あらすじ
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●第59回「谷崎潤一郎賞」受賞!
●「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト 第1位!
●「キノベス!2024」第3位!
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誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ
18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――
助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説
毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『水車小屋のネネ』
津村記久子さんの『水車小屋のネネ』は、身寄りのない姉妹が周囲の温かい人々に支えられ、40年という歳月をかけて緩やかな絆を育んでいく物語です。
ネネというのは、この作品の主人公のヨウムの名前です。
特に心に残ったのは、「出会った人が分けてくれたいい部分で自分は生きている」からこそ「誰かの役に立ちたいという思いが人生の道を示してくれる」というフレーズ。
現代は「自立」や「自由」が重視されがちですが、この言葉は人間が一人では生きていけないこと、そしてそれでいいのだという安心感をくれます。私たちは誰もが、過去に出会った誰かの優しさや言葉といった「分けてもらったいい部分」で形作られているということを再認識させられました。
誰かのために生きることは、自分の好き勝手に生きる自由から見れば「制約」に思えるかもしれませんが、一方でそれは孤独な人生の暗闇の中で、どちらへ進めばいいかを教えてくれる「確かな道標」でもあり、利他の心が巡り巡って、自分自身の生きる意味という幸せに繋がると、深く納得させられました。
血の繋がりを超えて善意のバトンを繋いでいく人々の姿に、温かい救いを感じますし、私も誰かから受け取った「いい部分」を大切にしながら、今度は自分が誰かの道を照らせるような人間でありたいです。
Posted by ブクログ
プロコル・ハルムの青い影
私も知ってたー
たびたび出てくるので思わず調べて聴いてみた。ビックリした。
アーティストと結びつけて記憶してなかった。
ユーミンにもあるよな?と思ったら、ユーミンも影響を受けてたって。
あの曲の雰囲気と本のイラストの素朴なかわいらしさがピッタリ。
10年刻みで長い長いお話。
彼女達の人生にずっと寄り添える幸せ。
ヘビーなスタートだけど、悲壮感はなくて、周りに良い人たちがいっぱいいるから温かい気持ちで見守り続けられた。
前にヨウムが出てくる本を読んだことがあったから、ネネちゃんのこともすんなり入ってきた。
長生きさんだな。
Posted by ブクログ
そうだ、私がずっと素敵だと思っていたのはこんな世界だったんだ。そう思って、本当に温かい気持ちになりました。
とりあえず訳ありな環境の中で、それが悲壮感や重々しい空気をあまり感じさせなかったのは、軽やかな作者の文体や表現の仕方だったのだと思う。ずっとラフな手書きの温かい漫画の様で、ずっと必死じゃないのに一生懸命で。
次の世代にバトンを渡していくということ。その温かな繋がりの中に、ネネが愛くるしくそこに居る。
愛で溢れて愛を繋いで愛を注いでもらって、だけどそれはどこまでも穏やかな川の流れの様な、素敵な繋がりのバトンでした。
私はそんな社会が、それを幸せだと感じられる人が、一人でも多く、この幸せをシェアできます様にと、そう願って、日々暮らしていきたい。
Posted by ブクログ
奇しくも仲のいい後輩の家にいるヨウムの動画を見せてもらったあとに読んだので、「りすぁちゃん!」というのが脳内再生されてクスクス笑ってしまった。
理佐と律がふたりで生きて行くと決めたきっかけの人達の表記が、ほんとに最初らへんしかなくて腹ただしかった。
