分厚さの大半は「シングルマザーと自分、それを取り巻く1980~90年代の英国の荒んだ空気」
自伝というからリアルに描かれた迫力がビンビン響いてくる。
だが、国情の違いも加わり、共感を得、感動はしなかった。
日本でもつとに言われるヤングケアラー。
内容自体は古い歴史にもちょいちょい登場する、いわば小
...続きを読む説ネタ。それを逆手に感動をうらんかなはまっぴらごめんと思っているだけに痛みだけが残った読後。
自分の過去を言語に置き換え綴って陽の目を当てたいという筆者の努力は才能だけでなく、並大抵の努力が有ったと思う・・しかし、同じ環境に有って正反対の反社会的環境で蠢いたり、あの世に行ってしまった人間の方がはるかに多い事は想像に難くない。
グラスゴーはよく映画の舞台にも登場する炭鉱町が多い。作品は架空の町乍ら、情景の描写がが巧み、登場する男どもがろくなもんが居ないのも同じ・・ロックミュージシャンも多いし。
エリザベステイラー似というだけで相当な美形は想像できるがそれを基にした感じが強いアグネスの・・50歳を前にした骸、棺を燃やす箇所は寒々としたもの。踏み台にしてぼろくずの様に捨てたシャグ・ユージンは当時,炭鉱の町では一般的な男の姿という感が強かった。