バスカヴィル家の犬

バスカヴィル家の犬

小説・文芸
605円 (税込)

3pt

深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。きわだった叙景によって舞台となる特殊地帯を一種の密室のように仕上げ、息づまるばかりの緊張を生む、ホームズ物語中最大の長編。

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バスカヴィル家の犬 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    コナン・ドイルはシャーロック・ホームズ物語を『最後の事件』で終わらせたがその発表から八年後に、『最後の事件』より二年前の出来事として発表された長編。この時点ではコナン・ドイルはまだホームズを完全復活させるつもりはなかったはずなので、今までのホームズ物語とはちょっと違うのかな?
    こちらの新潮社の版は昭和29年初版のため言葉遣いも若干古めかしいところが雰囲気があって良いです。


    ホームズとワトスンはモーティマー医師から訪問を受ける。それは最近死んだチャールズ・バスカヴィル卿の遺産相続に関する相談だった。
    バスカヴィル家はデヴォンシャーの旧家で、「地獄の犬」の言い伝えがある。それは数代前の当主ヒューゴー・バスカヴィル卿の乱暴非道さ、そしてそんなヒューゴー本人が巨大な野犬に食い殺されたことにより、子孫たちに言い伝えられた伝説だった。
    年月は経ち、社会活動に勤しんでいた当主チャールズ・バスカヴィル卿の死体が見つかった。そばには巨大な犬の足跡が残されていた。
    そしてバスカヴィル家の跡取りとして、甥のヘンリー・バスカヴィル卿が外国から呼び寄せられることになった。しかしロンドンに着いた途端に尾行者が付き、「バスカヴィル屋敷に行くな」という脅迫状が届く。
    こうなったら魔犬だとか呪いみたいなもんではなくて生きた人間の仕業だ!と早速調査を引き受けるホームズ。しかし自分はロンドンに残り、デヴォンシャーにはワトスンに先発して身辺の報告をしてくれるように依頼する。


    バスカヴィルの屋敷の周辺は荒れ地で底なし沼があり一人で歩くことも危険だ。夜になると、屋敷の窓からランプの合図を送る屋敷の執事、監獄を逃亡して荒野に潜んでいるらしい殺人者、そしてある晩ワトスンとヘンリー卿は、目を輝かせて火を吐く巨大な魔の犬を目撃する…。


    ===
    探偵物語というより冒険小説のようだが面白かった。舞台が荒野なので、見渡す限りの寂しさや、発生するとあたりが見えなくなる濃霧や、その中から現れる光る巨大な犬、底なし沼に引きずり込まれる動物の最後の鳴き声だとか、オソロシイ雰囲気たっぷり。
    前当主チャールズ卿の死の真相、現当主ヘンリー卿が狙われる理由や犯人は中盤でわかるので、後半は雰囲気たっぷりの荒野で罠を張ったり魔犬と対峙したりの冒険活劇風味です。

    0
    2026年10月02日

    Posted by ブクログ

    やはり名作でした。個人的に1番好きなホームズ長編は「恐怖の谷」ですが、やっぱり「バスカヴィル家の犬」は万人受けする面白い作品だと改めて感じました。雰囲気もいいし、ホームズ作品にしては珍しく本確ミステリーに近い感じもする。中盤くらいまでワトソンの単独行動がメインで、ワトソンが精神的に追い込まれていく中でのホームズとの合流のシーンは読んでるこちらも安心させられました。

    0
    2026年08月15日

    Posted by ブクログ

    不気味な魔犬の存在感、バスカヴィル家の不吉な言い伝え、沼沢地の雰囲気、更にはホームズの不在など、
    これでもかと不穏な要素が合わさり、常に漂う不気味な空気感がなんともいえぬ味わいで良かった。

    デヴォンシャーへ向けて出発するワトソン君にかけるホームズの台詞や、デヴォンシャーでのワトソン君の不吉な予感をビシバシ感じさせる記述など、
    なんかワトソン君がとんでもない目に合う前触れのようで、読み進めるごとにずっとドキドキしぱなしだった。

    こんなにも怪奇極まり、またホームズをもってしても一杯食わされる場面のあった相手であっても、
    最後の「追想」では、ホームズの中で既に過去の事件として記憶から追いやられている様子がなんとも無情で、またホームズたるらしさが現れているようでもあって印象的だった。

