あらすじ
ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。
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Posted by ブクログ
タイトルからコミカルな話だと思って読み始めて、全然違っていてびっくりしました。もっと別のタイトルの方が良かったかな…
最後は自分が知らなかった世界、戸籍とそれに振り回された人たちの話に及び、大変感慨深いものがありました。
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面白かった!最後の主人公の風子が捨てられて理由は衝撃だった。戦争などの世間の情勢によって無国籍の人が多かったこと、今当たり前のように日本に生まれ生活している私とはかけ離れた話だったけど、そんな歴史があったのかと知れた事は良かった。
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『戸籍』『人』『祖先』『縁』『土地』人それぞれ考えがあって想いがある、昔の人も生きていて考えがある、悲しい話もあるけれどどこか暖かさを感じました
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先祖について調べる探偵家業が実際に存在するのかはわからないけれど、戸籍の調べ方や先祖のたどり方について学びながら楽しめた。
ちょっとしたエピソードを辿りながら、戸籍の種類も知れて、最後は主人公のまさかの展開。
新川さんならではの楽しさが詰まっていた。
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依頼者の先祖を探し出す物語。
先祖を探す為に戸籍を遡ったり、その土地に行って聞き込みしたり、家系図を作成してみたりと興味深いストーリーでした。
最後は感動しました。
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先祖探偵???何するの?と思ったら、それぞれに思いが、理由があるんだ。
日本に無国籍では、本当に何も出来なく、法改正が必要なのでは?と素人なりに考えさせられる一冊。
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面白かった。この人の本はほんと読みやすい。5編の連作短編集。自身のルーツを探すために先祖を調べる探偵になった主人公。戸籍をもっていない人がいるというのを改めて知った。前ねほりんぱほりんでも戸籍がない人のやつ見たと思うけど、今回のはまた違うやつだったな。日系ブラジル人について私は何も知らないで生きてきたのだ。そういう事柄はたくさんあるんだろうけど。第3話のより憑祈祷(よりきとう)の話が特に印象的。うちも地元の『神様』のばあちゃんから祈祷してもらったもんなあ。昔はもっと各地に『神様』がいたんだろうな。当時は胡散臭いと思ってたけど今となれば受け入れやすいというか。東北の地震の後でヨリになった若者の話はフィクションかもだけど、本当にありそうだ。あれだけの被害があれば、霊に憑かれる人がいたとしても不思議ではない。最後の参考文献を見て、こうやって私は小説を通して社会の事象を学んできたんだなぁと思った。こないだ友達と話した時にそれが言えれば良かったわ。
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私は祖父母と父母と一緒に暮らしていたからあまり先祖とかは気にしたことがなかったけども、主人公のような生い立ちだと調べたくなるだろうなと思いながら読んでいた。
2章の夏休みの宿題の女の子のお話は、そういう意図があったのかとどういった気持ちで調べていたんだと親2人を怒りたくなった。娘ちゃんの態度もよくないけど…。
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実際にこういった調査を引き受けてくれる探偵(と言うか調査会社)があるのかどうかは分かりませんが、自分のルーツを探りたくなると言うニーズは一定数あるように思います。
そういった点に目をつけたというのはなかなかおもしろい発想ですし、話自体もそんなにヘビーではなくサラッと読めるものでした。
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おもしろい1冊です。
先祖を調査してくれる探偵さんのお話。
依頼人の先祖を調査しているうちに、自分の先祖を明らかにすることになっていくわけですが、そこは帆立さんですから、グッと引き込まれざるを得ない表現力と展開になっています。
自分の先祖はどんなだろうとつい思いながら読み終わりました。
Posted by ブクログ
主人公の邑楽風子(おうらふうこ)は、依頼人の先祖を探す探偵。
小さい頃に母に捨てられて、新しい名前をもらい施設で育ち母を探している。
覚えているのは「母が名前も住んでいるところも全て忘れなさい」と言ったことのみ。
風子の行う先祖を探す探偵の仕事とは?風子は母と出会えるのか?
