河合隼雄のレビュー一覧

  • こころの処方箋

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    心のあり方が理論的に書かれてあったので少し視野が広がった。
    ふたつよいことさてないものよの考え方は良いなぁと思った。
    感謝される者こそ強いというところが印象的だった。相手にしてもらったということを認められた上で感謝できるから。翻って、自分が尽力したのに感謝されない時はうやむやすることもあるが、相手がそこに至っていないと考えると自分も救われる部分があるのかなと思った。
    自立と孤立の違いを考えたことがなかったけれど、改めて読みながら考えるとひとりというところは共通するが根本として異なるんだなとわかった。自立は、ひとりであるがそれが成り立つ元に他に信頼できる物事があることが前提としてある。そこが印象

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    2023年09月21日
  • 読む力・聴く力

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    河合隼雄、立花隆、谷川俊太郎の3人による読む、聴くことに関するアンソロジー、講演、鼎談をまとめた本。
    それぞれが短い文量で、かつ、3人分なので、かなりコンパクトな文章になっていて、読みやすいが、若干物足りない気もする。
    ただ、河合隼雄さんと、立花隆さんの寄稿文のあと、谷川俊太郎さんの詩が入ってくるのが新鮮で、詩集を読む時よりも鮮烈に頭に響いた。
    インターネットについては、2005年当時の会話なので、この時から格段に、速さが追求され進化してきた、現代のネット文化が及ぼす影響について、お3人に語らってもらえないことがとても残念だが、河合さんのように何度も繰り返し聴き、立花さんのようにたくさんの本を

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    2023年08月08日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    ネタバレ

    面白い内容です、女性の考え方、感じ方の理由が生物学から考察されており、説得力がありました。自己啓発本というよりは、女性を分析した結果がまとめられている本というイメージで、この本を読んですぐに実践できる。というよりも女性という生き物を理解して、男性がどう振る舞うべきなのか。を、自分で考え、動けるように示唆してくれる本。と、思います。

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    2023年06月29日
  • こころの最終講義

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    「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」を読んで以来、河合先生の本を読むようになった。

    先生のお話は、軽快なリズムと言葉選びの優しさの中に、深い洞察と、安易に結論しない我慢強さというか、心というものへの敬意が感じられる。そして時には、ドキッとするような表現で、私たちに心との向き合い方を教えてくれる。

    思春期の子と親の関係、特に、男の子と母親の関係についての描写は秀逸。

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    2023年06月28日
  • 影の現象学

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    ユング心理学で語られる無意識構造の中に存在する「シャドウ」、その影の存在にフォーカスした本書。

    影の概要から、それが原因となる病理、そのタイプ・事例、立ち向かい方を記述されている。

    中身は興味深く面白かったが、先生も記述されているように引用が実際の臨床ではなく、過去の文学作品からが多かったのであまり現実との接点が感じられなかったのが少し残念だった。

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    2023年06月04日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    数年前、大学の授業で「ハムレットの幻覚」という論文から示される「実はハムレットが先王殺害犯」説に衝撃を受け、それ以来、シェイクスピアを心理学的に読んでみたかった。
    本書は、日本における臨床心理学、ユング心理学の大家である河合隼雄先生と翻訳家の松岡和子さんの対談形式の作品批評。「~幻覚」ほど斬新で鋭い見方はなく、日本的にほんわかムードで語られていくが、ロミオとジュリエットが青少年の発達心理学的見地、マクベスが臨床心理学的見地、そしてリチャードⅢ世がなんとアドラー理論に合致と教示され、改めてシェイクスピアの才能に驚かされた。これらの根拠は、舞台構成や台詞の中に密かに散りばめられており、素人がボーッ

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    2023年05月22日
  • 母性社会日本の病理

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    ユング心理学に基づいた母性原理と父性原理の説明と対人恐怖について書かれているところが面白い

    母性→
    グレートマザーと同じように慈しみ育てる肯定的な面と、全てを包み呑み込む否定的な面がある。どちらにおいても「我が子であれば全て良い子」といったような、ある「場」において何物も区別しない平等性を持つ。母性原理に基づく倫理観は「場」の中に存在するものの絶対的平等に価値を置き、場の平衡状態の維持に最も高い倫理性を与えるもの。これが「場の倫理」。あるがままで救われる→浄土真宗

    父性→
    切断するという機能にその特性が示される
    主体・客体、善と悪などに分類し、人をその能力や個性に応じて類別する
    規範によっ

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    2023年05月06日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    タイトル通り、知識人がこぞって話したい思う河合隼雄さんに村上春樹さんが会いに行き、対談した様子をおさめた一冊。
    さすが、日々思いを巡らすお二人の会話は、、やはり難しい…。しかしわかる部分も一部あり、また再読するときに更に分かることが増えればいいな。時期的には『ねじまき鳥クロニクル』を書き終えたあたりで、作品についても触れ、さらに地下鉄サリン事件にも話は及ぶ。夫婦の関係性等、様々話は交わされ、いつしかその場にいるような気持ちになった。
    本書1995年時点の二人の未来予想も遠からず近からずだからスゴい…。

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    2023年05月02日
  • 読む力・聴く力

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    有名な人というか、すごい人は、本当に多読家なんだと実感した1冊。すごいなー、たくさん本を読んでいる人に私もなりたいし、でもそれはすごい人になりたいからという目的では勿論なくて、ただの娯楽として楽しみたいね。でも、やっぱり研究になると学ぶために本がある、その学びが私の興味関心だから、やっぱり読むことはやめられませんね

