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うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい――。職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援する時。そして、豪雨で交通手段を失った日、長い長い橋をわたって家に向かう時。それぞれの瞬間がはらむ悲哀と矜持、小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に綴って、働き・悩み・歩き続ける人の共感を呼びさます六篇。
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Posted by ブクログ
津村さんの人の描写がとてもいい。
会ったことないのに活字を追うだけで、
見た目も性格もありあり想像できてしまう登場人物たちに親近感を覚えた。
そして台風の中べちゃべちゃに濡れて、寒くて震えてついに足の感覚もなくて、無言で歩き続けるあの感覚が蘇ってきて。もうお願いだから早くお家着いてーという気持ちに(涙)
好きだったのはこのフレーズ
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「玄関についてレインコートを脱ぎ化粧落として床に座ったらわたしはしみじみ泣くだろう。そこにいることに、傘を刺さなくていいことに、屋根があることに。その涙を絶対に誰も笑うことはできない。」
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安易な考えを後悔しつつも、
当たり前のありがたさと、
壮絶な台風を乗り越え帰宅した自負が込められていてグッときた。
津村ワールド、好きだわーーー♡
Posted by ブクログ
津村記久子さんの小説を読むのはこれで3作目。面白かった。以前に読んだ作品の表紙や挿絵が『ポテン生活』でお馴染みの木下晋也さんだったのですが、本作も文字どおり『ポテン』なお仕事・生活の話を中心に、タイトル作の『とにかくうちに帰ります』でも人間ってなんかいいなと思わせてくれる素敵な話ばかりでした。
田上さんの
・どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保っていると自分が納得できるように振る舞うこと。
・不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。
は自分も壁に貼って毎日復唱したい。
しばらく自分の中で津村記久子ブームが続きそうです。
Posted by ブクログ
表題作は、大雨の日交通手段がなくなってしまった埋立州から本土までなんとか歩いて帰ろうとする2組の人間が出てくる。
そういえば自分も、こういう悪天候の日に(そのときは雪だったが)帰宅するのが大変で、何時間もかけて帰ってきたことってあったなぁと懐かしく思い出す。そういう経験のある人なら、登場人物たちに共感できるのではないだろうか。
家に帰ってのんびりくつろいでいる自分を想像して、ひたすら現状の辛さに耐える時間とか…あるある過ぎる。
タイトル通りというか、それ以上に、とにかく家に帰りたいという切実さがすごくて、分かる分かるの嵐でした。早く登場人物たちを家に帰してあげて…という気持ちになる。
また、『職場の作法』という物語は、とある会社の社員たちが出てくる連作短編集なのですが、出てくる人たちが、あぁこういう人いるいる!って思うような人ばかりで面白い。悪い人ではないんだけれど、絶妙な嫌さを醸し出してくる上司とか…津村さんは、こういう人物描写が上手すぎる。
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小説・文芸
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