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ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。
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Posted by ブクログ
先祖と戸籍をテーマに色々な角度から様々なエッセンスが加えられておりとても面白かった。
特に前半は民俗学的な要素とか民間人の作った歴史を感じられて興味深く感じた。また8世代も遡ると先祖が200人以上になり、通常はその中の一筋を奉っているという事実は言われてみれば確かにそうで、改めて数字として見ると多いなと実感する。
自身は親戚付き合いはあまりなく、聞いた事はあるけど会ったことのない親戚が多い。「母方のばあちゃんの妹の子供」とか「父方のじいちゃんの○番目の弟の奥さん」なんて説明されるのも何だか分かりにくくて覚えられない。祖父母の時代は特に兄弟が多いからさっぱりだ。曽祖父の時代ともなるとお妾さんの子供とか養子に出した子供の話なんかも出て来て当時の複雑さを伺い知ることもある。2〜3世代遡ってもこれなのだから、街中で知らない親戚とすれ違っていることもあるのかも知れないなと妄想してしまう。
しかしこんなに先祖を辿れるものなのだなと感心した。一方で戸籍を巡る問題や犯罪にも触れられていて、一部は既知のことではあったが、改めてこうした現実があることも知れた。
ストーリーの主軸には主人公のルーツを探るというテーマがあり、各章にヒントが散りばめられて全体として綺麗に纏まっているのだが、個人的には短編で良いので先祖探しの色んなパターンをもっと読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
自分の先祖に特に興味はなかったけど、日本の戸籍制度はいろいろとお世話になってるのでとても楽しく読めた。
最初はわかりやすく戸籍を探して家系図を作るところから始めるので、この連続かなと思ったら全然違った。
墓で拓本を取ったり、憑代で霊を呼び寄せたりもうなんでもあり。ある時は寺に行き、郷土資料館に行き、観光案内所に行く。旧土地台帳とかよく知ってるなあ!
今のITご時世で得られる情報って電子化が進んでるかどうかなので、地方に行けば行くほど紙で残されてる資料の方が多い。実際に行ってみて、会ってみてやっとわかることばかり。
その行く先々でご当地グルメを紹介してくれるのもまたいい。盛岡冷麺も駅弁もめっちゃ美味しそう〜。
Posted by ブクログ
主人公は、ご先祖様を調べる「先祖探偵」。家系調査を請け負う一方で、本人は両親のことはもちろん、本名すらわからないという複雑な出自を抱えている。
調査では、戸籍をたどり、本籍地での聞き込みや菩提寺の過去帳を調べながら、先祖を遡れるところまで探っていく。その過程は実際の家系調査にも通じるものがあり、とても興味深かった。
一方で、さまざまな事情から出生届が提出されず、戸籍を持たない人々の存在にも触れられる。戸籍がなければ義務教育すら受けられない場合があるという現実には、改めて考えさせられた。
私自身も家系調査をした経験があるので、身近に感じられる題材だった。
Posted by ブクログ
すごく良かったです。
新川帆立さんの作品は本当にハズレがなくて、すごいなぁと思います。
本作は、先祖を調べることを専門にした探偵が主人公の連作短編集です。実は主人公は5歳のときに母親から捨てられており、自分の出自を知りたくてこの仕事をしているという経緯があります。
最初の依頼は、わざわざ宮崎県から110歳の曾祖父を表彰したいという問い合わせがあったことをきっかけに依頼者の曾祖父を探すというミステリ的なお話です。ホラーっぽい話や社会派な話までバラエティに富んでいてとても面白かったです。
主人公が捨てられた経緯や両親については、想像以上に重く悲しい理由でした。政治の犠牲になった人々がいたことを私たちはもっと知らなくてはいけないのだと思いました。
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