あらすじ
ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。
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Posted by ブクログ
面白かった。この人の本はほんと読みやすい。5編の連作短編集。自身のルーツを探すために先祖を調べる探偵になった主人公。戸籍をもっていない人がいるというのを改めて知った。前ねほりんぱほりんでも戸籍がない人のやつ見たと思うけど、今回のはまた違うやつだったな。日系ブラジル人について私は何も知らないで生きてきたのだ。そういう事柄はたくさんあるんだろうけど。第3話のより憑祈祷(よりきとう)の話が特に印象的。うちも地元の『神様』のばあちゃんから祈祷してもらったもんなあ。昔はもっと各地に『神様』がいたんだろうな。当時は胡散臭いと思ってたけど今となれば受け入れやすいというか。東北の地震の後でヨリになった若者の話はフィクションかもだけど、本当にありそうだ。あれだけの被害があれば、霊に憑かれる人がいたとしても不思議ではない。最後の参考文献を見て、こうやって私は小説を通して社会の事象を学んできたんだなぁと思った。こないだ友達と話した時にそれが言えれば良かったわ。