短編5話で構成されてそのうち1話は風子自身の話を描いた読みやすい作品。
ここのところ新川帆立さんを読みつけていますが、
これまでになくこれまでで一番取材や調査を感じた作品で
なかなか面白かったです
シリーズ化されそうな?ドラマ化されそうな?気配です♪
Posted by ブクログ
『元彼の遺言状』『競争の番人』に続き、またまたドラマ化されそうな本です。
ファミリーヒストリー、旅、食レポ、怪談、謎解き…。AIがテーマ設定したのかしら?と、思わせるほど、万人受けしそうなエンタメ作品でした。
意地の悪い言い方をしてしまいましたが、面白い作品でした‼️
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一話ごとの依頼の完了と、各話を通じて少しずつ明らかになる主人公の事情がそれぞれ楽しめて、素直に面白かった。派手さも小難しさもないけれど、そのおかげで読み疲れなく楽しめた。
Posted by ブクログ
おもしろくて読むのが止まらず、すぐに読み終えてしまった。
「先祖探偵」という今までにないテーマ。戸籍の事とか無知だったが、わかりやすくてためにもなった。
岩手の高齢の巫女、信枝が言っていたお話し、
「風の子」風子の名前の由来が、心に残った。昔の人が色んなことを考えて、今の慣習が残っているんだなぁと感じる。
Posted by ブクログ
戸籍を辿って先祖についての調査を行うというちょっと変わった探偵業を営む女性を描いた連作短編ミステリー。
◇
邑楽風子は児童養護施設育ちだ。5歳のとき母に捨てられたからで、施設を出てからはたった独りで生きてきた。
26歳で先祖調べの事務所を開いた。
戸籍を辿ってクライアントの先祖を調査する仕事で、戸籍についての知識も当然ながら身につけている。必要とあらば現地に飛んで聞き込みもするが、風子ひとりで事足りるので人づきあいの苦手な風子には向いていると言える。
けれど風子がこの仕事を選んだ本当の理由は、自身のルーツや母の行方を調べるため。そして何より自分が捨てられた事情を知りたかったからだ。
ある日、風子らしい人間を探している人物がいるという情報が、他の探偵からもたらされ……。
( 第1話「 幽霊戸籍と町おこし」) ※全5話。
* * * * *
無戸籍問題をモチーフにした別の作品を先日も読んだばかりだけれど、無戸籍となる原因は多種多様であることと、本人にとってはひどく深刻な問題であることはよくわかりました。
作者の新川さんが法律家としての目でこの問題を捉えて物語を構築していったためか、コミカルな部分や和やかな部分があったにも関わらず、全体的に暗く鈍重な空気をまとった作品になっていたと思います。
その点で、新川さんの他の作品とは趣を異にしており、それはそれで新鮮な感じがして楽しめたし、重くとも社会性のあるテーマを提示してくれているのもよかった。
印象に残ったのは、風子を置き去りにする時に母親が言い聞かせた「自分の名前も住んでいるところも全て忘れろ」ということば。これは強烈でした。
実の娘を捨てざるを得ない状況に加えて、名前も含めたそれまでの人生全てを捨てるよう命じる母親の心情は察して余りあります。
さらに、その言いつけを頑なに守った5歳の子どもの健気さと、守ったがために母親のことはおろか自分の本名まで記憶から消し去ってしまったという風子の悲劇。痛々しくてことばもないほどでした。
これらは風子が戸籍を持てるための代償なのだけれど、無戸籍とはさほどに深刻で大きな問題であるということがわかる象徴的な描写でした。
戸籍制度を持つ国は、日本のほかには中国と台湾があるばかりだそうです。
国籍があり住民票がある。なのに、さらにその上にある戸籍制度。何のためのものなのか。考える時期に来ている気がします。
Posted by ブクログ
元彼の遺言状よりも好きかも。
5歳の時に母に捨てられた風子は母を探すために先祖探偵として依頼人の血筋を辿る探偵事務所を開いている。他にない先祖探偵の話は新鮮だった。
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先祖を探す探偵…というか調査会社の話。日本の戸籍制度は確固たるもののイメージがあったけど、戦後のどさくさ、火事などでの消失や、届出忘れなどで、先祖が辿れなかったり無戸籍だったりすることもあり得る。知ってはいたものの思ってるより身近な問題なのかもしれない。個人的には、役所の担当者の知識は人により違いがあるから自分できちんと調べてから行った方が良いというのにひどく納得。
Posted by ブクログ
帆立さんの本はいつも勉強になる。
棄民戸籍と棄児戸籍。歴史に翻弄された人々が直面する日本の法律の問題。こんなこともあるんだと勉強になった。
「人の縁の中でしか人は生まれないし、生まれた瞬間から人の縁に組み込まれる。」人は孤独であって孤独ではないのかな。
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探偵事務所は喫茶店の2階で開業するのは定番なのだろうかw
出自のわからない主人公が最後に母親にたどり着く構成も良いし調査で行く各地の料理がおいしそう。透明なイカ食べたい!
北関東に住んでるから大泉にブラジル人の多い地域があるのは知っていたけど、そうなった経緯までは知らなかったので一つ勉強になった。
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戸籍を辿って、先祖を調べる探偵が主人公。あっと驚く展開あり、お仕事小説らしい魅力的な小道具あり、面白く読めた。最後は切なくて泣いてしまった。
棄民と棄児、より良いのはどちらか?
