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Posted by ブクログ 2018年09月09日
今回はじっくり読ませてもらった。途中で次の日に持ち越さないよう、一編が完結するまで読んだのが功を奏した。
率直な感想を云わせてもらえば全てが一級品の短編集だ。
自伝的な短編、「増山雁金」、「簪」、「弱竹さんの字」。
ラストに不意を打たれた「遺影」、大人の恋愛を感じさせる表題作や「絹針」、それに加え...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月06日
時代に残されていく職人達とそのすれ違いの恋愛ストーリ。切ない作品ばかり。職人達の衰退と上手く行かない恋愛。泡坂得意の美しい綺麗ではかない恋愛話。ただ、なぜこれが直木賞?とは思う。似たような美しいストーリは他にもあるし、泡坂らしいもっとユーモアのある作品やトリックの作品のほうが作者の恐ろしい力量が感じ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
伝統職人の世界を舞台とした男女の機微を描いた作品集。
と言うと、普通なら僕の興味範囲外の作品になるんですが、作者があの泡坂妻夫なので、手に取った次第です。
で、どうだったかと言えば、大正解ですね。
すごく面白かったです。上手いな〜と感動しきりです。
伏線の張り方がさり気なく、情景説明のように書...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月20日
女の肩から音もなく着物が滑り落ちるような。そんなふうに、静かな熱を持って淡々と進む短編たち。
どの話も尖るような勢いはないのに、いつの間にか指先に刺さった棘のようにじくじくと痛み出す。
「弱竹さんの字」はラストに向けた展開が秀逸。
「十一月五日」には創造者の情念。
「竜田川」こういうミステリー、もっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月11日
第103回直木賞。
現代では珍しい紋章屋の短編小説。着物に家紋を入れる「生駒屋」の若主人が主役。銀座の老舗呉服店に、親の代以来久しぶりに出入りすることになったが、そこに淡い再会があった。
作者・泡坂妻夫は紋章上絵師でもあるから、表題作「陰桔梗」の他にも本書には「増山雁金」「簪」といった、呉服や紋章を...続きを読む
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