あらすじ
監視ドローン飛び交う息苦しい社会で、元気に生きる母・姉・弟の入谷ファミリー。一家は不思議な力を持つ“カザアナ”と出会い、人々を笑顔にする小さな奇跡を起こしていく。読めば心のびやか、興奮とサプライズに満ちた著者待望の長編エンターテインメント!
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タイトルに惹かれて手に取った。 歴史書のような語りから、監視ドローンにく支配された現在へ…。ある母子たちと、石読み、空読み、虫読み、そして鳥読みの能力を受け継いだ若者が繰り広げる摩訶不思議なストーリー。 個人的に虫は苦手だけど、虫読みの能力が面白い。特に、ハンミョウが踊るコサックダンス、見てみたい。
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一気に読んだ本は久々でした。
歴史小説??という導入部分から今より少し先の未来へ。特殊能力の持ち主?カザアナの人々と入谷ファミリーが、変えていかなきゃの予測不可能な大冒険。実際に色々なことがおこり得るかもしれない未来の怖さ。ユーモアの中にもそこにどう向かうかを、問われているような気にもなりました。
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古典×ファンタジー×正義
カザアナという3人が使う不思議な力を使って、理不尽や悪と戦っていくお話
世界観も登場人物たちも魅力的で、面白かった
何より、暴力シーンが全然ないところがよい
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まるでジブリ映画を観ているような気持ちになりました。
悔しさを訴えてもいいのだと、一筋の光を追いかけていいのだと、森絵都さんは小説を通して伝えてくれているように面ます。わたしにとって完璧な小説。
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踊ると踊らさせるは全然違う。でも、もっと恐ろしいのは踊ってるつもりで踊らさせること。石も虫も空も読めないけれど、私たちには本がある。踊らされるんじゃない、踊るんだ。
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とても好きな世界観だった!不思議な力と自然と人の心が時代を超えて交わる。色鮮やかな景色の中、登場人物たちと一緒に冒険している気分を味わえた。どきどきした!
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歴史ファンタジー?SF?と思えば、時代は進み近未来の日本を舞台に物語は展開されていく。
歴史パートは実在した人物が登場し、近未来パートは妙にリアルでアイロニーな未来像で描かれる。そんな世界観に、なぜか自然と引き込まれていく。
驚いた。森先生は、こういうタイプもいけるのか。先生自身にとっても新しい挑戦なのかもしれないが、作家の可能性に改めて心打たれた。
こんなファンタジーな世界観にも関わらず、森絵都節は変わらず。登場人物の前向きな指向は、暗い現実に"カザアナ"を開けてくれるようだ。思春期の頃のどこか懐かしい景色を、思考を想起させてくれる。それは解説の芦沢先生の言うように初カラフルが思春期だったからなのか、はたまた森絵都の小説が故なのか、おそらく両方のハーモニーな気がする。
この気持ちを忘れたくない、そんなとても心地のよい物語だった。
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森絵都によるアットホームでシニカルな長編近未来ディストピアSFコメディ。
短編ではSFっぽい作品も読んだことはあったけど、こんな物語も描けるのか、と20年以上追いかけて読んできた身としては驚いた。
現代社会への風刺や昨今の日本政府への皮肉が込められているような内容。
今までどんな弱さも惨めさも掬い取ってくれるような懐の深さと力強さを感じる作品をたくさん書いていた著者だけに、これが著者の政治的なイデオロギーの発露だったらどうしよう…(作者の人間性と作品を同一視するのは違うだろという意見もあるけど)好きな作家の作品を素直に読めなくなるかも怖いな〜…と途中までは思っていたのですが、最後の30ページでやられました。
着地点そこ!?
意外と言えば意外な結末だけど、そうだよな〜森絵都は正論で読者をぶっ叩いてくるようなことはしないよね〜、と安心しました。
世界の複雑さはこれからもマシマシになって連綿と続いていく。そしてそれは時にちっぽけな人間ひとりひとりを理不尽に押し潰してくることもある。そんな時、諦めて流されないで立ち向かう。なんじゃそりゃって笑われちゃうような方法だっていい。
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個人的に作者が大好きなので、今回も読みました!
