ポトスライムの舟

ポトスライムの舟

小説・文芸
605円 (税込)

3pt

芥川賞受賞作
29歳、社会人8年目、手取り年収163万円。
こんな生き方、働き方もある。新しい“脱力系”勤労小説

29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが――。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    ポトスライムの舟
  • タイトルID
    :
    1685719
  • ページ数
    :
    208ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年09月30日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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ポトスライムの舟 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    自分の1年間の労働の対価と世界一周旅行の値段が同じ、という事を、自分の労働の価値に繋げていくのが美しいと思った。意味ではなく、価値。実際に世界旅行に行くわけではない、という事に意味がある話だな、と。世界にバズってる商品の工場で働いているとか、飛行機の部品の工場で働いているとか、そういうことではなく、仕事に世界と繋がる意味を持たせる事に意味がある、みたいな。自分の仕事の意味を、自力で世界に繋げていく。労働を一年分、すなわち世界を見た、と捉える。そういう意味で、薄給のかわり映えのないライン作業の仕事を肯定する。
    世界旅行が遠のく事を意識しながらも、りつ子に電車賃を貸して、母にランチをおごって、雨水タンクを買う。でも結局、ボーナスと、りつ子からの借金返済で、183万の目標金額に届く。世界旅行応募のハガキを取りに行きつつ、そのハガキをすぐに丸めて胸ポケットに押し込み、ナガセはというと、岡田さんにスコーンと紅茶を奢ろう、エナにイチゴの苗を買ってやろうと、旅行とは違うお金の使い道について考えている。ナガセが自分の仕事を肯定したので、世界旅行は必要なくなったのでしょう。ポスターの中の、アウトリガーカヌーに乗った男の子がナガセに手を振って(ナガセの心象で)終わるの素敵だな。

    0
    2026年08月23日

    Posted by ブクログ

    津村さんの初期作品、意外と初めて読んだ。やっぱり津村作品は良い。

    『ポトスライムの舟』
    働いて得たお金で世界一周するのを選択肢として持つこと。食べられない観葉植物を、お金をかけずに工夫して育てること。できる範囲で友達を助けること。
    結婚にこだわらず、手に届く範囲で楽しみを見出し、遊び心を持ってコツコツ働く。それでいいじゃないか、と少しも押し付けがましくなく言ってくるような一編で、すごく好きだった。
    出てくる人みんなが普通の人で、それぞれ悩みもありながら日々を過ごしているのもいい。

    『十二月の窓辺』
    パワハラの描写がしっかりあり、津村作品にしてはいろいろな事件が起こる、メッセージ性の強い作品。
    世界は狭く画一的なわけじゃない。この世には千差万別の痛みがあり、だからこそ今いる場所にこだわる必要はない、という結論は新鮮で、津村さんらしい。
    今仕事の人間関係が辛い人は読むのがしんどいかもしれないけれど、読み終わる頃にはきっと心に涼しい風が吹くだろう小説。

    0
    2026年04月12日

    Posted by ブクログ

    大学生の頃に読んだ時は全く刺さらなかったのに、社会に出て労働というものに向き合った後に改めて読んだら五臓六腑に染み渡った
    津村記久子先生の小説とeastern youthの音楽は現代の蟹工船だと思っている
    一度レールを外れてしまった人間にしかわからない絶望や不安というものは確かにあって、例え元のレールに戻れなくても、ナガセの見る世界を通じて、大袈裟ではなく、それでも世界は愛おしいと、そう思えるような小説だったと思う
    傷だらけの労働人生でも、この本に出会えただけ私は幸運だったんだろうと思う

    0
    2026年04月07日

    Posted by ブクログ

    決して楽しく読める小説ではないけれども、ナガセのちょっとした気遣いとやさしさ、ツガワの最後に見せる思い切りにグッときました。

    佐多稲子のデビュー作を読んだ時に感じた無力感とガッツポーズをしたくなる気持ちをちょっと思い出しました。

    0
    2026年02月07日

    Posted by ブクログ

    素朴であたたかい津村節。こういうのでいいんだよ。

    『コンビニ人間』、『ハンチバック』、『推し、燃ゆ』と芥川賞巡り中にあった本作。

    そうそう。津村紀久子さんはこういう感じだった。こういうのでいいんだよ。

    彼女の書く甘すぎないしあたたかすぎない。緩すぎるかも?独特の雰囲気が好きだ。定期的に摂取したい。

    アウトリガーカヌーに乗ってゆるゆると決して速くはないけれど、それでいて不思議と転覆しないバランスで世の中を漕いでいきたいものだなあ。

    それにしても表紙の男の子がかわいすぎる。このワンポイントが入ったTシャツあれば欲しい。

    0
    2026年02月06日

    Posted by ブクログ

    ひとつめのポトスライムの舟、かなり好きだった。

    自らが稼いだお金をどのように使うのか

    金銭的に余裕があれば、子どもを産んでいれば、あのとき結婚しなかったら。今では友人と思えない旧友、老いていく親、古びた実家。
    満ち足りた生活にはほど遠い気がするけれど、自分で選択をして行動を起こすことはできる。

    0
    2026年01月10日

    Posted by ブクログ

    苦しい状況でも、働かないといけない不安から頑張ってしまうナガセに少し共感した。大学を卒業した女性たちが辿る人生の描写がリアルだった。

    0
    2026年09月11日

    Posted by ブクログ

    特に心に残ったのは、併録作『十二月の窓辺』が漂わせる絶妙でどこか切ない空気感です。人はあまりに苛烈な苦痛や生への窮迫に直面した際、他者への配慮や広い視野を失ってしまう。
    作品が浮き彫りにするその悲痛な真理に触れ、如何なる状況においても心に余白を携えて生きるべきなのだと、強く自省させられました。
    表題作・併録作ともに、純文学特有の密度の高い文章美が心地よく、「読ませる」力を持った一冊でした。

    0
    2026年07月25日

    Posted by ブクログ

    著者の作品は何冊か読んでいるが、この芥川賞をようやく読んだ。純文学ということになるのだろうか

    文章は好き
    芥川賞ゆえに何も起こらず終わる

    併録された作品はパンチ力あり
    こちらも事態が好転することは無いだろうなと思いつつ読み進めて、まさかのホラー展開

    0
    2026年07月12日

    Posted by ブクログ

    こういう温度感の話好きなんだよな〜
    と思ってたけど十二月の窓辺はあまりに前職の自分がチラついて…当時はどこに行ってもダメだと思ってたけど、全然そんなことなかったな。
    こうやって学生時代ぶりに本読んだり音楽楽しむ余裕もなかったな。嫌な環境の職場って害でしかない。やだね〜ほんと。(感想じゃなくて日記になるシリーズ)

    0
    2026年06月05日

ポトスライムの舟 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    ポトスライムの舟
  • タイトルID
    :
    1685719
  • ページ数
    :
    208ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年09月30日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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