ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
8pt
私は、私の底を知りたい。常人離れした容量の胃袋を持ち、大食い大会番組を四連覇中の一果(いちか)。若く可愛く食べる姿が美しいクイーンとして人気を誇るが、思わぬ相手に敗北し――。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
しかし、物心ついた時から自然と根付いている「出された料理はきちんと食べきらなくてはいけない」というモラルの肥大化が焦燥感に拍車をかけたいた。倫理観を持ちながら、好きなだけ食べていい状態から、食べ物を差し出される状態は何か禁忌でも冒しているようで、ハイになる。気がつけば「普通」の感覚が逆に自分を麻痺さ...続きを読むせ、興奮を煽る。(p.11-12) DMやコメントにはひと通り目を通し、見たことが相手にもわかるようにハートマークの「いいね」をタップする。反応を示せば、また反応が返ってくる。きりがない。時間もエネルギーも消耗する。(p.32) 食べる行為が自分を満たすための行為であり、色に対して貪欲であることは、あたかも性に対してあけっぴろげであるような仄暗い卑しさを内包している…(p.50) 臆病ゆえにかえって自分だけの世界を確立できないのは私も同じだった。自分の底と対峙しながら、底にのまれそうになる、食べる行為に没入するあまり一緒に沈み込んでいきそうな瞬間がある。そういう時、他者の存在や彼らとの交流が、内側へ潜り込んでいく自分を引きあげてくれる。ライバルは時に救いだった。(p.52) 穴が空いていれば、それを埋めたい。塞がらないから容れ続ける。容れ続けた先に限界があるのか当時はまだわからなかった。(p.55) 努力して手に入れるよりも、既に落ちているかもしれない可能性を探す方に躍起になっちゃう。(p.58) 大食いは夢なの。一果みたいに尋常じゃないくらい食う人見てると、なんか自分の夢が報われたような錯覚を覚えるんだよ(p.74) 本音でぶつからない分、付き合いは長くても互いに心の底からわかり合えているとは言い難い。(p.84-85) 誰よりも多く食べることを目標にしながら、同時に食べ物に対して常に畏怖の念を抱き、食べる行為に臆するのが大食いだ。罪悪感がある。けれど罪悪感を快楽に転じられるから大食いを続けている。(p.136) 大食いを題材とした本は初めてだったが、勝つためのトレーニングがあること、本番は苦しい顔を一切見せてはいけないという過酷な状況を耐えるフードファイターはアスリートだと思った。売れるには大食いで勝ち続けること+インパクトという難しい要求にも耐え、ネットの記事や、評価にも耐えるなんて表に立つ人たちはなんて大変なのだろうと思う。今は、大食い番組はあまり見かけないが、YouTubeで大食いYouTuberが好きなものを好きなだけ食べるようなコンテンツで溢れている。10キロとか身体の中にどうやったら入るのだろう…と疑問と凄すぎるという驚きと、好きなものをお金を気にせず食べられる羨ましさと、でも、実際自分が食べてみると、同じものを食べ続けるのって中々の苦痛で、限界突破したあたりから、味も何もしなくなり、逆に不味く感じてくるのがオチである。一果が美食サークルにいた時に、味わって美味しくいただく「食べる」と大食いで、食べ物を潰してでも戦略的に、逆に攻略的に「食べる」というのでは全く意味も動作も違ってきて、同じ「食べる」でもこんなにも違うものなのかと思った。しかし、山下さん、食べ物を不味く描くのが上手すぎる。スプーンでお皿に潰して、塊のようにして飲み込んだり、料理として見ているのではなく、食べやすいか食べやすくないか、どうやったら効率的に食べられるかのモノのように描いていて、美味しそうとはとても思わなかったし、食を不味く描く物語は『人間みたいに生きている』で出会った以来だったので、新鮮な気分を味わえた。
フードファイターが主人公の小説に出会ったのは初めてだ。テレビで見たことがある食べる迫力や苦悩が伝わってきた。にも関わらず、途中、番組の不正が発覚し、フィクションとは思えなくなってきて不快な感情が込み上げてくる。フードファイターって何のために戦っているのだろうと、この本を超えて、実のフードファイター...続きを読むに思いを巡らせた。
フードファイターのお話。 どんなに強い選手と対戦しても、負けたことがない。 「常連の選手がどの程度の力量かは過去の経験上、大体把握できているので事前に予測を立てやすい。私の読みが外れたことはなかった、これまでは。」(P.8) テレビで早食い競争とか、私は見ていて楽しいけど、本で読んでも選手たちの熱...続きを読むが伝わりました。 大会本番までの過酷なトレーニングや大会中はどんな事を意識しているのかを読むのはとてもおもしろかったです。 体力だけじゃなくて、どれをどの順番にどうやって食べていくかも考えないといけない、心理戦でもあるんだな〜…! お腹が満たされるような一冊でした。
