河合隼雄のレビュー一覧
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中堅の心理療法家・カウンセラーたちから寄せられた質問に著者が答えるかたちで、心理療法のあり方について論じた本です。
本書を読むと、心理療法家の人たちが心の病を非常に広い文脈でとらえていることがよくわかります。たとえば著者は、長年の妄想が治った患者から、「年来の友人を失った心境」だという感想を聞かされたというエピソードを紹介しています。ここには、ただ妄想を治してしまえばよいというような単純な考え方ではなく、患者を取り巻く社会や患者自身の生き方といった広い文脈のなかで患者の症状を考えようとする姿勢がよく示されているように思います。
心理療法家やカウンセラーと呼ばれる人たちも、そうした患者を取り -
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物足りない。軽く読めてしまう新聞の連載。執筆時、河合さんは何歳だったのかな。ちっと「老い」との距離を感じる。的外れの文が多いが、なるほど豆知識もある。
・「いい年をして」
・視野を広げて心配事を増やす。
・おとなはみんなおなじことをいう。
・「ちっと」心配りを
・アイヌの「神用語」
・-してあげる。
・桑原武夫「文学でもすごいのを読むと、脇の下に汗が流れるンでっせ」
・苦しい死に顔は誰かの苦しみを背負った顔
・性の問題はあからさまに論じることによって、その本質を歪まされるようなところがある。
・秘密を抱えて頑張ることが支えとなるときもあるし、それを誰かに打ち明けることによって支えを得ることも -
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96年から03年にかけての連載
10年前の話だけれど、
取れ挙げられている事件や話題は、
今も通用する話ばかり
●ある事件を取りあげて、
その対策を論じているが、
事件の原因を個人に結びつけるのでなく、個人がそんな風に生きざるを得なかった環境を、どう改善すればよいのかが述べられているところに、前向きな印象を受けた
●科学や事実だけでは、
人は時に救われない、
という話が印象的だった
確かに、人生をどんな風に生きるかや、大切な人の死をどう乗り越えるかは、科学的事実だけでは答えは出ない
自分の価値観を育むためにも、
「歴史の流れ」を知ったり、
「事実に対する自分の考え」を形成して、流れるス -
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心理学は、それを利用する者の思考・視野を拡大させる武器である。我々は、絶え間ない現象の総体としての世界を受け止め、物・心両方の認識と行為による経験を重ねて、老いていく。ユング派の著者がフロイトのエロス主義を乗り越える形で展開された、ユングの心の哲学を紹介したのが本書である。影というモチーフを使い、幽冥・顕在の二元的対立、心が含みうる葛藤・闘争の解釈を加えていく。まず、私としては漠然とした靄として想像した心のイメージが、視覚的に理解しやすい構造を明示した説明のおかげで、ハッキリした形となって掴めるようになった。ユングにしても、その思想は一つの仮説であり、読者にとっては、知覚の冒険のとっかかりを与
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なかなか面白かった。
一人の女性として、アニムスと母性の対話が興味深く読めた。
四十で不惑というけれど、迷い悩むこと、簡単に答えを出そうとしない所に心の豊かさはあるのだなと思った。
■メモ■
・わたしの人格形成に影響を与えた書物とは?
・日本における子どもの元型の力強さ。母親の多くが、自分の子どもを英雄にしたがる。
・グレートマザー:母性の両面性:生と死、育みと飲み込み、過保護と拒否
・鳥:魂・精神
・母親が父親の役割も担い始めると(過保護)、母親的な役割が希薄になってくる(拒否)。
・怠け者:特に西洋における¨勤勉さ¨への補償作用、自分の心の声(無意識)に気づく。怠け≠創造の放棄
・個人