律がまだ8歳の時しかほぼ出てこなかったのに対して、大人の都合であまりにも身勝手すぎるなと思った。
公園にいた律の姿を想像して、なんだか胸が締め付けられて、読み終わってから考えたらあの描写が1番悲しかった。
作中何度か出てきたが、ほんとに周りに恵まれていたとは思った。
舞台がどこかは分からなかったが、田舎特有の嫌がらせもあるにはあったと思うが、そういうのは特に長引く感じではなかったのが幸いだった。
ネネの存在も異質だったとは思うが、みんなから愛されて1番幸せなのはネネだったのかもしれない。
Posted by ブクログ
いい小説でした。最初はクスクス笑いながら、最後はしんみりと。ネネと8歳の律の可愛いこと! おませで賢くて、こんな娘だったら父はコテンパンにやられてただろうな、って思いました(笑) 「空っぽ!」
Posted by ブクログ
18歳で短期大学の入学金を払わずに
新しい恋人との仕事に使う母親に
アルバイトで頑張っていた姉は
虐待にあっていた10歳の妹を連れて
部屋を準備してくれて賄いを食べさせてくれる蕎麦屋に就職した
仕事の条件に鳥の世話が含まれていた
鳥は10歳の頭のいいヨウム
歌を歌い 石臼で挽く蕎麦の投入時間を知らせてくれる
姉と妹はヨウムのネネの世話をしながらネネを囲む人々と仲良くし 助けられながら成長していく物語
姉は裁縫の腕を活かして地域のコーラスの衣装をつくり
訳ありの優しい男性と結婚する
頭のいい妹は高校卒業後 働いてから
大学に入学して働き
困っている子ども達への学習支援を行う
その間もネネの世話を皆で行い
ネネの周りには多くの人々で賑やか
世知がない現代にホッとする作品
Posted by ブクログ
離婚した母の新しい婚約相手に暴力を振られ、家を出て2人で暮らす10代の理佐と妹で小学生の律。新しい職場には鳥のネネがいる。貧しい生活ながらいろんな人に支えられ、自立すると今度はお世話になった人に還元していく。姉の結婚、妹の就活、お世話になった人の死‥2人の姉妹とネネの人生を丸ごとのぞけて幸せな気持ちになった。ネネとてもかわいい。
Posted by ブクログ
津村記久子は初であんまり期待していなかったのだけど。辛さと暖かさと淡々さとちょうど良くて、すぐに読み終わってしまった。時代が流れる小説好きだな
Posted by ブクログ
理佐も律も、一生消えない傷をつけられたのに。でも彼女たちには、悲劇のヒロインぶる余裕なんてなくて、1日1日の食べ物のことを考えながら、必死に生きた。手を差し伸べた大人たちの優しさを、彼女たちは独り占めせずに、次の世代へ繋いでいく。思いやりや優しさって、地道に、ちゃんと世界をよくしていくのだと、久々に感じられたような気がする。
「しばらくの間、自分という人間がおらず、何もしなくていいように感じることを気分良く思いながら、律は去っていった守さんや杉子さんや、この場にいない藤沢先生のことを思い出していた。
むしろ彼らや、ここにいる人たちの良心の集合こそが自分なのだという気がした。」
人に振り回されないようにとか、自分軸を大事にとか、自分の力で乗り切れとか、気付いたらそんな風に考え方が当たり前になっていた。自分の手で全てを掴み取らなければと思っていたし、メソメソしている人を見ると、貴方の努力が足りないからでしょうと決めつけていた。
でもこの本を読んで、私だって色んな人たちの良心で成り立っているということに気付いた。今まで出会った人たちの優しさが、私をここまで生かしていることを、なぜこんなにも忘れていたのだろうか。
ずっとこの世界を覗いていたかった…北澤さんの絵も素敵で、挿絵集も購入。とにかく蕎麦が食べたい。
Posted by ブクログ
あたたかくて穏やかな時間が流れる本
後書きに「本書が誰かの良い友人になることを願っています」と書かれていたけれど、私にとって間違いなく良い友人になった。
18歳で8歳の妹を連れて家を出ることにした姉
姉はお蕎麦屋さんが出す「鳥の世話少々」という求人を頼りに水車小屋のあるお蕎麦屋さんのある土地に移り暮らすことに。
