河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コンプレックスとは、無意識にある感情を伴った心的複合体で、意識・自我に様々な影響を及ぼす。それは個人の経験や外的環境に左右されており、自我と対をなし、抑圧されたり暴走したりする。意識されない領域が存在するということ、一定の統一により安定している自我に対し、影としてあるコンプレックスを意識し統合することで、より高次元の自己実現を促す構造は、人の成長にとって重要。人が成長する過程で親や性別は条件として存在しているし、地母などの元型・普遍的無意識についても、人間という根本的な構造がある限り、普遍的に共通する何かがある、という考察はその通りだと思う。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。心理学専攻だったのに河合先生の本は初めて読みました。
コンプレックスとは無意識下に存在しており何らかのきっかけで自我に影響を与える。もう1人の自分と言っても過言ではない。
コンプレックスは必ずしも悪ではなく、自我とうまく統合することができたら、今までよりもっと自我は成長する…。
言葉が難しくなくてわかりやすく、都度患者さんの事例が出てくるので面白くてどんどん読んでしまう。夢の事例がとても面白くて、これから自分も夢を見た時に分析したいなと思った。
コンプレックスは悪だと思っていて、解消されないものだとも思っていたが、自分で苦しみながらも受け入れることができれば少しずつなくなっていくかもしれない。
多分わたしは多くのコンプレックスが入り混じっている。紐解いていけるようになりたい。 -
Posted by ブクログ
大人になると欲しいと思っても、なかなかできないのが友人。
そしてある時に何よりも代えがたく感じるのが温かな友情。
そんな大人になってからの友情というものに焦点を当てた本書。
学術的内容というより河合先生自身の体験から述べられたエッセイのような内容。
目次は
・友達が欲しい
・友情を支えるもの
・男女間に友情は成立するか
・友人の出世を喜べるか
・友人の死
・「つきあい」は難しい
・碁がたき・ポンユー
・裏切り
・友情と同性愛
・茶呑み友達
・友情と贈り物
・境界を超える友情
いいなと思った考え
・目的や理想を同じくする絆は仲間や同士であるが、友との絆は「生きていること」とでも言いたくなる。
・互いに死すべき者と感じるとき、この世のあらゆる評価を超えて、束の間のこの世の生を共にしている者に対する、やさしさが生まれてくる。
・友情で大切なのは「真実」と「優しさ」であるが、それは目指すべき星であり、到達することは無い
・他人に愛想を尽かしているときはまだいいが、自分自身に愛想を尽かすと人間は動けなくなる。そして、そこから出てくる答えとしては死以外にないとした。
・人間の感情には、激しさと深さという二側面がある。激しさは目に見える行動に結びつきやすく、他人から見てもよくわかる。
深さの方はすぐにわかるような行動と結びつかないので一見すると認めにくいが、永続的な行為として示され、それは他からの力によっては変え難い。
・現代は下手をすると、なんでも思いのままに支配し、操作できると錯覚し、その結果大変な孤独や閉塞感に悩まされることになる。 -
Posted by ブクログ
若干長い。
中盤までは中年まで働いて家庭を築いていればかならず経験するような挫折、問題との直面はあって、不幸ではなく誰もが経験するものであること、またそのあたりの事例を上げてそれらの人がどう解決してきたのかが書いてある。まぁまぁ面白い。
後半急に心理学の教科書的考察が入り、子どものいじめや取り巻く環境を憎々しく思う文がならんだあとの締めが、ギャップもあってかとてもよかった。
締めのサマリ。
死ぬ前にちゃんと自分、家族と向き合うこと。
家庭のこじれは、相互の理解不足が露呈したもの。
人生の前半は上昇が中心。社会的地位や家庭を築く。後半はいかにして死を迎えるかについて思いを致すことが大事。(ユングの生涯からきてるっぽい)
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Posted by ブクログ
話の聞き方についてちょっと勉強してみようかと思い購入。
昭和40年ごろに行われたカウンセリング講座をそのまま文字起こししたようだ。
言葉遣いや価値観が今と異なっていて、読むのが辛いこともあるが、おおむね頷きながら読める内容だった。
相手の話をとことんまで聞く。
相手の気持ちについていく。
クライアントが思うままに話をすることで気持ちに整理をつけ、解決策を自分で見出す、
ということがカウンセリングの極意のようだ。
「どんなに辛くても立ち上がる人の強さを信じているから、これまでカウンセリングを続けられている」というお話には胸を打たれた。