最初は古文から始まったので、少し驚きと抵抗もありましたが、とても読みやすくすぐ読み切りました。
近い将来、日本も似たような状況になる部分もあると感じる部分もあり、フィクションではありますが、面白いと思えました。
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将来の日本。こんなふうになっているのかも、と思わせる世界。
その中で不思議な昔のシャーマン力を活かして、日本社会に立ち向かう、という壮大な話…なのだが、ひとつひとつが面白い。
昔のシャーマン系の話が古典の言葉で読みづらいが、話としてはとても面白かった。
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著者のディストピア&エンターテイメントって、かなり衝撃
入谷家メンバーもいいけど、700年前からの封印が解かれ現代と繋がるカザアナの設定もいい
中盤、疾走しすぎ?ちょっとついてくの大変なくらいパワー炸裂、投げられるメッセージを落っことしそうになる勢い
日本がこの先直面する(すでにしている)問題をどう解消していくのか、自分の実感のなさを突き付けられる
心理描写もさることながらその想像力、冒頭のハンミョウのコサックダンスは実に興味深い
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68伝奇ものかと思ったら、700年の歴史を超えて復活した異能の一般人が主人公。ストーリーそのものより時代と向き合う登場人物が頼もしくて楽しい。続編あるかな?
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はじめに草をむしる/自分のビートで踊る/
怪盗たちは夜を翔る/しょっぱい闇に灯る/春のエピローグ
入谷さんちファミリーの元気なこと!
その思考や行動を見てる(いや読んでるか)だけで惚れ惚れしてしまう、いや開いた口が塞がらないとも言う。
特異なカザアナの方々にはその特異さが何てことないような、ちょっぴり羨ましいような。
おかげでワクワクして元気になったよ。
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超観光政策と監視社会という世界。
AIもかなり普及しており、未来感も感じる世界。
その世界で、平安時代に存在したといわれる特殊能力を持った風穴が蘇る。
近未来×平安時代という組み合わせながら、現代においても起こりうる苦難を、勇気や仲間との協力によって乗り越えていくというわかりやすいストーリーでおもしろかった。この本の世界もその情景がイメージしやすく、それもまた良かった。
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森絵都さんの作品特有の、温かな希望を与えてくれる物語でした。
平安時代の「風穴」という異能の徒の話と、近未来の情報管理社会に暮らす姉弟・家族と造園業者「カザアナ」の話が並行して描かれ、つながっていきます。
登場人物たちが、身近な小さい問題の解決から国レベルの環境・文化・多様性の問題にまで関わり、(物語の展開に賛否はあるかもしれませんが)私たちが暮らしていく社会への警鐘と大切にしなければならないことを、ファンタジー仕立てで教えてくれているようでした。
特に、子どもの視点を大切にしながら、小さな力でも大事なものを守ろうとする、まさに世の中に風穴を開けようとする設定、八条院さまの心清き優しさに、楽しく読み進められました。
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小学生の頃、著者の作品にハマり、読みあさっていたことを思い出しながら読んでみた。
大人になると物語にいまひとつ入り込めない気もしたが、子どもの感情が的確に表現されていることが昔の私にとってはすごく面白く感じるポイントだったのかなーと思った。
様々な制約の中でも、心まで窮屈にならず前向きに闘う人々の姿から自然のように爽やかな印象を受けた。
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以前別の本の短編小説で著者の作品を読んで、(ユーモラスで面白い)と思い購入しました。
登場人物達の前向きで自由な感覚に元気を貰えるので好きです。
世間がどうあっても、自分を見失わない強さが単純にかっこいいと思います。自分は近頃、人それぞれ考え方が違うと理解してる、と思っているだけで、実際は自分とは違うなとどこかで一歩引いて見ているんじゃないかと考えることがあります。これが固定概念に囚われている、という状況なんだろうかと思っていた矢先にこの本を読みました。
