ダグラススチュアートのレビュー一覧

  • シャギー・ベイン

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    圧巻の600ページ。1980年代のグラスゴーにて、自己破壊的だが美しく誇り高い母アグネスと、3人の子どもたち、そしてアグネスを良いように扱う男たちを描く。サーチャー政権下の炭鉱閉鎖、失業、貧困、有害な男らしさと女性蔑視、性的指向、アルコール中毒、カトリックとプロテスタントの対立とこれでもかというくらい暗い要素ばかり。機能不全の家庭のアル中の毒親の虐待物語と突き放すこともできるが、そういう要素を否定できないからこそシャギーの母への愛がとにかく美しく悲しいと感じた。2020年のBooker賞受賞作。

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    2025年11月21日
  • シャギー・ベイン

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    ネタバレ

    世のアルコール依存症に悩む人々に是非読んで欲しい凄い小説。失踪日記(吾妻ひでお)や今夜すべてのバーで(中島らも)に並ぶアル中文学の大傑作。

    主人公シャギー・ベインの母はエリザベス・テイラー似の美人。この女が主人公以上に物語の核なんだが、ちょっとしただらしない性格で、そのだらしなさからアルコールに溺れていき依存症となる。

    アグネスの周囲の人々がまた本人以上にクズみたいなヤツばかりで、浮気性でハラスメント要素をもつ夫シャグをはじめ、アグネスの酒を助長する連中ばかり。

    一度は断酒を決意するアグネス、1年以上も成功した断酒をぶっ潰したのはシャグと同じタクシードライバーのユージーン。多分こいつが作

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    2023年09月26日
  • シャギー・ベイン

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    作者の自伝的小説らしい。作者=シャギーではないにしろ、作者が社会的に成功しているということで、読み切れた気がする。
    子供は親を選べない。どうしようもない母親だが、最後まで見捨てなかった少年。

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    2024年01月19日
  • シャギー・ベイン

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    分厚さの大半は「シングルマザーと自分、それを取り巻く1980~90年代の英国の荒んだ空気」
    自伝というからリアルに描かれた迫力がビンビン響いてくる。

    だが、国情の違いも加わり、共感を得、感動はしなかった。
    日本でもつとに言われるヤングケアラー。
    内容自体は古い歴史にもちょいちょい登場する、いわば小説ネタ。それを逆手に感動をうらんかなはまっぴらごめんと思っているだけに痛みだけが残った読後。

    自分の過去を言語に置き換え綴って陽の目を当てたいという筆者の努力は才能だけでなく、並大抵の努力が有ったと思う・・しかし、同じ環境に有って正反対の反社会的環境で蠢いたり、あの世に行ってしまった人間の方がはる

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    2023年01月02日
  • シャギー・ベイン

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    イギリス・グラスゴー。日本人の私からしたら、全く知らない土地なのに、読み進めるうちに懐かしいような気がしてくる。家の中のことが近所に筒抜けで、格好なんてつけない。ただ自分のままで生きている。必死で生にしがみついている。そういう階層の人間たちが集まっている。裸で人生を進んでいる人たち。
    貧しいということの、泣きたくなるような悲しさ。お金がないということが心を貧しくし、しかしそれと反比例するように生が色濃くなっていく。

    作者の自伝的小説というのは、ある種の性格を持ち合わせている。強烈なメッセージを主張したいがために書いたわけではないのに溢れ出てしまう感情の大波。こういうものは、津波のあとの町のよ

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    2022年10月02日
  • シャギー・ベイン

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    ネタバレ

    サンサーラが頭の中でなる小説。
    ザ・ノンフィクションを観てるみたい。

    読んでいて辛くなる時間が多かった。
    一方でアグネスがシャギーを取り返しにシャグのもとに訪れ、ゴミ箱を投げつけるシーンは痛快ですらあった。

    アグネスが亡くなるシーンがとても印象的。 
    絶望の果ては静寂と愛が残った。
    自分はこんな人生送りたくないし、自分の娘にもこんな目には合わせたくないが、小説の中では絶望の人生も必死に命の輝きを放っていたように思う。

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    2022年08月23日
  • シャギー・ベイン

