【感想・ネタバレ】河合隼雄セレクション より道 わき道 散歩道のレビュー

あらすじ

毎日新聞に毎月1回、2年間にわたって連載された「より道わき道散歩道」シリーズに、これまで新聞・雑誌・官報などに書いた文章をあわせて、1冊に編集しなおした同名のエッセイ集の文庫版を電子化したもの。子ども、人間関係、人生、本、音楽、文化・社会、道草の拾いもの、と7つのテーマに分けて、より道したり、わき道にはいったり、適当に道草をかさねながら、思索の散歩を楽しむための格好の1冊。文庫版巻末解説は、作家・編集者の松家仁之氏。

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Posted by ブクログ

この本は河合隼雄のエッセイ集とも言うべきか。文体が平易で優しく気軽に読めるので、数年に1回読み返す。

毎回読むたびに新たな発見が。というよりは自分が年齢を重ねた分、経験値が少しは上がっているようで、理解に深みが増してくる感じが嬉しい。私の心が惹きつけられる箇所も毎回違うからおもしろい。その時々の自分の悩みを本に投影しながら文章を解釈していく作業を行なっているだろうから、心が揺さぶられる文章に出会って、癒されたり、新たな考えが浮かんだりする。

心理療法家は基本的にスーパーバイザーのもとに通っている。心理療法をしていると辛い話を聞くことが多く、1人では抱えきれないのだ。スーパーバイザーに話を聞いてもらい支えられて仕事をしている。さらにはスーパーバイザー自身も抱えきれない時があるので、その時はもっと度量の大きいスーパーバイザーがさらに話を聞いていくのだが、河合隼雄はその1番後ろのスーパーバイザー的存在であった。では、河合隼雄のスーパーバイザーは誰だった思いますか?

答えはバッハやモーツァルト。彼らの音楽が河合隼雄を支え、浄化してくれていたのである。このエピソード大好き。

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2025年12月27日

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