あらすじ
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初歩的なことこそ、むずかしい。つまずいたとき、悩んだとき、初心にかえりたいとき、勇気と知恵を与えてくれる本。本書はカウンセリングやそれにかかわる心の問題について、いろいろな角度から述べている。
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Posted by ブクログ
とても賢い人で、考え抜いているからこそ、ここまで簡易な言葉で表すことができるのだなぁと思った。
めちゃめちゃ勉強になった。
以下、学んだこと。
・日本人は「場」、西欧人は「個」
・カウンセリングは「個」
・個を大切にしつつ、日本(場)で生きるにはどうしたら良いのかを考える必要がある(言うタイミング、言い方など)
・人と違うことが個性ではない。
・勝手なことは個、助けてほしいと場、ではダメ。
・見立ては、客観的と共感的の2つの視点が必要。
・見立てには、カウンセラーの力量や人間性が反映される。
・病理的診断ができる知識も必要(必要であれば精神科へ)
・普通でいられないとき、コンプレックスが働いている。
・コンプレックスの解消には爆発が伴う。
・コンプレックスがどれだけ多くても、人間の尊厳ということとは関係がない。
『教師であれカウンセラーであれ、物事ができない人に「あんたはできませんなあ」とはっきり言えて、しかもコンプレックスをつくらないような言い方ができる人があったら、教師としてカウンセラーとしてすごい人だと思います。』p.160
Posted by ブクログ
「四天王寺カウンセリング講座」で開催されている講座のうち
2007年に亡くなられた心理学者の河合隼雄氏が講演されたものを
「カウンセリング教室」と「カウンセリング講和」の
2冊に息子の河合俊雄氏がまとめておられます
「カウンセリング教室」からさらに一歩踏み込んだ内容
切り口は「女性」「芸術」「中世の物語」「病」
「カウンセリングと芸術」では弦楽四重奏を例にあげ
バッハやモーツアルトが表したかったことはひとつではなく
さまざまな音が重なり生み出されるものだと
言いたいことはいっぱいあるのに語られる言葉はひとつ
だから脈絡のない言葉でも 意味の通じない言葉でも
たとえ「死にたい」という言葉でも全て受け止める
その言葉の数々を受け止めながら全体の音楽を聴き取る
そんなカウンセリングを行ってこられたのだなと思われるエピソードでした
「日本の中世の物語」では観音沐浴の話をひきあいに出して
人間というものはそれほど自分を知っているのだろうか
むしろ周りの人の口から真理がでてくるのではと述べられています
こうした考察は
”心理療法とはクライエントが自らの物語″をつくることを助けることに他ならない
日本文学史における物語が投げかける問題を追究することで日本人の心性にせまる”
と語っておられたという河合氏の話に通じるものでしょうか
Posted by ブクログ
カウンセリングの現場に携わる方への講義を本にまとめた本。現場での実践についての話題のみでなく、人の心や個性、コンプレックスなどの話もあった。僕はカウンセリングに関して知識があるわけではないが、そういった専門家ではないひとでも読むことができると思う。
この本を読んで、すぐに気づくことはできない。著者の知見から引きでる言葉の数々を読んで、自分に時間をかけて問いかけてみたいことがいくつか浮かんだきがする。