山下紘加のレビュー一覧

  • 煩悩
     涼子の安奈に対する清濁併せ持った思いが、ぎっしりと詰まっていた。涼子にとって安奈は、親友という関係は優に超え、家族とも違い、自分の一部のようだ。愛おしい気持ちを抱き、かけがえのない存在でありながら驕る気持ちが勝り大切にできない、何とも不思議な関係だ。自分の経験とは一致しないのに、涼子の気持ちがどこ...続きを読む
  • あくてえ
    この本を読んで学んだことは
    読書は絶望に近い孤独を埋めるかもしれないということ。

    昔は知り合いに数名いた読書家のいう、活字中毒の意味が理解できませんでしたけど
    (アホの子なので)

    あくてぇ

    芥川賞カテゴリ。
     
    90年代生まれの作家さんです。
     
    甲州弁で悪態をあくてぇと言うそうです。
     
    ...続きを読む
  • 煩悩
    複雑な感情をここまで言語化できる語彙力表現力が素晴らしいと思う。歪んだ執着心、嫉妬心、支配欲。私には理解できない感情が多かったけど、それでもそれがどんなものかはとても伝わってきた。
    主人公は賢く、他者や自分をここまで理解しながらも、相手を支配しようとすることはやめないし、やめられない。ターゲットに選...続きを読む
  • あくてえ
    なんだか、終始、イライラしてたな〜笑笑
    まず、不倫して出ていった旦那の義母を元奥さんが介護するって何よ〜〜〜。
    意味わからん、絶対嫌だけど笑笑
    なんで、離婚して晴れ晴れして第2の人生を、他人の元旦那の母親の介護しないといけないからよ泣。
    お人好しすぎてイライラ。。。お金もないのに。。。
    孫ちゃんがば...続きを読む
  • あくてえ
    怒鳴りながらも愛を持って祖母の世話をしたり、次の瞬間には殺意が湧いてみんなで死にたくなったり。
    ストレートすぎる感情たち。
    まさに出口のない日々。
  • あくてえ
    体験してないけどすごいリアル
    どうにかなることもなくずっと続いていく現実っていうラストにもガツンとやられた、、、タイトルもぴったりすぎるあくてえしかない
  • 煩悩
    ほんタメ文学賞あかりん部門受賞作。

    こういうのを読むと、人ってこんなに誰かに寄りかかったり執着したり、人間のこと好きなんだなあと客観的になってしまう。
    私の人間嫌いな面が露呈するというか。
    私には分からない感情だな〜。
  • 煩悩
    「分かる〜」と安易に言えない人物像が良い。
    涼子の一人称で杏奈に対する依存、嫉妬、所有欲、その他諸々の思考でほぼページが埋まっているのだが、それでも理解が出来ない。
    後半の杏奈の危うさや涼子の2人の関係の終わりに突き進む複雑さはホラーのようで顔を歪めながら読み、読後、呻いた。
  • 煩悩
    ホンタメであかりんが紹介していたので読みました。
    洗練されたワードチョイスで著者の語彙力すげ〜!となりました。

    物語は女性同士の友情で
    主人公はドライな性格かと思いつつ友達への支配欲?庇護欲?が強く自分の思い描く友達でいてほしいという想いが強そうです。
    友達は少し学習障害の気がしていて(本編でその...続きを読む
  • 煩悩
    語彙力がすごい…
    一つの物事に対して、どれだけ多くの言葉を使って表現できるか、みたいな、「言葉」を楽しめる作品でした。
  • あくてえ
    ずっと苛苛する文が続いて、ずっと嫌な気持ちのまま進んでイライラしっぱなし!!!!

    なのに読みやすくてスルスル読めるのは、現実的な内容だから感情移入しやすいのかな?と思いました。

    登場人物全員イライラしました笑
    祖母も母も父も彼氏も……

    この中に書かれてることが本当に人の人生ぽいなと思いました。...続きを読む
  • あくてえ
    こんなところで終わるのか。

    "あたしが書く小説は必ず終わりを迎えるし、良くも悪くも決着がつくのに、現実はそうではない。ずっと続いていくのだ。"

    だからこの終わり方でいいのだ。

    ずっと「きいちゃん、いい人すぎるよ。できすぎだよ。」と思っていた。途中でその優しさ、善良さがゆめを苦しめていることがわ...続きを読む
  • あくてえ
    あくてえは、甲州弁で悪態のこと。

    主人公は、祖母のことを母と一緒に介護しているが、
    この祖母が曲者。
    悪態をつきたい気持ちがよく分かる。

    その悪態はリズミカルで、文章はするする読めるが、
    なんとも苦しい。
    それは悪態はついていても、祖母に対する優しさが捨てられないから…。

    安易にめでたしめでた...続きを読む
  • エラー
    フードファイターのお話。
    どんなに強い選手と対戦しても、負けたことがない。
    「常連の選手がどの程度の力量かは過去の経験上、大体把握できているので事前に予測を立てやすい。私の読みが外れたことはなかった、これまでは。」(P.8)

    テレビで早食い競争とか、私は見ていて楽しいけど、本で読んでも選手たちの熱...続きを読む
  • あくてえ
    惜しくも芥川賞受賞を逃したけど『おいしいごはんが食べられますように』と同じくらい面白い作品だった。

    何人かの芥川賞審査員が指摘するように、ばばあへの愚痴が延々と続いてうんざりするというにのも分かるがあくまでタイトルは「あくてえ」。現実的にヤングケアラーの派遣社員であくてえをつきたくなるような現実に...続きを読む
  • あくてえ
    確かほんタメ!で取り上げられていた本。
    キツかった。主人公は環境に恵まれていない。いろんな種類の毒を持った家族に囲まれ搾取され舐められている。生々しかった。

    母親も父親も「ババア」にも彼氏にも腹が立ち主人公が不憫で仕方なかった。あくてえを何度ついたって変わらない現状。

    全てをなあなあにして受け入...続きを読む
  • あくてえ
    19歳のゆめは、小説家を目指している。家では、90歳の父方の祖母(ばばあ)を母と介護している。父と母は離婚していて、父は再婚し、子供もいる。
    ゆめをかこむ登場人物がどうしようもなく気持ち悪い。ばばあと父はもちろん、中途半端な優しさで介護を強いて、イヤな役割は押し付ける母も、話の意図がかみ合わない恋人...続きを読む
  • あくてえ
    私も祖母とまさに「あくてぇ」な関係だったので気持ちが痛いほどわかりました。
    搾取ばかりされているようでイライラするしお互い様でしょ!な気持ちで言ったこともこちらが悪者のように言われる…。
    しかも終わりがない。

    私も辛かった…。
  • ドール
    いけ!紘加!やってやれ!
    という感じの作品。
    装画がかわいくてハートウォーミングかと思い込んだ私が悪い。

    装幀:坂野公一さん・吉田友美さん
    装画:またよしさん
  • あくてえ
    自分のやりたい事はあるのに、環境によってやる気が削がれていく。終わりの見えない日常は辛い。優しくしたい気持ちはあるのに、できない現実は辛い。つけこまれない為に、「あくてえ」つくしかできないのが辛い。