読んでいるだけで身体の至る部位が反応しそうなくらい、描写がリアル。味わうための食事ではなく、勝つための食事という切り口が独特で、自分までフードファイトしたみたいな読後感だった。大食いの感覚をどうしてこんなにリアルに描けるのか、ただただ不思議。 コロナ禍で食生活を見直して最近食事量が減っていた自分とし...続きを読むては、久しぶりにたくさん食べたくなったし、自分では絶対に食べられない量を食べられた気にもなっておもしろい読書体験だった。
BUTTERが食欲を刺激する文章なら、これは満腹中枢を刺激する文章だった。無理に食べ物を口に運んでいる時の描写が上手すぎる。こっちまで辛くなってくる。 ラストがタイトル回収ってことなんだろうけど、そもそも大食い自体が結構人としてエラーじみてるところあると思っていて(元々大食いの人がそうというわけで...続きを読むはなく)、学生時代特盛のラーメンを朦朧としながら無理やり口に運んでる時「何が楽しくて自分はこんな百害あって一利もなさそうなことを……」と思ったことを思い出した。 あと主人公の友達が全体的になんか嫌な感じじゃないですか?!
フードファイターの葛藤。 王者でいることのプレッシャー。 食べることは自分との闘い。 大食いタレントの方たちの気持ちが少し垣間見えた1冊です。 最初から最後まですごく勢いがあって、さらっと読めました。 なんだか爽快。 でも、終わり方がちょっとモヤっと。 この後、どうなるのか… ひとりひとり想像の中...続きを読むで、主人公、一果の描き方が変わるのかと思うとそれもまた面白いな。
フードファイターの本な読んだことがなかったからだいぶ新鮮で味に飽きるとかお腹いっぱい以前に顎が疲れるとか手首が痛いとか思いもしなかった。自分の体を理解して試行錯誤し、トレーニングする姿はアスリートそのもの。不正や闘争心や焦りの描写がリアルだった。
ずっと前にポッドキャストでおすすめされていたことを本屋で見かけた際にふと思い出しすぐに読んでみた。 一果という女性フードファイターが主人公の話。 真王という人気大食い番組を4回優勝していたが、水島という方が優勝して負けるところから始まる。 作者の描写からは1ミリも可愛さは感じられないが、彼女の評判は...続きを読む可愛く美味しそうに食べることでテレビ映えする大食いタレントだ。 初めて負けたことによって一層胃を拡張するために味の無い麺などを食べてトレーニングに励んだりして そもそも大食いとはなんなのか、なんのために大食いをしているのかが不思議に感じた。 作者の食べ物の描写が絶妙だった。美味しいとかの味ではなく咀嚼しやすいのか喉に通るのか、胃がもたれしまうのかなどの観点ばかりでそのようにフードファイターは考えているのかとびっくりした。 個人的な終始不穏な空気にそわそわしてしまったが、こういう終わり方なんだという驚き要素もあって面白かった。
本でお腹がいっぱいになった作品は初めてかもしれない。 フードファイターってただ食べてるだけかと思いましたが、トレーニングとか色々あるんですね。これは少し勉強になりました。 非常に読みやすいのでちょっとした時間に読んでみてはどうてしょうか。(^-^)
食べ物が題材の本はいろいろ読んできたが、主人公がフードファイターなのは初めて。 表紙のラーメンが美味しそうなので、飯テロほっこり系をイメージしていたが、開いてみると想像とは全然違った世界で、今まで読んできたグルメ小説とは一風変わって新鮮だった。 番組の裏工作などが明らかとなる中で、主人公 一果が食...続きを読むべ物を大切にしている姿勢が、すごくよかった。 一果は最後どうなったんだろう…とラストの展開が気になった。 ごはんの量は八分目が一番、ほどよい量を美味しいね〜ってゆっくり食べるのが一番だな。。今日も食べ物に感謝!
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
エラー
新刊情報をお知らせします。
山下紘加
フォロー機能について
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
あくてえ
可及的に、すみやかに
ドール
煩悩
私の身体を生きる
「山下紘加」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲エラー ページトップヘ