普通、や世間体に無意識に拘ると、見えないものが多くなると思います。物語りの中では社会が求める国民性に反発、葛藤する人々が描かれ、自分はその姿を羨ましく思いました。日常では、その様な世界を巻き込む事件はそうそう起こりませんが、違和感に気づいたら、それが自分の意見なのか世間の意見なのか立ち止まる事が必要なのではないかと思います。与えられる事を鵜呑みにしないで考え続けるのは大切な事だなと思います。
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森絵都といえば思春期の少年少女が中心の青春小説である。と私は考えている。
大人を主役に添えることもあるが(みかづきもそうだった)あくまで舞台は現代であることのほうが多い。
それが今回かなり印象の違うファンタジーともSFともつかぬ話を展開していたので驚いた。
舞台は近未来の監視社会化した日本。そこで主人公たちは平安時代より蘇った森羅万象を読む人々「カザアナ」と出会う。
話自体はめちゃくちゃ面白いというわけではなかった。私の中の森絵都のハードルが上がっているだけの可能性もあるけど。
ただ私は ティーン向けの小説で金字塔を打ち立て、塾の歴史というある意味では子どもが主役の小説で本屋大賞2位を取った作家が、さらに新しい場所へ行こうとしていることに感動した。
作家ってすごいなぁと改めて感じた。
作品そのものの出来というよりは10年以上前から好きな作家が衰えを見せることなく新しい道を探していること、私はそれがとても嬉しい。
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監視社会化が進む少し先の日本。里宇とその家族はどこか不思議な庭師カザアナたちと出会う、特別な力をもつカザアナたちと里宇を含めたぶっ飛んだ家族たちが織りなすファンタジー?SF?小説。
本屋であらすじを読んだ時、近未来の話でなにかメッセージ性のある小説なのか?だけど庭師という単語からお仕事小説ぽいのかなぁ?と予想ができず気になり購入を決めました。読みはじめからは何というはちゃめちゃな設定にとても驚いてしまった。
まず世界設定、ジャポいものを強制する政治、こんな世界あるか…?IF世界だとしてありえないよなぁと読みながら思った。そして登場人物たちだが性格はぱっとみキテレツではあるのだが読みすすめていくとその内側は親近感がわくといった不思議な内容。
そして、ラスト日常ほのぼストーリーかと思いきや、シリアスとギャグを混ぜつつ大物相手にドタバタ展開、次のページをめくるたびに予想外すぎて目を白黒し、よみ読み終わったときとてもほっと息をつくという奇妙な気持ちになりました。
いままで読んできた森絵都作品のなかでも結構奇抜な印象で戸惑う人は多いと感じた。だけど普通の小説では読み足りない、物語に振り回されたい人にはおすすめの小説です。
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平安の世から近未来、ミックス、AI、異能の徒など、色々なものが混ざり合った不思議な物語。「ジャポい」や「オバシー」なんて、そのうち流行りそう。
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人口減少や高齢化やインフラ老朽化やらで八方塞がりだった日本で、起死回生をかけた観光革命により街が景勝特区としてランク付けされ、人々はMW(腕時計式高機能モバイル)に管理されて参考ナンバーを競わされる。そんな社会という設定の割にはなんだか緩いお話。
景勝特区だのMWだの参考ナンバーだの聞きなれない言葉が出て来て、後になって説明があるのもややストレス。
時空を超えたカザアナの設定やキャラクターはよく出来ていたと思うけど、話が広がり過ぎて取っ散らかった印象で、物語の世界に入り込めなかった。
★★★にしたけど★★に近い。
Posted by ブクログ
タイトルから
何か、もしくは何処かにどデカい穴をあける!
的な話かと思ったけど
全然違ったなぁ
カザアナって
特殊な能力を持つ一族のことだった
それは、平安時代から続く一族で
物語はAIがいたるところであたりまえに存在する
近未来
家庭教師や秘書がAIで
空にはドローンがパトロールする
そんな社会で古来の能力はどんな活躍をするのか
その辺が見どころだ
個人的には
主役の一人、早久少年のキャラが好きだね