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    2023年04月12日
  • 父親の力 母親の力 「イエ」を出て「家」に帰る

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    約20年前の本なので今の状況と合致していない部分もありそうだが納得できる点も多かった。
    「日本の父親像は地位によって守られてきたもので健全な子育てのために新たな父性を構築し直す必要がある」のはその通りだなと思った。
    また最近はアンガーマネジメントや子供への対応がハウツーとして提示されていることが多いが、そのような対応ばかりしていると子育てから感情がなくなり、子供も親の本当の気持ちが分からなくなるという考えも面白いと感じた。

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    2023年03月19日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    暴力性が必要っていうのはなんかわかる気がする。物理的に相手を殴るとか刺すとかいう意味じゃなくて。暴力的なものから癒やしが得られることってよくあるしなー。感覚的な話が多くて、お二人だから通じ合える内容であるように思うので、正直理解するのは難しかった。

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    2023年03月03日
  • 河合隼雄の幸福論

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    儀式  人が死ぬ。今まで存在していたものが急に無に帰してしまう。いったい人間はどこから来てどこに行くのだ。このような根源的な問いかけに科学は答えを提供してくれない。

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    2023年01月18日
  • 影の現象学

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    ユング派心理学者が、人間の影の部分=オルターエゴを考える。


    本書では〈影〉を研究にするにあたって基本的には小説や過去の心理学者が発表したものを例に取り、自身が臨床医として接した具体例には詳しく触れていないが、クライアントが見た夢はたくさん紹介されていてそれが面白い。「影の逆説」の章に載っている狼の夢などはよくできた昔話みたいだし、ユングが報告しているという真っ黒な装いの「白の祭司」と全身真っ白な「黒の祭司」の夢なんか象徴主義の絵のように謎めいて美しい。
    よく「他人の夢の話を聞いてもつまらない」と言ったりするけど、多分それは映画やアニメーションで〈他者の夢〉を見ることに慣れてしまった現代人の

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    2022年12月17日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    ■真っ当に女性からモテたい男たちへ
    男なら誰しも「モテたい!」という願望を持ったことがあるだろう。

    それは進化論的に至極当然の感情だ。より多くのメスからアプローチが貰えるオスの方が自身の遺伝子を残せる確率は上がるし、非モテのオスは必然的に自然淘汰されてしまうからだ。

    実際に人間以外の動物(例えばライオンやクジャクなど)は腕っぷしの強さや見た目の派手さがメスから選別されるファクターとなり、それに満たないオスは冷酷にも切り捨てられていく。

    人間の男にも同じようなことが言える。
    いわゆるイケメンや高身長、金持ちなどのステータスがモテを左右する要件となり、条件を満たさない男性は女性から選択肢に入

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    2022年10月23日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    ポール・オースターの小説内で語られる物語の捉え方と、小川洋子の物語の捉え方に共通点が多くて驚いたが、後書きにポール・オースターを敬愛してると書いてあったので納得。

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    それはつまり切っているということです。切る時は、励ましの言葉で切ると一番カッコええわけね。「頑張れよ」っていうのは、つまり「さよなら」ということです(笑)。

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    2022年09月29日
  • 無意識の構造 改版

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    感想
    無意識の驚異の能力。その姿を眼前に鮮やかに描き出す。無意識は心身二元論に残された最後のフロンティアか。脳科学の知見も交えて議論したい。

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    2022年08月20日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    この本の感想は、言語化が難しい...。すごく面白かったのにこの思いを文字に起こせずすごくモヤモヤしている。もう一度じっくり読みたい。

    拙い言葉で一部書き綴ると...。
    色んなパターンで西洋と日本の違いを見比べた時に、あるものをあると認識するのは簡単だけど、ないものをある(逆も然り)と認識するのはすごく難しいなぁと思った。

    「治るばかりが能じゃないんですよ。そうでしょう、生きることが大事なんだから。」というフレーズにグッときた。

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    2022年07月30日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    タイトルと関係のあるような遺伝学的な記述は少ない。
    ごく穏当な内容のモテるためのテクニック本
    自信を持つ。
    女性の立場(何を恐れているか)を理解する。
    健康な肉体。メンタルヘルス。EQ的な意味の賢さ。意志力。優しさ。
    シグナリングとしての、財力、権力、名誉、見かけ。
    ロマンチックプルーフ(一途であるというシグナル)。
    男女比の低い(男の少ない)場所を選ぶこと。

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    2022年07月12日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    小川洋子さんと、臨床心理学者の河合隼雄さんとの対談本。
    心理学的な話が主なのかと思いきや、数学や宗教に絡んだお話も多いです。
    「原罪」「原悲」や、西欧一神教の人生観についての話はとても興味深かったです。もう少し深く考えたいので、そのうちまた読み返したい。

    河合氏は、2007年に亡くなったそうで、もっとこのお二人の対談を読んでみたかったので残念です。この方の本もそのうち読んでみたい。

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    2022年06月19日
  • 河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして

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    この本を読むと、カウンセラーという職がいかに難しく、いかに出口がなく、いかに報われないか……本当に、河合さんの言うように「物好きでないと」続かない仕事だとつくづく思わされる。どこまでいっても陰の存在であり、治る時には自然とクライアントは来なくなる。来なくなったときが治った時。この世の中で最も難しい職業のうちの一つだと思わされる。そして、「聴く」ということの重要さを思い知らされる。人はこんなにも聴いてもらうことで救われるのか。あるいはそうかもしれない。すごい、、

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    2022年06月16日