国の保護と親の保護、より良いのはどちらか?
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父を知らず5才で母に捨てられた主人公が先祖探偵として依頼人の先祖を探る。依頼を通して最終的に自分のルーツに辿り着くまでの全5話を収録。
面白かった。正直自分の先祖についてなど気にしたこともなかったが、世の中にはわからないから知りたい、困っているという人がいるんだなぁ。
調べ方も戸籍謄本、地域資料館、現地での聞き込みなど色々調べ方があるのだと知った。無戸籍の問題も経緯が色々あるなど知らないことがいっぱいあった。
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先祖を辿る専門の探偵事務所を営む主人公。依頼された事案と本人の出自が絡んでいく過程は面白い。のだが、一つ一つの依頼の中には、案件そのものが不自然なものもあり、無理やり押し込んだ内容と思えるものもある。無戸籍児童というのは、実際聞く話で、この主人公の母のように、戦争という時代の責任といえる事例もある。直接ではなくても、社会的弱者が追い込まれてそうなる、ということが多いとは思う。そこをテーマにしたところには共感したい。
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初めて読む作家さんだが、テンポよく読めて面白かった。
五歳の時に母と生き別れて以来、一人で生きてきた探偵・邑楽風子(名前は置き去りにされた町役場の職員に付けてもらったもの)。
先祖を調査するという、なかなかニッチな探偵業だがここにも風子の狙いがあった。人探しが目的の探偵業には当たらないため登録不要なのだ。
『野良猫みたいに暮らしてきた』風子が『自分の先祖を探す助けになるかもしれない』と始めた先祖探偵、なかなか興味深い。
彼女のキビキビした部分と思いやる部分とのバランスあるキャラクターもなかなか良かった。
一般人にとっては戸籍はあって当然のものだが、この作品を読むと、戸籍の曖昧さ危うさを感じる。
個人的には終戦直後の混乱期を舞台にしたミステリーで、戸籍の危うさを逆手に取ったなりすましなどの設定で戸籍の大切さを感じることはあるが、日常生活ではその存在など気にすることもない。
だが近代の戸籍制度が始まったのは明治時代、それより前を辿るとなるとどうするのか。歴史をたどるフィールドワークのようで面白い。
サブタイトルにもなっている「幽霊戸籍」「棄児戸籍」「焼失戸籍」「無戸籍」「棄民戸籍」というキーワードも勉強になった。
戦争によって起こったことも多いが、現代ではそうでない理由で無戸籍になる方もいる。
戸籍がないということの辛さ虚しさを改めて感じる部分もあった。
探偵業の話ではなるが、ミステリーというよりは人間ドラマのようでテンポよく読めるが深い話もあった。
憑きもののようなホラーめいたものもあれば、それこそ戸籍の危うさを逆手に取ったはなしもある。
逆にご先祖を辿ることで得られる絆もある。
終盤は風子本人の親探しの話になり、彼女自身のドラマが描かれる。
『孤独であることは、どだい無理なのかもしれない。人の縁の中でしか人は生まれないし、生まれた瞬間から人の縁に組み込まれる』
風子のご先祖探しは一応の決着を見せたわけだが、彼女の探偵業はまだ続くらしい。作品も続いて欲しい気もするが、さすがに戸籍の話だけで続編は厳しいか。
Posted by ブクログ
290ページ
1600円
9月5日〜9月6日
依頼人の希望のところまで先祖を調査してくれる探偵、邑楽風子。風子のもとには、すでに亡くなっているであろう曽祖父を探してほしいという人や、父方の先祖ですごい人を探してほしいという中学生など様々な依頼人が訪れる。ある厄介な依頼人
からの調査中に、風子自身の先祖をたどることになる。
戸籍を辿って先祖を調べてくれるのなら、私も調べてほしいと思った。日当3万円は高いけど...。
Posted by ブクログ
勉強になったというか、戸籍について何も知らなかったなーと思った。
そして、物語の最後はちょっと切なかった。法律は本当にこれでいいのか?なんかおかしくないか?と考えさせられた。
Posted by ブクログ
探偵というよりも調査員のような感じだった。
自身のルーツを辿るのは興味がある。
聞ける人がいるうちに、色々と教えてもらっておくといいなぁと思いながら本を閉じた。
Posted by ブクログ
主人公が探偵という設定で、他の作品と違う切り口で面白かった。
日々そんなに意識せずに暮らしている戸籍について、色々な種類があること、また戸籍があるのが当たり前ではないことを知って自分の考える普通の暮らしの有り難さに気づくことができた。