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Posted by ブクログ
ずっと仄暗い。今にも大嵐が来そうなくらい、雰囲気がずっと暗い。というか重い。話の重さ的にその雰囲気は間違いではないんだが、暗さだけでなく、肌がじっとりと湿るような、息苦しくなるような湿度を感じる。話の中身自体は理解できるが、この物語がどんな着地を見せるのかがずっと見通せず、良い方向と悪い方向のどちらにも行く可能性があり、その不安定さに惹きつけられる。
ホリガイは彼女が持つ人間関係の中で、強き者に虐げられる場面が多い。だが、虐げられるだけではなく、それがあまりにも理不尽な時には立ち向かっていく強さを持っている。一方で、優しい人に対してはすごく弱い。強くて弱い、弱くて強いということは、彼女が優しい人だからなのではないかと思うが、本人はそう思ってはいなさそう。自分の善悪には敏感だが、自分の優しさには鈍感なのがまたホリガイの魅力なのだろうと思うが。
後半は特に話が重くなるが、その中にも光があった。そのことに自分はすごく救われた。ホリガイの優しさに救われた人たちはたくさんいるだろう。
Posted by ブクログ
言ってしまってから、やってしまってから、言う前から、やる前から、の後悔が多いホリガイだけど、誰よりもちゃんと傷ついて、誰よりもちゃんと他者を想っている。短所の数が長所の数を上回っても、ヘラヘラした振る舞いの下に隠れる、たった一つの揺るがない信念があればきっとそれでいい。
もう充分人の抱えた痛みに敏感な彼女を、それでもまだ自らが感じる言いようのない欠落感を持て余す彼女を、大事な人のためにとっ散らかってしまう彼女を想う。この本を、映画を思い出すと、彼女に対する共感や愛おしさ、私自身への情けなさと不甲斐なさ、そして自分にとっての大切な人のこと。いろんな感情が湧き出してきて眼の奥がツンとしてしまうのだ。自分の中で痛いほどの強度を持って刺さってしまった。
Posted by ブクログ
未読だった津村さんのデビュー作。
今まで読んだどの津村作品よりも、
主人公が多面的であまりに人間臭く、とてもよかった。
個人的に構成が若干わかりづらいところがあったり、河北のつかみどころのなさが理解できなかったりしたので4にしてみたけれど、限りなく5に近い。
オカノ、好きだなあ。
p. 153
魂と肉体の組み合わせは無数にあり、その相性がよくないことに悩むことのなにを責められるというんだろう。両者の間の軋みを感じることができるのは当事者だけなのだ。
解説が、解説しすぎていてナンセンスに感じて途中読み飛ばしてしまった。
読み手がどう感じたか、それでいいのに、これはこの社会問題で…みたいに線を引くことに抵抗と不快感を感じた。
とても気に入りの作品になったからこそ、実写は観たくないと思った。
自分のなかで大切にしていたい。
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小説・文芸
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