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「ダグラススチュアート」の「シャギー・ベイン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ダグラススチュアート」の「シャギー・ベイン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
人間はみんな愚かで弱くて小さな存在で
人生なんか勝手に転がり落ち続けるもので
自分で選べるようなことなんかほとんどない。
そんな毎日がただただ積み重なっていく。
でも、そんなクソの中でも、一歩踏み出せる日もあったりして、愚かで弱い人間は愛おしい。
という、私の大好きなテーマの本。
今のわたしが生きている社会は、豊かで平等で、なんでも望むことができるし、SNSを開けば他人のキラキラの上澄みや成功体験ばかりが目に入るけれど、生きるということは、本来苦しくて思い通りにはならないものだ。
グラスゴー、サッチャーと炭鉱労働者、カトリックとプロテスタント、アルコール依存症、ヤングケアラー、性的少数者、親子の愛、政府からの給付金のみで生活する貧しい人たち、好色なおやじども、我慢するだけの女達、愛し合いながら憎み合う家族、いろんな切り口で読めるけど、ちゃんとした人間なんて1人もいないのがとてもよかった。
Posted by ブクログ
世のアルコール依存症に悩む人々に是非読んで欲しい凄い小説。失踪日記(吾妻ひでお)や今夜すべてのバーで(中島らも)に並ぶアル中文学の大傑作。
主人公シャギー・ベインの母はエリザベス・テイラー似の美人。この女が主人公以上に物語の核なんだが、ちょっとしただらしない性格で、そのだらしなさからアルコールに溺れていき依存症となる。
アグネスの周囲の人々がまた本人以上にクズみたいなヤツばかりで、浮気性でハラスメント要素をもつ夫シャグをはじめ、アグネスの酒を助長する連中ばかり。
一度は断酒を決意するアグネス、1年以上も成功した断酒をぶっ潰したのはシャグと同じタクシードライバーのユージーン。多分こいつが作品中一番の大失敗男で、アグネスの周囲にいるクズ連中よりはよほど紳士なのだが、なんで吞ますかなぁ…。他人の努力を悪意なく最悪のタイミングで潰してくる奴っているよねぇ。
シャギーは母のせいで、そして自分の性癖のため、貧困生活やヤングケアラーであることもとんでもなくひどい人生を送りつつも、最後まで母に寄り添っていく。母との離別は可哀そうだが、もうちょっとマシな…せめて飢えず凍えずキチンと睡眠をとれる生活を送って行って欲しい。
しかし、酒はほんま人生狂わせるし、止めようと少しでも考えたことがる人は、はよ止めた方がいい。そして酒を呑まない生き方をしている人に呑ませるような行為は絶対してはいけない。酒だけでなく、人に何かを勧めるという行為には慎重を期した方が良い。
Posted by ブクログ
イギリス・グラスゴー。日本人の私からしたら、全く知らない土地なのに、読み進めるうちに懐かしいような気がしてくる。家の中のことが近所に筒抜けで、格好なんてつけない。ただ自分のままで生きている。必死で生にしがみついている。そういう階層の人間たちが集まっている。裸で人生を進んでいる人たち。
貧しいということの、泣きたくなるような悲しさ。お金がないということが心を貧しくし、しかしそれと反比例するように生が色濃くなっていく。
作者の自伝的小説というのは、ある種の性格を持ち合わせている。強烈なメッセージを主張したいがために書いたわけではないのに溢れ出てしまう感情の大波。こういうものは、津波のあとの町のように、読者の心を塗り替えてしまう。訳者あとがきで書かれていたが、作者は"どうしてもこの物語を自分の中から取り出す必要があった"と語っている。この物語を体から取り出さなければ、一人の人間として形を保っていられなかったのだろうと思う。
600p超えの大作の、一文一文に薄く暮らしが編み込まれているような文章で、読みにくくはないのに進むごとに物語が染み込んでいくのを感じた。
訳者あとがきを読むことで一層物語が愛おしく思えると思う。最後のページまでぜひ読んでほしい。