水車小屋ではヨウムのネネが水車の番をしていて姉妹はネネの世話をしながら暮らすことに。
移り住んだ年、10年後、またその10年後と40年の時の流れを描いた本。
引越したてで生活を整えるところから、地域に根付いた生活に変わっていく。
変わらないなと思うこともあれば少しずつ緩やかに変わっていくこともあり、懐かしい人と縁続いてることが知れると嬉しくなる
誰かの蒔いた種が育って別のところに芽吹いている様子が知れるのも良くて、全編通して優しい話だった。
Posted by ブクログ
ネネという不思議な鳥とその周りの人達の物語。人間は1人では生きていけない、周りの優しさに支えられてこそ生きていけるということを改めて感じさせてくれた物語。血は繋がっていないけど、自分の受け取った優しさを次の人に返していこう、という連鎖が素敵だった。
Posted by ブクログ
返却期限に迫られたのでいつもながらに罪悪感混じりの走り読み(本当はじっくり文字を目で追って読みたい)にも関わらずスッと脳内で情景が変換されやすくとても読みやすかった。
津村さん、少しだけ苦手意識があったけれど
まったく感じさせず。
ただただのほほんと終わるわけがない、
現実そんな甘くない、
この小説の中にも甘んじた要素は何もない。
けれど愛がいろんな場面で満たされていて
律らしい葛藤も成長もすべて包み込んでいて
優しい世界だった。
ネネがいるのといないのとでは
まるっきり違うな。
Posted by ブクログ
毒親から 8歳の妹 律を守るため、一緒に家を飛び出した 18歳の理佐は、隣町で「鳥の世話じゃっかん」と付記されたそば屋に職を求める。蕎麦粉を挽くための水車小屋に住んでいたのは、なんとしゃべる鳥ヨウムのネネ…という魅力的なスタートで始まる長編小説。1981年から始まる10年おきの 4章を経て、8歳だった律は 38歳に。決っして楽な半生ではなかったろうが、姉、そば屋のご夫婦、画家の杉本さん、恩師の藤沢先生、そしてネネ、様々な人(と鳥)に助けられ、支えられ、「みんなの良心の集合が自分だ」と言える人生は、今の世界が失いつつある豊さに満ちている。「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
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登場人物全員、ネネも含めて(毒親は除外)皆幸せになって欲しい!と強く思って、でも私なんかがそんなこと祈らなくても皆地に足つけて幸せになっていくか、とそんな事を思いながら、何度も泣きそうになりながら読んだ。具体的にどこがよかったかなんて、多すぎて上げられないくらい。ずっとこの物語を読んでいたいなぁと思った。何年も積読せずにもっと早く読めば良かった!!
Posted by ブクログ
第59回谷崎潤一郎賞、2024年本屋大賞第2位!話のテンポが早くて読みやすい。おもしろかった!
理佐と律は10歳歳の離れた姉妹。理佐は今年大学に進む予定だったが、母が入学金を払い込んでいなかった。理由は恋人の増村さんのために使ったとかで、しょっちゅう増村さんを家にあげている。律を追い出してまで一緒にいたいらしくて、理佐は律を連れて家を出た。水車小屋のあるお蕎麦屋さんで住み込みつきのところに就職した。
洗濯機とテレビはもらえたけど、冷蔵庫がない。他にもいろいろ足りない。
理佐は婦人会に誘われて出てみる。コーラス隊の衣装についてケープで統一感を出したらどうかと提案する。コーラスは無事終了。寛実ちゃんのお父さんにピアノの発表会の服を頼まれる。
母の婚約者増村があたりを嗅ぎ回っているらしく、理佐たちはかなり神経質になっている。彼らは結局見つけられなかったらしく、小学校に直接申し入れてきたので、会わざるをえない。父が亡くなって理佐と律に100万円はいるらしく、それが欲しい様子。理佐は追わないでくれたら私の分はあげると奴らに言う。小学校の先生も同席してくれた。
