、そのうちの一人と手をつないでいた。
私が人を好きになる感覚は、こんな感じに近い。
手、繋いでみたけどさ、とりあえずもう少し、このまま歩いて行こうか。(それはいつか離す可能性があることをお互いよく分かってる)
やっぱりちょっと、距離があった方がいいかもね。離れてみよう -
Posted by ブクログ
よく名前を聞く精神心理学者先生の本。最晩年のものとのことで、残念至極。内容は難しいものだったが、紹介される本には絵本や少年少女文学などもあり、驚く。そして自分の思考、嗜好がかなり偏っていることも判明。大人になっても普通にこれら世代の本を読んだって全然構わないのだ。確か柳田氏もそのようなことを言ってたような記憶も出てきた。まだ、何かしら抵抗感があるのか?
とか思いつつ、紹介された数10冊の本は、少しずつ集めては読んでみたい。時間がかかりそうな書が多そうだが、楽しみにしたい。自分の内面に飛び込む、というのはかなり勇気がいることではあるが・・・・ -
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Posted by ブクログ
・例えば、高島易断を見て、飛行機が落ちると思ったときに、そんなばかなことを考えるなとか、あるいは易なんていうのは当たるんだとか、当たらないんだとか、そんな議論じゃなくて、それを見て不安に感じた自分にとっての意味、その意味は何かということですね。先ほども言いましたように、自分は祖国というものに対して、あまりにも高いイメージを持ちすぎていなかったか。そして、そこへ今から自分が帰っていくということ、そこを訪ねていくということの意味をどう考えようかという問題になりますので、その人がどう生きていったらいいかということの意味がはっきりわかる。これが、私は大事なことだと思うんです。
例えば、私が学校に行かな -
Posted by ブクログ
(memo)
◇心的エネルギーの退行
(P71)
"人間の自我はその活動にふさわしい心的エネルギーを必要とする。ところが、その心的エネルギーが自我から無意識へと流れ、自我が利用しうるエネルギーが少なくなるときがある。それを心的エネルギーの退行という。
このような退行状態では、人は活動できないし、意識的統制の少ない空想にふけったり、幼児的な願望が強く前面に出てきたりする。退行状態におちいると、われわれは他人の少しの親切を無闇にありがたく感じたり、少しの冷たい仕打ちを極端に冷酷に感じたりする。それは現実とずれたものではあるが、観点を変えると、より真実を把握している―拡大した形で―とも -
Posted by ブクログ
なかなか微妙だったけど、結論は読んでよかった、面白かったです。
河合隼雄さんという人の本を読んだことなかったので、一度読んでみよう。
というだけの動機でした。
どの本を読もうかなあ、と考えたのは、
①電子書籍であること。合間合間で読みやすいから。
②最近の本であること。物語本じゃないから、あんまり昔のものだと、ピンとこないかも。
③あんまり分厚くないこと。
というわがままな条件にひっかかったのが、この本でした。
内容は、題名の通り、家族の問題について、全国の臨床心理士さんが河合隼雄さんに質問を寄せ、そのいくつかについて答えるカタチで、河合隼雄さんが自説を述べる、という本。
いちおう、200