あらすじ
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●第59回「谷崎潤一郎賞」受賞!
●「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト 第1位!
●「キノベス!2024」第3位!
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誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ
18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――
助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説
毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
2026.10再読
ヨウムのネネと姉妹を中心に描かれる40年間の物語。
こんなに長い話なのに、描かれてないところも読みたいな〜と勝手に妄想までしてしまう。
(聡さんの告白のその後読みたすぎるんですけど)
とにかく出てくる人皆が優しい。
でもその優しさは持って生まれたものじゃなくて、「人に与えられたから自分もそうする」って感じだから押しつけがましくない。だからこんなに沁みるのか。
ずっとネネがかわいい。最後にどんなに時が経っても、「けんじくん!」と呼んだネネにちょっと泣いた。
Posted by ブクログ
身勝手な母親たちから逃げて独立した18歳の姉・山下理佐と8歳の妹・律。山間の蕎麦屋の水車小屋で石臼の管理をしているネネを始め、周囲の人々に助けられ、姉妹は新しい生活をスタートする。2024年本屋大賞第2位。
ネネにかかるとなんでもシンプルに。
聞いたまま見たままを返してくる含みのないネネの言葉は、自分を俯瞰して見るのに良いようで、理佐や律だけでなく、水車小屋を訪れた多くの人を助けてきた。余計な気使いなく、かっこつけずに話せる相手がほしい時ってある。
ごたごたを深堀りしないスタイルが良かった。
律をいじめた母の婚約者のあれこれや、守の死など、どーんと落ち込んでしまうシーンは具に描かれない。ほどよく消化された段階まで時間を進めて提供されるので、一貫して柔らかくて優しい作品の雰囲気が味わえる。
守さんの死を乗り越えた浪子さんだけでなく、他の登場人物たちも苦悩や不安を抱えていただろう。カットされているとご都合主義に映るかも知れないが、これは引き算の美学って感じでよかった。
この世界観が沁みる。
このシーンがめちゃくちゃ感動した!っていうのではなく、段々とこの作品の空気と自分の周囲の空気が馴染んできて、じわじわと心の中に台詞が効いてくる感じ。ふとした所でじんときたりした。人の優しさやあったかさがじんわり心を解してくる。それがとても良かった。
Posted by ブクログ
18歳の理佐と8歳の律が姉妹ふたりで暮らし始めることとなり、水車小屋に住むヨウムのネネと町の人たちとの交流を40年間にわたって描いた物語となっている。
第一章では、18歳の理佐がどうしようも無い母親の元から妹の律と共に去り、妹を養いながら新たな町で生活していく。まだ学生であったり親の庇護下に置かれているのも一般的である年齢の理佐が、妹の事だけを一心に考えて働き、共に生活しているところに胸をうたれた。理佐にも行きたい学校、やりたい事があったにも関わらず、妹にはやりたい事をさせてあげたいという気持ちを持つことは簡単なことではないだろう。少し大人びた律がやっぱりまだ8歳の可愛い妹なのだと実感するところに何度も涙ぐんでしまった。
第二章、第三章では時が進み、新たな人間関係や時代の変化も描かれている。どうしようも無い人間がいる事も書いているが、暖かな人間模様が続くのは理佐と律が人に親切に接し、また同じように親切を分けて貰ってきた証なのだとしみじみと感じる。
ネネは賢い鳥なのだなという印象だったが、そこからさらに居なくてはならない友達のような家族のような存在となった。
暖かな物語が淡々と綴られていて読みやすく、また何年か後に再読したいと思わせられる本だった。
Posted by ブクログ
理佐も律も、一生消えない傷をつけられたのに。でも彼女たちには、悲劇のヒロインぶる余裕なんてなくて、1日1日の食べ物のことを考えながら、必死に生きた。手を差し伸べた大人たちの優しさを、彼女たちは独り占めせずに、次の世代へ繋いでいく。思いやりや優しさって、地道に、ちゃんと世界をよくしていくのだと、久々に感じられたような気がする。
「しばらくの間、自分という人間がおらず、何もしなくていいように感じることを気分良く思いながら、律は去っていった守さんや杉子さんや、この場にいない藤沢先生のことを思い出していた。
むしろ彼らや、ここにいる人たちの良心の集合こそが自分なのだという気がした。」
人に振り回されないようにとか、自分軸を大事にとか、自分の力で乗り切れとか、気付いたらそんな風な考え方が当たり前になっていた。自分の手で全てを掴み取らなければと思っていたし、メソメソしている人を見ると、貴方の努力が足りないからでしょうと決めつけていた。
でもこの本を読んで、私だって色んな人たちの良心で成り立っているということに気付いた。今まで出会った人たちの優しさが、私をここまで生かしていることを、なぜこんなにも忘れていたのだろうか。
ずっとこの世界を覗いていたかった…北澤さんの絵も素敵で、挿絵集も購入。とにかく蕎麦が食べたい。