不登校の学生が学校へ復帰することが長い目で見た時にプラスになるのか分からない、というようなことを言っていたのは50年前の発言にも関わらず実に現代的だった。
こういう時代を越えた目を持っているのが河合隼雄さんが支持されている所以なんだろうな。
しかし話の流れで「精神疾患の遺伝がある人とは結婚しない方がよい」という言葉が当然の認識として出てきたのはショッキングだった。
精神疾患は遺伝なのか?結婚しても子供を生まなければよいだけでは?とかなり納得がいかず読むのを中断してしまった。
しかし50年前の話だからな…と思い直した。
世間の倫理観は50年でここまでアップグレードされることは希望でもある。
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「(なぜ人は人を慰めるのか?)決着がついてこっちが悩まなくていいからです。親切な人が悲しい人を慰めているように見えるんですけど、よく考えると、本当は自分も悩むのが辛いから逃げ出したのと同じことですね。」
「もっと正面からこうだと(相手の)欠点を見る態度、それがカウンセリングだと思います。」
「人間なんて、だれだってたくさん欠点がある。けれども、欠点がいくらあったって、それは人間の尊厳ということには関係がないんです。(中略)人間的意味があるかないかということには関係がないのです。」
「本当に欲しくないときは「欲しくない」で終わります。ところが欲しくてかなわないときには、「そんな物くれなくてもいい」とか、「欲しくない」とかわざわざ大きな声で言わないといけない。」
「話をする方は非常に微妙な気持ちです。それほどのつらい話をいままでだれも聞いてくれたことがなかったので、この先生が聴いてくれるという嬉しさと、だれにも言ったことのないことを言わねばならないという辛さと、この二つがあるんです。」 -
Posted by ブクログ
「四天王寺カウンセリング講座」で開催されている講座のうち
2007年に亡くなられた心理学者の河合隼雄氏が講演されたものを
「カウンセリング教室」と「カウンセリング講和」の
2冊に息子の河合俊雄氏がまとめておられます
「カウンセリング教室」からさらに一歩踏み込んだ内容
切り口は「女性」「芸術」「中世の物語」「病」
「カウンセリングと芸術」では弦楽四重奏を例にあげ
バッハやモーツアルトが表したかったことはひとつではなく
さまざまな音が重なり生み出されるものだと
言いたいことはいっぱいあるのに語られる言葉はひとつ
だから脈絡のない言葉でも 意味の通じない言葉でも
たとえ「死にたい」という言葉でも全て受け止める
その言葉の数々を受け止めながら全体の音楽を聴き取る
そんなカウンセリングを行ってこられたのだなと思われるエピソードでした
「日本の中世の物語」では観音沐浴の話をひきあいに出して
人間というものはそれほど自分を知っているのだろうか
むしろ周りの人の口から真理がでてくるのではと述べられています
こうした考察は
”心理療法とはクライエントが自らの物語″をつくることを助けることに他ならない
日本文学史における物語が投げかける問題を追究することで日本人の心性にせまる”
と語っておられたという河合氏の話に通じるものでしょうか -
Posted by ブクログ
河合隼雄 「 明恵 夢を生きる 」明恵上人の夢を心理学的に考察した本。夢診断、明恵の人生や思想、仏教世界をわかりやすく説明。
夢を生きるとは
*覚めた目で自分の夢を見る〜自分の夢を主体的に体験し深化して自らのものとする=自己実現
*夢が発展することは その人の心の発展
雨が降ることにより 小さい池が 大きい池につながる夢
*小さい池=禅観、大きい池=諸仏菩薩、雨=修行
金色の二羽の孔雀の夢
*明恵の精神の高揚を示す
*二→華厳と真言、父性と母性、心と体、合理と非合理...統一
あるべきやうわ=明恵の生き方
*時により 事により その時その場において、「あるべきやうは何か」問いかけ、その答えを生きようとする -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと難しいかな~と恐々読み始めたけど、切り口が身近というのと、1つ1つが短いのもあってとても読みやすかった。
うんうん、そうだよな~。と思うような内容がたくさん。自分や周りの環境を振り返りながら、人間として大切なことを改めて考えさせられました。
本文より↓
友人とは「夜中の十二時に、自動車のトランクに死体を入れて持ってきて、どうしようかと言ったとき、黙って話に乗ってくれる人だ」
外からみて批判し、非難する以前に、内側に共にたって感情をわかちあう、やさしさが友情を支える
悪を許容するわけではないが、それでも何とか関係を続けてゆき、変化を期待し続ける態度に支えられて、子どもは成長してゆくのである
人の死に対しては「喪」が必要だ。