    あとホームズの美術眼に対するワトソン君の評価が中々に辛辣で思わず笑ってしまった。

    0
    2026年08月09日

    Posted by ブクログ

    シャーロック・ホームズ、ワトスン君。
    やっぱりホームズは凄い!犯人が誰なのか?ワトスン君の推論に同調しながらラストまで一生懸命読んでしまいました^ ^。

    私の推理
    ステープルトン兄妹怪しい
    モーティマー君怪しい←読み終えた時有り得ない発想だなと反省(笑)
    奇怪な行動をとる使用人のバリモア怪しい
    初っ端のヘンリー・バスカヴィル卿の靴が片方だけ紛失怪しい
    呪いという物語に罪をなすりつけての犯行
    ラストなんだか13日の金曜日のような、、、古

              やっぱりホームズは凄い!

    0
    2025年09月25日

    Posted by ブクログ

    ホームズシリーズの長編。
    名家の伝承として恐れられる「怪物」の正体を、新領主の護衛も兼ねてワトソン君が単独で調査することに。
    寂しい風景、不気味な夜に響く謎の声、不可解な事象、怪しい人物、放たれた殺人鬼……
    盛りだくさんの現実を前に、ワトソン君が「ホームズよ、早く来てくれ」と嘆くシーンが面白い。(読者としても同じ気持ちです)

    他の短編よりもワトソン君による謎解きや推測が多めで新鮮!
    とある場所で短信を見つけたときの描写は、ちょっとしたホラー演出よりもゾクッとします。

    0
    2025年06月04日

    Posted by ブクログ

    ホームズとワトソンを客観的に眺めていた自分が、最早その世界の人となって彼らを追従して一緒に思案し一緒に怖がったりしていることに気がついた。

    謎を複層化させるプロットの展開、舞台の不気味さを物語る情景的表現。本作をもって推理小説の名作とすることに一切の異論はない。

    0
    2024年09月10日

    Posted by ブクログ

    今から100年以上も前に書かれた『バスカヴィル家の犬』ですが、この作品は今なお多くのファンに愛され続け、ホームズの長編小説において最も高く評価されている作品でもあります。

    まず、そもそも本のタイトルがいいですよね。『バスカヴィル家の犬』という何ともミステリアスでキャッチーなフレーズ。

    そして話の冒頭から謎が謎を呼び、ホームズですら苦戦する厳しい展開。敵はあのホームズを煙に巻くほどの相当な手練れです。

    また、物語の舞台もこれまた秀逸です。いかにも何か起きそうな不気味な空間。自然環境と人為が絡み合った恐ろしい舞台装置は読者を常にハラハラさせます。

    これは読んで間違いなしの名作です。

    0
    2024年08月22日

    Posted by ブクログ

    ホームズ長編。内容とは関係ないが、このタイトルはずっと「パスカヴィル」だと思っていたが、正しくは「Baskerville」だった。

    この前に読んだのが短編集だったので少しゲンナリしていたが、先が気になってあっという間に読めてしまった。

    中盤までホームズが不在という工夫があることでこれまでの作品とのマンネリも避けられていて、動機やトリックにも不自然さはなく、とても面白かった。

    0
    2026年09月06日

    Posted by ブクログ

    シャーロック・ホームズシリーズの中でも、特に雰囲気を楽しめる作品でした。
    名家に伝わる魔犬の呪いという設定から、最初はかなり古典的な怪奇小説を想像していましたが、読み進めるほどにその不気味な空気に引き込まれました。
    荒涼とした湿地や霧、夜の屋敷など、何かが潜んでいそうな雰囲気がとても印象的で、事件そのものよりも「この先で何が起きるんだろう」という緊張感を楽しんでいたように思います。
    ホームズの推理はもちろんですが、今回はワトソンが自分で考え、動きながら真相に近づいていくところも面白く、いつもとは少し違った読み応えがありました。
    100年以上前に書かれた作品とは思えないほど読みやすく、恐怖と推理をここまで自然に組み合わせていることに驚かされました。
    読み終えてみると、謎解き以上にあの不気味な湿地の景色が心に残る、雰囲気まで楽しめる一冊でした。

    0
    2026年08月13日

    Posted by ブクログ

    読み慣れ、物語に入り込むまでに少し時間がかかった。
    最近のシャーロックホームズは短編ばかりだったので読み進めるのが心配だったけど、そんな心配は杞憂だった。

    0
    2026年06月20日

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