第2話 杉子さんが亡くなった。律は大学に進学せず就職する。理佐は手芸店に就職し、後任に聡が来る。台風の日、理佐はなぜこちらに来たのか、母と婚約者の話を聡にした。聡も自分の話を少しした。蕎麦屋の守さんが用水路の水位を測りに行ったが帰ってこない。守さんは耳が悪い。聡と理佐が後を追う。二人は守を連れて帰ってきた。そのあと、聡は理佐に挫折した話をした。
第3話 理佐と聡は結婚している。二人は杉子さんの家を買い取って住んでいる。ネネの羽根のクリッピングをやめたので飛べるようになっていた。蕎麦屋が閉店して、石臼は製薬会社のお仕事をしている。律は大学に行った。今は陶器の商社で働いている。守さんは今でも道の駅で蕎麦屋をやっていて忙しい。
笹原研司という中学生が水車小屋に来るようになる。友達のイトウくんも来る。研司がいじめられているようにみえる。律は研司の勉強を見てやって、かわりにネネと遊んでくれるよう頼む。ネネとみんなは山でロストした人を見つける。研司くんは第一志望の高専に受かった。
第4話 東日本大地震。ネネは震えていた。今蕎麦屋を改築してカフェと自習室にしている。カフェは冨樫さんに任せて、律は自習の方を主に見ている。
エピローグ みんな家族だ。
Posted by ブクログ
手にした時、その分厚さにうわっと思ったが、楽しくさくさく読むことができた。身勝手な母と再婚相手の理不尽な態度に、親から離れて暮らすことを決心した18歳の理佐と8歳の妹律の物語。1981年から10年ごとの章に分かれている。危うそうな姉妹の生活も、優しく親切な大人たちとの出会いでだんだん変化していく。水車小屋にいる鳥のヨウム、ネネとのつながりも心の支えになっていく。ネネにとっても2人はかけがえのない存在。人間、捨てたものじゃないなあと、思えるのがよかった。
Posted by ブクログ
2人の姉妹の40年のお話。
18歳で8歳の妹を連れて独立しようとする勇気
その勇気が沢山の素敵なご縁を結び
色んな優しさの連鎖を感じて心があったかくなった。
最初は妹を思う姉の優しさ、そこから蕎麦屋の夫婦、街の人々、、、
よくしてもらった分を他の人へ返す2人を見て
私もちょっと人助け、よくしたいなと思った。
他人が幸せなときに自分も幸せを感じる。
人付き合いが減ってる今だからこそ
無理ない程度にハッピーウイルスを少しずつ
広めていけたらいいのかなと思えた!
ネネに会いたくなりました!
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身勝手な親から逃れ、2人で生きる決意をした18歳と8歳の姉妹の40年間を描いた長編小説。読む前は「ネネ」は人間だろうと考えていたが、ヨウムだった。序盤は理佐と律の親に嫌悪感を抱きながら、思い切った行動をする理佐にも驚いた。しかし、そば屋の守さんや浪子さんをはじめとする優しい人たちに恵まれて、その土地で彼女たちは成長しながら、新しい関係を築いていく。ページ数は多いが、文章はさっぱりしていて読みやすかった。また、登場人物が温かく、穏やかな日常が続くため、着地に注目していた分、最後は少し物足りなさがあった。
Posted by ブクログ
母から短大の入学金の支払いするためのお金を継父に使われて、入学できないというネグレクトされた18歳の姉理佐と継父から身体的心理的暴力を受けた8歳の妹律が、全く知らない土地で周囲の人々の暖かさの中で成長していく30年以上に渡った物語。
今なら児相が介入してくる家庭だけれど、その前頃のどこか牧歌的な助け合いの大人たちがいたことによって二人は救われて貧しいながらも成長していく。
その二人の支えには大人もいたけれど、おしゃべりするヨウムーオウムじゃないーのネネとの会話と関係性が物語の主要な軸となる。ネネのかわいい会話に、とても辛い話もあるのだけれど、癒される。
姉妹を支える大人たちの魅力的なこと。そして二人は成長して、自分たちがしてもらったことを次の世代に繋げてお返ししていくのだ。
読み終えて自分自身も癒されていた。
Posted by ブクログ
いい人ばっかり出てくる。
始まりは18歳のりさが8歳の妹、律を連れて2人での生活をスタートさせるので軌道に乗るまでなかなかしんどいはずなのにりさの性格とお蕎麦屋さんの店主、ヨウムのネネ、律の学校の先生の人間性のおかげで気分が下がらず読めた。
