山下紘加のレビュー一覧

  • エラー

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    読んでいるだけで身体の至る部位が反応しそうなくらい、描写がリアル。味わうための食事ではなく、勝つための食事という切り口が独特で、自分までフードファイトしたみたいな読後感だった。大食いの感覚をどうしてこんなにリアルに描けるのか、ただただ不思議。
    コロナ禍で食生活を見直して最近食事量が減っていた自分としては、久しぶりにたくさん食べたくなったし、自分では絶対に食べられない量を食べられた気にもなっておもしろい読書体験だった。

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    2021年10月07日
  • エラー

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    BUTTERが食欲を刺激する文章なら、これは満腹中枢を刺激する文章だった。無理に食べ物を口に運んでいる時の描写が上手すぎる。こっちまで辛くなってくる。

    ラストがタイトル回収ってことなんだろうけど、そもそも大食い自体が結構人としてエラーじみてるところあると思っていて(元々大食いの人がそうというわけではなく)、学生時代特盛のラーメンを朦朧としながら無理やり口に運んでる時「何が楽しくて自分はこんな百害あって一利もなさそうなことを……」と思ったことを思い出した。

    あと主人公の友達が全体的になんか嫌な感じじゃないですか?!

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    2021年08月31日
  • エラー

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    フードファイターの葛藤。
    王者でいることのプレッシャー。
    食べることは自分との闘い。
    大食いタレントの方たちの気持ちが少し垣間見えた1冊です。

    最初から最後まですごく勢いがあって、さらっと読めました。
    なんだか爽快。
    でも、終わり方がちょっとモヤっと。
    この後、どうなるのか…
    ひとりひとり想像の中で、主人公、一果の描き方が変わるのかと思うとそれもまた面白いな。

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    2021年06月09日
  • ドール

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    ネタバレ

    2015年第52回文藝賞受賞作。
    山下紘加さんの最新刊『クロス』の刊行記念で『ドール』が河出書房新社HPで2週間限定全文無料公開されている。

    描写が細かく、表現力が抜群な文章でドラマを観てるかの如くすぐ読み終えた。

    誰しもが通り過ぎる思春期だけれども、
    この時期をどう過ごすかでそれからの人生も変わってくるだろう。
    主人公のように心通じ合える人がいなくても想像力によって、それが人ではなくても友達や恋人なるものを作って自分の世界を幸せに生きて行ける人はいるだろう。
    その大切な世界に暗雲を呼び込む部外者の存在は読んでいて許せない。そうでなければ、ユリカと一緒に平穏に暮らしていけたかも知れない。も

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    2020年05月25日
  • ドール

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    思春期の不安定さと少年の救いようのない闇。
    かなり鬱々とした文章。最後まですっきりはしなかった。すっごく気持ち悪い。でもそれがとてもクセになる。好きな作品です。

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    2018年07月20日
  • ドール

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    ネタバレ

    まず表紙の女の子が可愛いから

    この黒目がぼんやりしてる感じが

    ラブドール性癖は人それぞれあるよね

    ただ、動物や人は殺めないで

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    2016年12月28日
  • ドール

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    「文藝」2015年冬季号掲載作の単行本化。文藝賞受賞。

     二十一歳の女性がこれーー思春期の男子の劣等感や屈折した性欲という闇の部分ーーを書けたことに衝撃を受けた。審査をした作家たちが激賞しているのも納得できる。

     母子家庭でいじめられっ子の男子中学生のモノローグで語られる。子供の頃リカちゃん人形で遊ぶのが好きで、小4からは人形で自慰をしていたが、中学生になってラブドールを通販で購入しユリカと名付けて大切に優しく扱って自室に隠していた。
     一緒にいたくて学校に持って行ったラブドールの腕をクラスメイトに見つけられてユリカを貸したが、大切にしていたラブドールのバージンは奪われてしまった。
    「ユリ

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    2016年10月30日
  • ドール

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    ネタバレ

    第52回文藝賞受賞作。狂気に満ち溢れている作品である。歪んだ愛と性が交錯する感じが非常に良かった。良い意味で気持ち悪く、読んでいてゾクゾクする。ドールを愛する少年の歪んだ性癖に飲み込まれてゆく。そんな感覚がある。主人公が全体的に狂ってるんだけど、終盤のくるいっぷりと気持ち悪さは凄まじいものがある。次回作も期待したい。そんな作家である。

