山下紘加のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

    購入済み

    読むのに気力のいる本だった

    息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
    SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。

    男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
    でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
    でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
    そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べない

    #タメになる

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    2024年08月04日
  • あくてえ

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    自分の家族にもババアのような存在がいたこともあり、まるで自分の生活が描かれているような不思議な体験をした。
    現代における日本の家族って、こういうババア多いだろうなぁとも思う。

    主人公である「ゆめ」が、ババアや親父に
    悪態をついてることが、私にとって救いだった。
    悪態をつくことは、
    思い通りにならない家族、恋人、自分、時間に
    向き合うための【最後のお守り】のようなものだと私は思う。
    人生に悲観するより、生活を続けるために最低限の最善を尽くすゆめが逞しかった。

    どうか、ゆめが諦めずに小説家になれてますように。


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    2024年06月02日
  • あくてえ

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    殴り書き。
    起承転結がないのがより現実を描いてるようで辛かった。
    この小説をきっかけにもっと介護の家族問題に目を向けるようになってくれる人が増えたらなと思う。

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    2024年05月25日
  • 煩悩

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    ほんタメ文学賞あかりん部門受賞作。

    こういうのを読むと、人ってこんなに誰かに寄りかかったり執着したり、人間のこと好きなんだなあと客観的になってしまう。
    私の人間嫌いな面が露呈するというか。
    私には分からない感情だな〜。

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    2024年03月11日
  • 煩悩

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    「分かる〜」と安易に言えない人物像が良い。
    涼子の一人称で杏奈に対する依存、嫉妬、所有欲、その他諸々の思考でほぼページが埋まっているのだが、それでも理解が出来ない。
    後半の杏奈の危うさや涼子の2人の関係の終わりに突き進む複雑さはホラーのようで顔を歪めながら読み、読後、呻いた。

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    2024年03月06日
  • 煩悩

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    ネタバレ

    ホンタメであかりんが紹介していたので読みました。
    洗練されたワードチョイスで著者の語彙力すげ〜!となりました。

    物語は女性同士の友情で
    主人公はドライな性格かと思いつつ友達への支配欲?庇護欲?が強く自分の思い描く友達でいてほしいという想いが強そうです。
    友達は少し学習障害の気がしていて(本編でそのワードは出ていませんが)抜けているというか少し心配になる性格で、それが故に主人公の依存度が上がっている感じもしました。

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    2024年03月02日
  • 煩悩

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    ネタバレ

    語彙力がすごい…
    一つの物事に対して、どれだけ多くの言葉を使って表現できるか、みたいな、「言葉」を楽しめる作品でした。

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    2024年02月19日
  • あくてえ

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    ずっと苛苛する文が続いて、ずっと嫌な気持ちのまま進んでイライラしっぱなし!!!!

    なのに読みやすくてスルスル読めるのは、現実的な内容だから感情移入しやすいのかな?と思いました。

    登場人物全員イライラしました笑
    祖母も母も父も彼氏も……

    この中に書かれてることが本当に人の人生ぽいなと思いました。
    小説じゃなく現実でした。
    これは小説じゃないです、ただ単に人生です!
    という感想にしかならなかった。

    最終の174ページで主人公が3.4行で想いを語るのですが、それが全てでした。

    私の心を大荒れしてくれる本でした!
    なんだか新しい感想を持てた本。
    読めてよかった!

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    2024年02月04日
  • あくてえ

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    こんなところで終わるのか。

    "あたしが書く小説は必ず終わりを迎えるし、良くも悪くも決着がつくのに、現実はそうではない。ずっと続いていくのだ。"

    だからこの終わり方でいいのだ。

    ずっと「きいちゃん、いい人すぎるよ。できすぎだよ。」と思っていた。途中でその優しさ、善良さがゆめを苦しめていることがわかった。そうだよ、きいちゃんは娘を守らなくては。年齢的にはビミョーなところ(19、20歳)だけど、娘の苦しさをわかってはいない。ろくでもない男性と結婚したのは自分の責任だが、娘にその責任はない。

    祖母の言動はとてもリアルだった。具体的に細かい老人っぷりが描かれていてすごいと思っ

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    2023年12月06日
  • あくてえ

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    ネタバレ

    あくてえは、甲州弁で悪態のこと。

    主人公は、祖母のことを母と一緒に介護しているが、
    この祖母が曲者。
    悪態をつきたい気持ちがよく分かる。

    その悪態はリズミカルで、文章はするする読めるが、
    なんとも苦しい。
    それは悪態はついていても、祖母に対する優しさが捨てられないから…。

    安易にめでたしめでたしにならないラストもリアリティがあって好き。

    ただ、家族は選べないけど
    せめて彼氏はどうにかならないのか…
    違う人がいるのでは?と思ってしまった。

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    2023年07月25日
  • エラー

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    フードファイターのお話。
    どんなに強い選手と対戦しても、負けたことがない。
    「常連の選手がどの程度の力量かは過去の経験上、大体把握できているので事前に予測を立てやすい。私の読みが外れたことはなかった、これまでは。」(P.8)

    テレビで早食い競争とか、私は見ていて楽しいけど、本で読んでも選手たちの熱が伝わりました。
    大会本番までの過酷なトレーニングや大会中はどんな事を意識しているのかを読むのはとてもおもしろかったです。
    体力だけじゃなくて、どれをどの順番にどうやって食べていくかも考えないといけない、心理戦でもあるんだな〜…!