かなり長かったし途中から情景が想像しにくい描写(蕎麦粉を挽くシーンとか馴染みがないからかも)も多かったけど40年間見届けようていう気持ちで読んだ。
人に親切にしようて思えるかも
Posted by ブクログ
「不幸」と思われてしまいそうな境遇に育ちながらも、恨んだり嘆いたりすることなく、出会った人に助けられ無事育ったことに感謝しそれをまた誰かに返そうとしていく。なかなかできないこと。皆が幸せでありますようにと祈りながら読んだ。良いフレーズもあり良かった。
Posted by ブクログ
1981年
8歳の律は、18歳の姉理佐と母の元を離れた。短大の入学費を流用され、男を選んだ母から逃れたかったのだ。
住み込みで働き始めた蕎麦屋の条件は、水舎小屋とヨウムのネネのお世話をすること。
賢い律と、とても賢いネネ。
この土地に暮らす二人、10年毎の生活の2021年までの物語。「人に恵まれ」と言う姉妹。
本当に。
小さな事件はあるも、血のつながらない人たちの関わりが暖かい。とは言え、その人たちも父子家庭であったり、一人暮らしを貫いた老女だったり。
本を読めること。音楽を楽しめること。
は、人間として大事だなあ。
近年、普通の小説にふつうに複雑な事情の家庭の話しがある。これはもうすでに身近に現実的な事なのでしょう。
その中でも『水舎小屋のネネ』は、辛い話しも前向きに読むことができた。
そして、ヨウムを飼いたくなった。
Posted by ブクログ
かなり長くて途中で挫折しかけて放り出したが、ここでの皆さんの感想を読んで良い本だとわかり、また読み始めた。
2人姉妹が劣悪な家庭環境を飛び出し、肩を寄せ合って生き抜く物語と聞けば、何だか暗くて重い感じがするだろうが、この本は全く違う。
周りの人達の温かさ、善意が静かな環境の中で溢れていてこの姉妹を包み込んでいく。そして鳥のヨウムは人々に常に寄り添っている。
姉妹が厳しい家庭環境を当然のごとく受け入れながら、自然豊かな地で2人一生懸命に頑張る姿は、周りの人々の優しい気持ちが引き出されていく。そして10年単位で世代が移ろうともその優しさが順に送られていくのだ。現代の日本に必要な恩送りの優しさ。
今もどこかで苦しみ、挫けそうな人に届いてほしいと切に思う。一人ひとりが、まずは近くの人へ。
Posted by ブクログ
一気読み。評判通りのとてもいい一冊だった。ほとんどファンタジーみたいな「いい話」には違いないんだけれど、そういうのが嫌いな天の邪鬼(わたしのような)も心ふるわせてしまう、独特の雰囲気がある。狙って盛り上げようとしない感じがいい。淡々と、でも丁寧に、登場する人の心の動きがすくい取られている。
読み出してすぐは、理佐と律の姉妹に、この先次々とつらいことや思いがけないことが起こるのだろうと思っていた。十年後の次の章ではみんなどうなってるのだろうとハラハラするような気持ちだったが、いや、そういうよくある話ではないのだった。二人にも周囲のおおかたの人にも、十分つらいことは起こっているのだが、これは、そういう人がそれからどう生きていくのかを描いていくものだった。
誰かの助けがあってみんな生きている。それは実に陳腐だけれど、紛れもない真実だ。「自分はここにいる人の良心でできている」と律が思う場面。何度でも思いだしてかみしめたくなる、しみじみとあたたかい光景だ。また、第四話が2011年で、そこに描かれた震災をめぐるエピソードが、当時の感覚を再現しつつ、しっかり今送るエールになっていることに感嘆した。
書評などでも多くの方がふれられているとおり、ヨウムのネネがお話の核になっている。人から世話をされる必要があり、まったくのマイペースであるネネが、関わる人たちを動かし、そのなかから何かを引き出している。これまたありきたりな言い方しか思いつかなくてもどかしいが、それは生きる力としか言いようがない。長く生きるヨウムだからこそ成り立った、四十年にわたるお話、堪能しました。
オマケ
