【感想・ネタバレ】水車小屋のネネのレビュー

あらすじ

―――――――――――――――
●第59回「谷崎潤一郎賞」受賞!
●「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト 第1位!
●「キノベス!2024」第3位!
―――――――――――――――
誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説

毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

津村記久子さんの作品をずっと読みたいなと思っていて、やっと読めました。

10年ずつ話は進んでいくんですが、それぞれの登場人物の立場から語られる様子や心情は、どこか冷静で、辛い状況なのに淡々としていたので、ゆっくりじっくり登場人物の気持ちを想いながら物語を追い続けられたかなと思います。
10年経過したとき、登場人物同士の呼び方が変わっていたり、会話のなんとなくで、もしかして今こうなってるのかな?と想像させてくれたところも読んでて急かされない感じがとても心地よかったです。

印象的なのは、主要な登場人物の方々が、多くを相手に伝えすぎないというところ。みんな1つ言葉を伝えるのにも、よく考えている。多くを相手に伝えない、じっと見守る、そういうことは本当に相手を想っていたり、関係を大切にしたいと思っていたりするからできることだし、大切なものを失った経験があるからこそなのかなとも感じました。
助けて助けられて、ネネを中心に人の優しい繋がりがずっとそっと続いていくんだろうなと感じられて、なぜか自分まで救われた気持ちになる、そんなお話でした。

最後に、登場人物がそれぞれ似たようなことを言ってたりもするのですが、研司が言っていた言葉がすごく今の私に腑に落ちたので書き留めます。

​「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、はじめから何でも持っている人が持っている自由からしたら制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分に道みたいなものを示してくれたし、幸せなことだと思います」

0
2026年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Audible

1981年から10年おきに舞台が変わる。著者はちょうどコロナ禍のウィルスの収束が見えない時期に執筆したとのこと。
既に、遠い昔のように感じてしまうが、コロナウィルスと同じように、どうしようもない閉塞感、人生の重さを抱える人物が多く登場する物語。

18歳の高校生は短大に進学予定だった。しかし、母親が婚約者が事業の資金が足りないとのことで、短大の入学金を渡してしまったことで、進学できなくなってしまう。
その婚約者は彼女の家に入り浸るようになり、妹を追い出したり、食事を与えなかったりするようなことがあった。

18歳の少女は8歳の妹を連れて、住居を提供してくれる蕎麦屋で働くことにする。その蕎麦屋の蕎麦の実を挽く手伝いをしているのが、3歳程度の知能を持つという鳥のヨウム、ネネだった。

姉妹だけでなく、親族の不祥事で留学が取りやめになってしまったピアニストや工場で搾取されている外国人労働者、母親が精神障害になってしまった中学生など、ともすれば『最貧困女子』のルポルタージュにも出てきそうな人物たちが登場する。
たくさんの人に支えられ、その恩送りのような連鎖でそれぞれに人生を切り拓いていく。どの人も、他の人の助けを借り、また他の人を助け支えている。その人たちを、ユーモアを交えて繋いでいるのが、ネネだった。

81年からエピローグの21年まで、40年間。「え、そこ描かないの!?」と思うようなエピソードも多々ありながら、だからこそドロドロしない爽やかな読後感。

0
2026年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母親が彼氏のために娘の専門学校入学資金を使い込む。
妹はその彼氏から暴力を振るわれる。
別れた父親の遺産も狙う。
親ガチャって本当にあるよね…

高校を卒業して妹連れて出て行こう!
その行動力がすごい。

そして、ヨウムのネネと出会う。
ネネがすごくかわいいし、周りの人もいい人ばかり。
水車小屋でお蕎麦屋さんの蕎麦粉を石臼で引く
のどかな風景が思い浮かぶ。
ネネのお世話も楽しそうで、少しずつメンバーを入れ替えながら続いていく。

10年ごとの短編になっていて、8歳の女の子もすっかり大人になっていく。

とてもいい本に出会えてよかった。

0
2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ところどころ読みづらい部分があって躓いてしまった。
大きく心揺さぶられることはなかった。
「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている。」
この言葉に共感できたらよかったのかもしれないが、私は良心だけではなくむしろネガティブな経験も大きく影響して自分は出来上がっていると思うので、しっくりこなかった。
ただ水車小屋やネネ、地元に残る人など、形は変われど残る、帰る場所があることは素敵だなと。
あとは亡くなった人のものも大事に受け継いで、いなくなったあとも物や記憶の中で生きていく。そういう暖かさを感じた。

0
2026年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2026.01.高校3年生の理佐は短大の入学金を母親の婚約者のために使い込まれた.そして,小学生の妹の律がその婚約者から虐待を受けているのに気付いて,妹とともに家を出てそば屋で働き始めた.守さんと波子さんの蕎麦屋では水車でそば粉を挽いていて,その水車小屋にはヨウムのネネがいた.理佐と律のことを律の担任の先生の藤沢先生が支援してくれた.水車小屋には画家の杉子さんもよく来ていた.杉子さんが亡くなった部屋に聡が住むようになり理佐と結婚した.律は中学生の研司の勉強をみるようになり,研司はちょくちょく水車小屋に来るようになる.また,律は藤沢先生の教え子の美咲の面倒もみていた.社会人になった研司は震災後希望を出して東北に転勤となる.守が亡くなり,波子さんが施設に入った後,蕎麦屋は律がオーナーで富樫さんがカフェを運営していた.美咲がカフェにいると研司が2人の子供を連れてやってきた.律,理佐,聡は彼らを温かく迎える.水車小屋にいるヨウムのネネの周りの人々の長い年月の様子を捉えていた.それがいいのだろうが,大きなイベントもなく長々と書かれていて,やや冗長だった.

0
2026年02月02日

「小説」ランキング