【感想・ネタバレ】ユングと心理療法 心理療法の本(上)のレビュー

あらすじ

カウンセリングや心理療法が注目を集めているいま、日本の第一人者が、その原点にあるユングの考えを紹介しながら、心理療法とは何かを、わかりやすく説く。心はなぜ病むのか、どうすれば癒えるのか……から、夢分析とは、箱庭療法とはどういうものか……まで、心の問題についてはもちろん、生き方を考えるヒントもちりばめられている。「たましいの医者」ユングがめざした心の手当てとは!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

もともと論文をまとめた『心理療法論考』に他に発表したものを追加したということで、かなり心理学的に詳しい内容となっているが、詳細な事例研究が多く、難解といわれるユング心理学について、わかりやすく書かれていて、大変引き込まれた。

p242
「すべての問題が幼時の経験へとさかのぼって関連づけられるとは限らない」

p318
「一つの夢に対するとき、まずそれはいかなる自我の状態を補償せんとして生じたものであるかを考えてみる」

p542
「現象を全体としての布置としてみるとき、われわれの頼みとするところは、このような事態の意識的な把握によって、人間はその強力な布置から抜けでることができるということである。あるいは、意識による適確な把握ができたとき、元型的布置は自らその力を弱めていくとさえいいたい」

p595
「自我の一面的な固定化を排除し、それが常に高次の全体性を求めて発展してゆくことを目的とするのであるが、この常に発展してやまぬ心の過程を、ユングは「自己実現の過程」と呼んだ」

p1730
「感情の表現を通じて、自我が他者の理解を得ようとしているとき、それはとりも直さず、自らの心の深層へのつながりを模索していることになる」

p2001
「ノーマルな人の自己実現の過程を促進する手段として、箱庭療法を用いることも行われている」

p2034
「人間関係を媒介とせずには、表現が成立しない」

p2162
「自らの無意識へと深く沈んでゆく、そこにおいてこそ、クライエントの無意識と出会うところがあり、自己実現の力が活性化されるだろう。それが「深い」転移なのである」

p2365
「母性原理には個人差はない。すべての子どもが「努力されすれば総理大臣にだってなれる」と信じて疑わない」

p2395
「わが国の青年の多くは、その自我を確立すべきときになって、キリスト教に関心をもつようになる」

p2424
「土居は「甘え」を自我に発する依存欲求としてとらえ、英語でも"desire to be loved"などと表現している」

p2464
「母なるものは、常に自我を飲み込み、自我の発展をとどめようとのはたらきももっている」

0
2026年05月15日

Posted by ブクログ

河合隼雄の著作から、ユング心理療法を知りたいと思い読んでみました。多くの著作の中に心理療法の解釈として、患者自らが一人一人の物語が作れるように寄り添うことしかできない、治すという立場でカウンセリングはできないとあります。表層に出てくる意識の底にある、無意識の世界が夢の中に理解できるというのは何となく理解できそう。

0
2013年10月16日

Posted by ブクログ

-----
「無意識」にも思考があり、「意識」はその上に
立脚している、と捉えればいいんだろうか。
夢や箱庭という「意識」に基づく言語化とは違った方法で
内面を断片的に(そして固定的に)切り出す。
その対象をセラピストとともに分析することで内面を探る。
-----
自分が言語化して「考えている」ことというのは
自分の内面の本当に少しの部分でしかない。
「言語化できていない意識」
「意識化できていない無意識」
「無意識を作り出している経験」
「経験を作り出している文化」
「そもそもの知覚や思考の器質的特性」
などなど…
-----

0
2012年01月29日

「学術・語学」ランキング