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    2016年02月11日
  • ドール

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    人形に性的愛着を示す陰気な中学生の主人公。
    すごく歪んでいる、理屈すら通っていない。けれどそんなことはどうだってよくて、ただぐっちゃぐちゃな彼の気持ちだけが大事で、そういうぐちゃぐちゃな私の年齢からするともう懐かしい、としか感じなくなってしまった部分、よく文章にしてくれたなぁと。
    あとわたしお人形とかぬいぐるみに過剰に愛着を示す性質があるのでユリカに裏切られた気持ちとか彼女とはそういうんじゃないとか、そういう部分すごく共感できた。

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    2016年01月08日
  • あくてえ

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    90のばばあの面倒を見る義理の娘(嫁)と孫の話。生物濃縮のように主人公ゆめにケアするものの不幸やそのほか不幸が凝り固まっていく、辛い。
    全てにイラついてしまうこととそれに対する自己嫌悪、こうすべきとわかっていてもそれができない葛藤、周囲の身勝手に対する苛つき、境遇が違うから見えてる景色は違うどうしようもないことへのイラつき
    全て伝わってきたけど、そう言うのは畏れ多い
    自分は恵まれていた感じた
    こういう人、割と身近にいっぱいいるんだろうな。見えてこないだけで、
    母きいちゃんのばばあを面倒見るって選択に、別れた父親は勝手してるのに、ゆめが巻き込まれるのがなんだかんだ辛い。きいちゃんはそれを助けるに

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    2025年12月08日
  • 私の身体を生きる

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    「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
    売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。

    「トイレとハムレット」宇佐見りん
    面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。

    「私の三分の一なる軛」児玉雨子
    生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深

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    2025年11月22日
  • 私の身体を生きる

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     身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
     どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。

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    2025年11月02日
  • 私の身体を生きる

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    どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした

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    2025年10月05日
  • 私の身体を生きる

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    テーマはとても興味深い。
    面白いかと言われれば分からない。
    人の隠しておく部分を覗き見したような気持ちになった。「隠しておく」部分ではないのである、もっとオープンに話そうよ、自分の身体のことなんだから、がメッセージか?

    年を経ると病気の「身体」のことをしょっちゅう話すようになるのに、この本読んで「隠しておく」部分と感じたのは何故なのだろうか? 社会による刷り込みか?

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    2025年09月18日
  • 私の身体を生きる

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    高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
    同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
    「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
    痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
    もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
    それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
    またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく

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    2025年09月09日
  • 私の身体を生きる

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    こんなにも赤裸々に皆書いて良いのか!?と最初動揺したが、それぞれ考えさせられるものが多く、有意義な時間が過ごせた。

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    2025年08月29日
  • 私の身体を生きる

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    西加奈子さん、村田紗耶香さん、千早茜さん、、他にも豪華な方々のお名前が、、
    もうこれ買うしかないやんと思って購入して即読みました。
    それぞれの女性作家さんたちがご自身の身体をテーマにリレー形式でエッセイをつづられていて、どのエッセイもすごく赤裸々に描かれていて同じ女性として共感するところもあれば、驚かされることもあり、、それこそ、読んでからは「私の身体は私のもの」を強く感じた。
    それぞれの身体に色々な経験や傷が合ったり、コンプレックスが合ったり。
    それでも一つしかない自分の身体。
    こんな私でももっと堂々と生きていていいんだと思わせてくれる作品でした。

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    2025年08月15日
  • 私の身体を生きる

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    生というより性に関するアンソロジーだったが、千早茜さんの「私は小さくない」が切り口も異なり胸に迫った。性別による不利益や舐められることを、コンプレックスである小柄にあえて責任を負わせてきた自分に気付かされた。

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    2025年08月09日
  • 私の身体を生きる

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    村田沙耶香 誰しもが、心の中に王国を持っている/西加奈子 私は変わる。変わりながら、「アップデートする自分」を疑い続ける

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    2025年08月09日
  • 私の身体を生きる

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    他の方も書いていたが、生にまつわるエッセイだと思っていたら、性にまつわるものだった。
    性に関するネガティヴなことは、思っているよりもかなりありふれていて、忘れていたけどネガティヴな体験を思い出した。きっと、書きようによっては、深め方によっては、同等のものもあるのだと思う。

    そして…この世の中のことは、性に纏わって起きていることが多いこともまた認識できた。小説も映画もファッションも、モテたいという願望そのものが。

    今年の始めからあらわになったフジテレビ問題も何度も色んな角度で思い起こし、考えさせられた。

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    2025年08月05日