【感想・ネタバレ】水車小屋のネネのレビュー

あらすじ

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●第59回「谷崎潤一郎賞」受賞!
●「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト 第1位!
●「キノベス!2024」第3位!
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誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説

毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなふうに、いろんな人と支え合いながら、生きていきたい。

有隣堂YouTube5周年記念のブッコロー限定カバー欲しさに、気になる単行本を探していて出会った。「鳥が表紙にいる!!」とジャケ買いしてから、(単行本で持ち歩きにくいということもあり)半年くらい積読していた、、ようやく読みました!
鳥の本を鳥のカバーしながら読んだ。

こんなふうに生きていきたいと思える、理想の生活が詰まっていた。
家族ではなくても、家族ではないからこそ、近くで助け合うことができるのかもしれない。
誰かの助けになるようなこと、わたしにもできるかな。何か見つけたい、そういう気持ちになった。

榊原さんの、"娘(寛美ちゃん)に女の子らしいことを何も教えてあげられない"という悩みと、寛美ちゃんの、"そんなのべつにいい、りさちゃんとりっちゃんが助けてくれるから"、という、それぞれがお互いを想い合っているシーンにジーンときてしまった。必ずしも全てを親(家族)に求める必要はないんだよね。

そんなことはないといまならわかるけど、子どもだった当時、いまある場所はいつまでもあり続けるのであろうと思っていた。(地元の市民プール、家から一番近くにあったセブンイレブンなど。)その場所がなくなり、そこにあったという事実がその場所を知っている人たちの記憶の中にしかないというのは本当に不思議な感覚。あんなに鮮明だったのに。
母校(高校)も合併してなくなってしまうことが決まったし、なくならないと断言できる場所・ものってないんだよな。同じことが人に対しても言える。
子どものころはまさか、自分が生まれる前からあった場所がなくなるとは思わなかったし、まさか自分が生まれた後に新しく場所ができる(いわば後輩)なんて思いもしなかった。いまはもう後輩だらけ。

人生は長く、自分一人の面倒を見るだけでは持て余してしまうとわたしも思っていたから、藤沢先生の「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」という言葉に共感した。
今年の日記のどこかに同じようなこと書いたなぁと思って探したけどそんなことは書いてなかった。

津村さんのエッセイがきっかけで編み物始めたし、今回も将来のことを考え直すきっかけになった。
ヨウム(ネネ)目当てにジャケ買いして、こんなに素敵なお話に巡り会えて、嬉しい。ネネの周りで頑張る人たちの姿がかっこよかった。でももちろん、ヨウム飼いたい。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

津村記久子さん好き~
はじめは本の厚さ(3センチ485ページ!)
にビビりながら、しかし読み始めると止まらない
恵まれない家庭(親)にも負けず
18で自立し妹も養いながらしっかりと生きていく姉妹
ネネはしゃべるヨウムのことでした
親には恵まれなかったけど移転先で出会う人たちは暖かい人ばかりで、
成長してから同じような子供に向ける優しさに温かい気持ちにさせられ、
何度も泣きそうに
毎日新聞で2021年7月1日~2022年7月8日まで連載されていたそうです

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1981年から10年おきに2021年までのネネと周りのひとたちの40年を描いたお話

とても長い話だけど、じんわりあたたかくなる。
厳しい現実、苦しい環境に置かれた人がいると、周りにいる人たちが自然と思いやり、手を差し伸べる。
不器用ながらもその思いは伝わり、連鎖する。

血のつながりはなくても、他人であっても、鳥であっても
そばにいることはできる
拠り所になることはできる
何かあれば、話をただ聞かせてもらうことはできる
そんな誰かに自分もなれているといいなと思わされた。
余韻を味わいたくて、最後の章2回読みました。またしばらくして読み返すと思います。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★★★★☆星4【心の栄養】となる読書。最近はこういうさりげない日常の中の幸せに感動させられる。序盤に出てきた理佐と律の母親の許せない行為に対してイライラしました。またこういう親かと。負の連鎖を断ち切るように、理佐は逞しく強く律は賢く周りの人に愛され助けられて成長。周りの人の行為に感謝の気持ちを持ち、また自分が誰か困っている人の助けになろうとすることで良い循環が生まれる世界。自分は周りの人の良心で生きている。誰かに親切にしないと長い人生は退屈なものです。じんわり泣けた。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々に単行本で480Pと長めの話しでしたが、最後まで飽きずに読めました。
特に大きな事件や問題が起こる訳ではなく、ただ淡々と日常に起きている身の回りの困難を、周りの人達の優しさで、みんなで乗り越えていく40年の人生のお話しだったと思いました。
私達の身の回りでも起こっているだろう、シングル家庭の大変さに着目して、優しさの連鎖と言いますか、もらった優しさのリレーと言いますか、無意識ではなく、意識的に関わっていくことで、みんなで協力してその問題に取り組んでいく。その中で、自然とヨウムのネネの周りに集まって出来た関係性。
「自分の子供でもない限り、人間はそこにいる子供を大人になるまで見届けられると思って関わるわけではない。そういうことができた自分は幸福なのかもしれないな」とゆうところで、この本を40年とゆう長さで書かれた意味が分かる気がしました。
読み終わった時に、帯にもある通り「自分はおそらく、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている」とゆうのがこの本の全てだと思いました。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つの文章が長くて少し読みにくい部分があったが、理佐の頑張る姿に応援したくなった。聡の理佐への告白が良かった。全体を通して主役であるネネがいい味出してる。

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2025年10月26日

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