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タイトルに惹かれて手に取った。 歴史書のような語りから、監視ドローンにく支配された現在へ…。ある母子たちと、石読み、空読み、虫読み、そして鳥読みの能力を受け継いだ若者が繰り広げる摩訶不思議なストーリー。 個人的に虫は苦手だけど、虫読みの能力が面白い。特に、ハンミョウが踊るコサックダンス、見てみたい。
Posted by ブクログ
観光立国を目指し日本的ではないものを徹底して排除し、監視を続ける近未来が舞台
前半はその世界で暮らす家族の日常の中に不思議な力を持つ3人の造園業者がやってきて、小さな事件を解決するような感じなのだけど、後半は彼らが国家レベルの大きな問題に直面するという展開。
平安時代から現代までのおおきな時間の流れで架空の世界を作り上げて、さらにその世界の特殊な言葉を説明的にならずに自然に理解できるように導入する世界観の構築力がめちゃくちゃ巧い作品でした。
あと、2019年の刊行なのだけど、2026年の世界を風刺しているのではないかと思うくらいものすごく現代的なテーマが描かれていて心配になっちゃうくらいストレートな社会風刺になっていて、森さんの社会を見る目の鋭さを感じました。
ものすごく社会的なディストピア小説でありながら、魅力的なキャラクターたちが織りなす明るいノリの作品なのも良い。ちょっと伊坂幸太郎っぽいですよね。
Posted by ブクログ
歴史ファンタジー?SF?と思えば、時代は進み近未来の日本を舞台に物語は展開されていく。
歴史パートは実在した人物が登場し、近未来パートは妙にリアルでアイロニーな未来像で描かれる。そんな世界観に、なぜか自然と引き込まれていく。
驚いた。森先生は、こういうタイプもいけるのか。先生自身にとっても新しい挑戦なのかもしれないが、作家の可能性に改めて心打たれた。
こんなファンタジーな世界観にも関わらず、森絵都節は変わらず。登場人物の前向きな指向は、暗い現実に"カザアナ"を開けてくれるようだ。思春期の頃のどこか懐かしい景色を、思考を想起させてくれる。それは解説の芦沢先生の言うように初カラフルが思春期だったからなのか、はたまた森絵都の小説が故なのか、おそらく両方のハーモニーな気がする。
この気持ちを忘れたくない、そんなとても心地のよい物語だった。
Posted by ブクログ
森絵都によるアットホームでシニカルな長編近未来ディストピアSFコメディ。
短編ではSFっぽい作品も読んだことはあったけど、こんな物語も描けるのか、と20年以上追いかけて読んできた身としては驚いた。
現代社会への風刺や昨今の日本政府への皮肉が込められているような内容。
今までどんな弱さも惨めさも掬い取ってくれるような懐の深さと力強さを感じる作品をたくさん書いていた著者だけに、これが著者の政治的なイデオロギーの発露だったらどうしよう…(作者の人間性と作品を同一視するのは違うだろという意見もあるけど)好きな作家の作品を素直に読めなくなるかも怖いな〜…と途中までは思っていたのですが、最後の30ページでやられました。
着地点そこ!?
意外と言えば意外な結末だけど、そうだよな〜森絵都は正論で読者をぶっ叩いてくるようなことはしないよね〜、と安心しました。
世界の複雑さはこれからもマシマシになって連綿と続いていく。そしてそれは時にちっぽけな人間ひとりひとりを理不尽に押し潰してくることもある。そんな時、諦めて流されないで立ち向かう。なんじゃそりゃって笑われちゃうような方法だっていい。
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小説・文芸
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