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    タイトルはシャギー・ベインだけど、本当の主人公はシャギーの母アグネス。
    貧しい肉体労働者の一人娘として生まれたアグネスは、歯並びは悪かったが、エリザベス・テーラー似の美人でスタイルも良く、言葉遣いもきれいで、ファッションセンスもあった。ハンサムではないが誠実で真面目な男と結婚。二児をもうける。
    ここまでなら、まあ普通の良い人生。
    だけど人間は愚か。そんな平凡で退屈な毎日に嫌気が差し、性的な匂いをプンプンさせるタクシー運転手シャグと子連れで駆け落ちしてしまう。
    が、こいつが浮気、DVをするろくでなし。ここから彼女の転落が始まってしまう。この運転手との間に生まれたのがシャギー。
    シャグに捨てられア

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    2022年08月05日
  • シャギー・ベイン

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    これはとめどもなく続くアルコール中毒者であるアグネスの生態記録、アグネスを見放せない一途に健気に寄り添う子供のシャギー、このノベルは諦めずアグネスを見守り更生させたいが出来ないもどかしいシャギーの気持ちに沿って根気よく読み続けないといけない。徒労感が残り消化不良のまま読み終える。

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    2022年07月12日
  • シャギー・ベイン

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    シャギーの生きるイギリスの時代背景が、沈みゆく日本の姿と重なって見えた。

    母を必要とする年齢のシャギー。少し歳上の兄弟たちと母の関係性が時間と共に変化していく様子から、シャギーと母との関係の未来を予感させ、読んでいて終始切なかった。

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    2022年06月28日
  • シャギー・ベイン

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    1980年代の英国グラスゴー。
    アグネスは新しく生まれ変わるため
    家族と共に炭鉱町へ移り住む。
    しかし、元夫に見捨てられアルコールが手放せなくなる。
    息子・シャギーには愛情を注ぐが生活は困窮していく。
    (あー、アグネス、また失敗をしちゃうのかな?
    どうか、アルコールではなく子供たちに目を向けて)
    そう思わずにはいられない。
    読んでいて辛いことばかりなのに
    なぜか、この親子を応援したくなる。

    訳者・黒原敏行さんあとがきより
    P607
    〈作者のスチュアートは、この作品は労働者階級の声、スコットランド人の声、女性と子供の声、同性愛者の声という、少数派の人々の”多様な声”を響かせることができているの

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    2022年06月22日
  • シャギー・ベイン

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    サッチャー時代の炭鉱の町グラスゴーの貧困家庭の話。アルコール中毒の母親の面倒を見る小学生のシャギーが主人公。
    ちょうどアメリカのラストベルトの話のようだが、人種や移民の話はまだなく、カトリックとプロテスタントの対立が底層に流れる。
    筆者の自伝らしいが、ちょっと冗長。

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    2025年08月27日
  • シャギー・ベイン

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    複雑な歴史背景などがあるんだろうけど、結局、母親は子供に甘えてただけなんじゃないかってモヤモヤして終わった。
    でも、読みやすかったので読んで良かった。

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    2025年08月18日
  • シャギー・ベイン

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    長い長い地獄。リアンが登場してきてくれてせめてよかった。スコットランドの宗教対立は、映画ベルファスト、それにセルティックファンダムって本、そしてpop life podcastの海外サッカー回を聴くとすごく深まると思う。

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    2023年07月14日
  • シャギー・ベイン

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    長編の時代小説を思わせる重量感(616ページ)、勢いよくめくるとシワになりそうな薄っぺらいページの紙。聖書みたいと思ったのも束の間、中身は数々の背信行為で溢れかえっていた。

    「誇り高く、いつも周囲を魅了していた。貧しさが国全体を覆っていくなか、彼女は家族をまとめようと必死だった」
    あらすじは、主人公シャギー・ベインの母親アグネスのことを健気な風に記している。だが本書は、こちらの予想を遥かに超えるアグネス像を突きつけてきた。

    誇り高く?貧困をものともしないフリをして着飾り見栄を張っているようにしか見えない。「誇り高い」はさすがに誇張している。
    家族をまとめようとする?自分の思い描く理想の家庭

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    2022年07月04日
  • シャギー・ベイン

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    ネタバレ

    いやー、つらくってつらくって。

    『ケス』+『タクシー・ドライバー』?というような幕開け。
    やっぱり子どもには、幸福な子ども時代を送ってほしい。いくらお母さんが好きでも、アグネスも子どもが好きでも、でもなあこの状況なんとかならないの、と思ってしまう。貧困、アルコール依存、DV夫、その他の暴力…いやちょっと私には救いが見えず、つらかった。

    愛がなくちゃあだめなんだけど、愛だけでもだめなんだねえ、と

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    2022年06月13日