「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」と叫びたくなるほどの性悪女、アレグリア。男に媚ばかり売って、すぐ疲れたと言っては休み、ふて腐れて動かなくなる。ミノベの怒りはとどまるところを知らないのだが、まわりの反応はいまひとつ。コピー機に文句を言ってもねえ、と先輩は言うが……。表題作に、地下鉄で繰り広げられる心理戦を描く「地下鉄の叙事詩」を併録。
Posted by ブクログ 2016年01月17日
一見、大事ではないがおかしいだろってことをまわりはわかっていて何事もないようにしているように見えるとき、自分だけが考えすぎなのかと言い出せずモヤモヤと膿がたまっていくような感覚がリアルに描かれている。
登場人物にとっては辛いことなんだけど頭のいいユーモアを持って描かれているためおもしろく、読みやす...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月17日
電車に乗ってる知らん人ってだいたいキモく見えちゃうけど(ごめんなさい)、それぞれ色々考えてて各々の人生があるんですねとキモさマシなったもののやっぱりどう足掻いても自分が世界の中心ではあってしまうのでキモく見えちゃうねえ
特に態度デカめの中年おっさんおばさんやムカつく顔の大学生とイラチっぽい人間は健や...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月22日
魂は万物に宿る。ミノベはそう思っている。
だからこそ、やたらとウォームアップに時間がかかり、1分動いては2分止まり、もうダメェ〜とばかりに8秒間もエラー音を鳴らして黙り込むアレグリア(A1サイズのコピーができる複合機)に対して『怠けている』と思えて、苛立って仕方がない。
わーかーるー!!!
急い...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月27日
「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」と叫びたくなるほどの性悪女、アレグリア。男に媚ばかり売って、すぐ疲れたと言っては休み、ふて腐れて動かなくなる。ミノベの怒りはとどまるところを知らないのだが、まわりの反応はいまひとつ。コピー機に文句を言ってもねぇ、と先輩は言うが……。
裏表紙を読んで、コピー機は...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月10日
2つの短編集。
アレグリアの方はすぐ壊れる、まったく言うことをきかない複合機アレグリアと主人公との仁義なき戦い。
うちの複合機も時々腹立つ動きをするので主人公の怒りがすごいよくわかるし面白かった!
もうひとつは地下鉄に乗り合わせた人物を視点を変えながらただ自らの人生と重ねつつ批評していく話。
こちら...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年12月09日
読んでいて辛くて泣きそうになった。すごく重々しい描写はされていないのだけど、不平不満を抱えていたり、自分や社会に対して諦めや限界を感じていたり、自分の立場を守るために他人を見下したりしながら生きている登場人物たちがどうしようもなく孤独に感じられたから。でも決して悲観的なだけではなく、特に「地下鉄の...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月03日
短編が2つ収録。表紙のイメージや語りの軽快さから軽く読める感じの話なのかな?と思って読み進めるけど、意外とそうでもない。
<アレグリアとは仕事はできない>
文句を垂れながらも、なぜだかうまくやっていく主人公は、同著者のほかの小説同様健在。ややバイオレンスな傾向はあるかもしれないが。
バイオレン...続きを読む