作品一覧
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3.917人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ 私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。17人の人気小説家・美術作家・コラムニスト・漫画家・発明家が自らの「身体」と向き合い、ときにユーモラスに、ときに激しく、そしてかつてない真摯さで文章をつむぐ。「文學界」人気連載がついに単行本化。 著者は島本理生、村田沙耶香、藤野可織、西加奈子、鈴木涼美、金原ひとみ、千早茜、朝吹真理子、エリイ、能町みね子、李琴峰、山下紘加、鳥飼茜、柴崎友香、宇佐見りん、藤原麻里菜、児玉雨子の17人。 自分と自分の身体の関係を見つめる言葉が、これまで読んだことのない衝撃と共感をもたらす。 【目次】 島本理生「Better late than never」 村田沙耶香「肉体が観た奇跡」 藤野可織「「妊娠」と過ごしてきた」 西加奈子「身体に関する宣言」 鈴木涼美「汚してみたくて仕方なかった」 金原ひとみ「胸を突き刺すピンクのクローン」 千早茜「私は小さくない」 朝吹真理子「てんでばらばら」 エリイ「両乳房を露出したまま過ごす」 能町みね子「敵としての身体」 李琴峰「愛おしき痛み」 山下紘加「肉体の尊厳」 鳥飼茜「ゲームプレーヤー、かく語りき」 柴崎友香「私と私の身体のだいたい五十年」 宇佐見りん「トイレとハムレット」 藤原麻里菜「捨てる部分がない」 児玉雨子「私の三分の一なる軛(くびき)」
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
先日亡くなった祖母と母の関係を思い出す。
老いや孤独を武器に好き放題に悪態をつく祖母に母は頭を悩ませていたし、時には泣いたりしてた。
老いからくる孤独感や疎外感、自分が思うように身体がついてこないことへの苛立ちなどは、自分がその状況に置かれなければ完全に理解できるものではないと頭の隅では理解しているから、こちらは同じ熱量で張り合えないし、張り合ってしまったことを反省したりする。
相手はじいちゃんに先立たれて施設で1人暮らしているおばあさんやぞって。優しくしてあげないとあかんやろって。分かってても、イラついてしまう。分かっていることとイラつかないことは同義ではない。
お人好しで気使いな母を介 -
Posted by ブクログ
自分がぼんやりと思っていたことをここまで言葉にしてしまうのか、と思ったものが数編。
わたしは残念ながら毎日のように痴漢に遭っていた時期も不同意性交の経験も、もちろん性を花や商品として扱われたこともあるけれど、そういった性被害ってなんとなく自分の中で遠ざける傾向があると感じていて
矮小化して自分でも意識しないうちに忘れようとする(実際忘れていて、ふとした瞬間に蘇る)ものをここまで考え抜いて言葉にしたのか、というのが少しつらくてでも痛快だった。
女性として受けた傷って、どうして矮小化してしまうんだろうな。
すっかり忘れていた記憶が蘇ったり、笑えるわけないのに笑い話にしようとしたり
他の傷と違って