数年前から「観る将」になって、ツイッター(Xとは呼んでやらない)でフォローしてるのはほとんど将棋関係だが、故村山聖九段の師匠森先生もその一人。森先生は飼っているヨウムの金ちゃんの写真を頻繁にアップされていて、楽しみに見ている。悪さをしていて見つけられると自分から「ダメよ~」と言い、お利口だと褒められると「ピーナッツ!」とご褒美を要求するとか。何歳なのかわからないが、長生きしてほしい。
Posted by ブクログ
評価が難しい。
特に大きな転機も無く、
登場人物達の半生を追っていく。
気張らずに読めるが、
ハラハラドキドキはない。
ある意味、現実に近い話。
でもそんな中でも、1人の人間にとっては
特筆すべきイベントや瞬間があり、
それらが未来の自分を作り上げていく。
人生ってこんな感じなんだな、
と思わされた作品。
気負わず、集中せずに読めて、
私は嫌いでは無かった。
でも、心に何か残るか、
登場人物の心の動きに寄り添えるか、
と聞かれたら少し距離を感じる作品だった。
Posted by ブクログ
良かったです。さすが本屋大賞ノミネート作品。こういうヒューマンドラマ系好きです。登場人物全員いい人で優しい気持ちになれます。多少冗長かなとも思いましたがほっこりとした気分で読めました。
Posted by ブクログ
プロコルハルム、ニルバーナ、レッチリ、エンヤ、懐かしいなぁ、出てきた曲をつぎつぎYouTubeで聴いた。ヨウムのネネにはラジオも人のおしゃべりも狼の遠吠えも聞こえるものすべてが音楽であってコピーしたくてたまらなかったんだ。
Posted by ブクログ
うーむ、面白かったし、どんどん読み進められた。
いい人しか出てこない。
あっ、実母とその新しい連れ合いはちょっと悪いやつかな。
でもそれ以外はいい人しか出てこない。
幸せな世界でもあり,願うべき世界でもある。
Posted by ブクログ
母親とその彼氏のもとから逃げるように出てきた18歳と8歳の姉妹が田舎で優しい人たちに囲まれて生活を始める。その後40年ほどが飛ばし飛ばしに語られるのだが、蕎麦屋の水車小屋に住むヨウムのネネを中心にしてみんなの「良心」がつながり、人の輪が広がっていく…という話。
前半は次から次へと憎たらしい毒親たちが登場してきて常に暗雲を感じながらのもやもやいらいらした読書だったけど、姉妹や周りの人たちが成長して毒親たちの影響が遠くなってくると一転してなんだか退屈に感じてきてしまった。自分にはたんたんとしすぎていたのか、感受性が死んでいるのか…。考えてみれば、私は「苦しい時には助けてくれる人がいる」とか「人生なんとかなる」みたいなこの小説が前提にしていることを信じられないから心に響かなかったのかもしれない。田舎もそんなにいいもんじゃないと思うし。
挿絵がとてもかわいかった。
Posted by ブクログ
津村さんはいちいち言葉遣いが好き!!
「その時はどうしても自然に手が出て、目の前の律の頭をなでた。まだ小さな、子供の頭だった」
理佐だって子供と言ってもいい年齢なのに…
自分に下がいないからお姉ちゃんお兄ちゃん役をしてきた人は本当にえらいと思うしこの歳ではもう2度と矯正できないことに絶望
「老けたな、と思った。父親と別れてから、苦労して自分たちを育てたのは知ってる。だから今になって男に寄りかかりたくなったのかもしれない。それはもう本能なんだと言われたら、自分は否定はしない、と理佐は思う。」
津村さんの本に書いてあったけど、この人はこうやって理解できない親を、肉身だけではない自分以外の他人として捉え直そうとしたんだと思った。
本能って言われたら、私も多分同じことをしてしまう。
子供は多分私には育てられない
「来し方」っていい言葉だよね
来し方行く末っていう素敵な映画がありました
いいね〜〜めちゃめちゃ純愛じゃん
ネネが可愛い
映像化とか本当いらないんで
律が本当に人に何も押し付けない人で、津村さん毎週ラジオしてもらって啓蒙されたい正されたい
結局何が言いたいのかよく分からなくてすみません
本当にこんなにコミュニケーションが取れるなら飼いたい…だが結構長生きだから私はもう厳しいか…
参考文献に載ってたオウムの本は読もう
私も還元しないとな…子供産まなくても子供に手を貸せる方法はあるのだと教えてくれたな