    お腹が満たされるような一冊でした。

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    2023年07月08日
  • あくてえ

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    ネタバレ

    惜しくも芥川賞受賞を逃したけど『おいしいごはんが食べられますように』と同じくらい面白い作品だった。

    何人かの芥川賞審査員が指摘するように、ばばあへの愚痴が延々と続いてうんざりするというにのも分かるがあくまでタイトルは「あくてえ」。現実的にヤングケアラーの派遣社員であくてえをつきたくなるような現実に日々生きている人は日本に少なく無いのではないだろうか。今の日本で介護というテーマは避けて通れない深刻な問題であり、それを表現するのにうんざりするくらい描写が長くても真っ当なことに思える。個人的にはさほどしつこいとも思わない。

    主人公は小説家になりたいという夢がある。日々生活を営む事で必死に生きてい

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    2023年06月07日
  • あくてえ

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    確かほんタメ!で取り上げられていた本。
    キツかった。主人公は環境に恵まれていない。いろんな種類の毒を持った家族に囲まれ搾取され舐められている。生々しかった。

    母親も父親も「ババア」にも彼氏にも腹が立ち主人公が不憫で仕方なかった。あくてえを何度ついたって変わらない現状。

    全てをなあなあにして受け入れて一見優しいようでそうではない主人公にとって害のある母親も無責任で良心がない父親も自己中で幼稚でわがままなババアも肝心な時に頼りにならないダサい彼氏も全員腹立たしかった。

    ババアは性格の悪い年寄りでパワフル。介護の大変さと清潔感のない描写がリアルで読んでいて不快に感じるほどだった。歳をとることが

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    2023年05月29日
  • あくてえ

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    ネタバレ

    19歳のゆめは、小説家を目指している。家では、90歳の父方の祖母(ばばあ)を母と介護している。父と母は離婚していて、父は再婚し、子供もいる。
    ゆめをかこむ登場人物がどうしようもなく気持ち悪い。ばばあと父はもちろん、中途半端な優しさで介護を強いて、イヤな役割は押し付ける母も、話の意図がかみ合わない恋人も。
    最初から最後まで、本当に怒涛である。どうかゆめの進む人生が救われますようにと願ってやまない。

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    2023年05月19日
  • あくてえ

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    私も祖母とまさに「あくてぇ」な関係だったので気持ちが痛いほどわかりました。
    搾取ばかりされているようでイライラするしお互い様でしょ!な気持ちで言ったこともこちらが悪者のように言われる…。
    しかも終わりがない。

    私も辛かった…。

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    2023年05月10日
  • ドール

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    いけ!紘加!やってやれ!
    という感じの作品。
    装画がかわいくてハートウォーミングかと思い込んだ私が悪い。

    装幀:坂野公一さん・吉田友美さん
    装画:またよしさん

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    2023年05月05日
  • あくてえ

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    自分のやりたい事はあるのに、環境によってやる気が削がれていく。終わりの見えない日常は辛い。優しくしたい気持ちはあるのに、できない現実は辛い。つけこまれない為に、「あくてえ」つくしかできないのが辛い。

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    2023年04月13日
  • あくてえ

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    パワフルな悪態小説。
    19歳小説家志望のゆめと90歳の悪態ばばあの舌戦が止まらない。

    前作「エラー」も激しかったが本作は更に勢いを増している。

    ゆめは母親のきいちゃんと祖母の三人家族。
    父親は不倫の末、子を持ち新しい家庭で暮らしている。

    何が理不尽かって、ゆめと一緒に暮らしている祖母が父方の祖母だって事。

    ろくに生活費も入れず自分の母親の面倒を元妻と娘に任せっぱなしの父親。
    ろくでもない奴だ。

    どこまでも献身的なきいちゃんが聖母マリアに見えて来る。

    先が見えない介護地獄と、エンドレスな言葉の応酬。
    凄まじい熱量に圧倒された。

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    2023年02月18日
  • あくてえ

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    ネタバレ

    誰が悪人というわけではないけれど、どいつもこいつもキモいんだよ!アー!!!!!!!!と頭をかきむしりたくなる。
    激しくて、苦しくて、残念ながらリアルな、地獄絵図だった。

    冒頭30ページ位で延々憎まれ口を読まされ、序盤からばばあに対する嫌悪感がしっかり形成される。そしてそれが最終的に人間という生物全体に対する嫌悪感に繋がってくる。かなり危険な感覚だと思う。

    老害的老人に限らず、基本的に人は汚い。
    できないことをできないまま放置し、環境のせいにして逃げる、甘える。聞きたいことしか聞かず、聞きたくないことは聞こえていないふりをする。優しい人から平気で搾取する。そしてそれを半永久的に続ける。心身の

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    2022年09月02日
  • エラー

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    ネタバレ

    YouTube ぶっくまちゃん で紹介されていて面白そうだったので読んでみました。
    大食い番組に出てる子が主人公の話で、ギャル曽根ちゃんみたいにキレイに食べ方でアイドル性があって可愛いらしい女の子。タレントといっても、大食い番組1本しか出ないからこの番組の為にアルバイトを休んで3ヶ月特訓したり大食いに対するこだわりがあり、戦い方の美学があるが、ライバルが現れて、ライバルはエンタメとして大食いを演出するやり方に何の抵抗も受け入れてやってしまう。主人公は葛藤しつつもアスリート的大食いを最後まで貫き通すが、ラストは想像にお任せ的な終わり方だったが、読んでいて段々熱くなってくる本でした。

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    2021年10月21日