「家出ようと思うんだけど、一緒に来る?」
子どもを大切にしてくれない母とその婚約者の元を離れ、姉妹で生きることに決めた理佐と律。8歳の妹を養うという無謀な冒険をする18歳の理佐。なのに悲壮感がない。「マヨネーズを冷やせる冷蔵庫買おうね。」とやり繰りする姉と本好きで賢い妹。そんな二人を周囲の人が親切にする。地域も学校も、静かに彼女達を支えていく。ネネというヨウムの存在にも癒される。「空っぽ」も「六波羅探題」もヨウムの得意な言葉!
ヨウムが好む音楽がずっとBGMとして鳴り続ける。Let it be. ゴールドベルク変奏曲、、音楽もこの物語を潤していく。
親切と優しさの連鎖。感謝と恩返しが人の心を豊かにし、生きる意欲と意志を掘り起こす。
ドラマチックな話ではない。
自分のためだけに人生があるんじゃないと思える素敵な小説だった。