無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
山下紘加さんのデビュー作
山下さんの小説を初めて読んだのは「あくてえ」
時、個人的な諸事情で鬱屈状態にあったが、あくてえを読み精神的に解放され、楽になった。
以降「エラー」「掌中」「クロス」「煩悩」を読み、悲惨な主人公たちの物語に、完璧に魅了された。
で、ドール
恥ずかしながら、ラブドールって初めて知った....
ホント、世間に疎いことに改めて驚愕。。。
主人公吉沢くんにはイライラさせられたな。
山下さんの小説に共通する、閉塞感、袋小路な状態に陥っているのは、よく理解した上で....
もうひとりの重要キャラ、長谷川くん。
彼のシチュエーションと考えのギャップが未恐ろしい。
この吉沢くんと長谷川くん、ふたりの高校生の暗闘がスゴぶる小説として面白く引き込まれる。
※長谷川くんは狡猾な大人、吉沢くんはもう時が止まっているひと....
そして、吉沢くんの辿る運命に、なぜかカタルシスを感じてしまう。決してハッピーな結末ではないにも関わらず。。。
フシギだ。
Posted by ブクログ
「文藝」2015年冬季号掲載作の単行本化。文藝賞受賞。
二十一歳の女性がこれーー思春期の男子の劣等感や屈折した性欲という闇の部分ーーを書けたことに衝撃を受けた。審査をした作家たちが激賞しているのも納得できる。
母子家庭でいじめられっ子の男子中学生のモノローグで語られる。子供の頃リカちゃん人形で遊ぶのが好きで、小4からは人形で自慰をしていたが、中学生になってラブドールを通販で購入しユリカと名付けて大切に優しく扱って自室に隠していた。
一緒にいたくて学校に持って行ったラブドールの腕をクラスメイトに見つけられてユリカを貸したが、大切にしていたラブドールのバージンは奪われてしまった。
「ユリカが憎い。僕は彼女に裏切られ、失望させられ、未來を壊された。」と感じた少年の心は壊れてゆき、ユリカという名前の元になった気になる同級生の後藤由利香へと彼の狂気は向かっていく。
Posted by ブクログ
彼は、ただ話し相手が必要だから、僕を利用しているだけなのかもしれない。その証拠に、僕という人間にも、僕という人間が置かれている状況にも、全く興味がない。
それでも僕は長谷川に声を掛けられたり、彼の話に相槌をうっている時、ほんの少しいい気分になることがあった。混乱しているのかもしれない。僕は、友達というものが、よくわからなかった。(P.86)
人形に恋をし、学校ではいじめられ、女子の机に精液を入れたりと主人公の行動も性格も理解できず、ただただ気持ち悪い。好きなものを好きと言って何が悪いと担任に吐き出した言葉は、きっと彼の本心なのだろう。しかし、周囲の人間から見れば少年は異常で歪んだ性癖を持った中学生である。自分を分かって貰えない辛さ、自分より弱いものへの虐待、そして処女への神聖化、それら全てが主人公をつくるものなのに、それを異常だと見なす社会が少年を底まで落としていく。男の人生も生きてみたいと思ったことがあるが、このように学校と家庭で虐げられ、歪んだ愛情を持っスクールカースト最下位の男子なら、途中で人生辞めたくなるに違いない。犯罪者がこのようにして出来上がると考えると、環境や人的影響がどれだけ大きいか感じた。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。