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Posted by ブクログ
わー、これはいい。すごくいい!
青春だなあ。青春だよなあ。
青春時代をこれほど郷愁を持って感じさせてくれるお話はそうはない。
それぐらい傑作だと思う。
もちろん自分の好きな部活モノということもある。
変な連中が集まってひとつの目標に向かっていくさまはとてもステキだ。
主人公のぼやきながらも結局やってしまう頼もしさも、さりげなく育っていく恋心も、なんて眩しいんだろう。
そんな頑張っている青春の真っ直ぐさがとても好ましい。
先生への主人公の啖呵と言うかマジギレも楽しかった。
そしてクライマックスでのハプニングと、ラストの先輩とのさりげないやり取り。
いや、完璧だな。
うん、とても面白かった。
それにしても主人公のお母さんの性格がとても好きだ^^
Posted by ブクログ
中学に入学したばかりの佐田みづき(あだ名は、色々あって「くーちゃん」)は、ひょんなことから「飛行クラブ」に入部してしまう。
一、「自分自身が」飛行することを旨とする。
二、「落下」は「飛行」ではない。
三、航空機等での飛行は除外される。
四、究極的には、ピーターパンの飛行を理想とする。
これが飛行クラブの活動趣旨である。解説(金原瑞人さん)を先に読んでみたら冒頭にこう書いてあって、「この本を読もう」と決めた。
だって、どうなってしまうのか気になる。成績ビリの子が東大合格目指すとか、寄せ集めのメンバーで箱根駅伝に出るとか、そういうのはまだなんかどうにか頑張って達成するという感動ストーリーが思い描けなくもないが、ファンタジーでもないのに「ピーターパンの飛行が理想」なんていうとんでもないゴール設定をしてしまって、いったいどういう結末を用意しているのか?
もうひとつ、青春ものが読みたい気分だったというのもある。ここのところ、裏染天馬(高校生)→KZ(小六)と十代の子たちが活躍する小説を読むことが続いたから、この波に乗って中学生の部活ストーリーもいいなと思ったのだ。
果たして読んでみて、大満足。気軽にサクサク読めて面白かった。しっかりものの主人公くーちゃんがクセの強い面々に振り回され全方位にツッコミを入れながらあらゆる物事を回していく。ツッコミキャラとかキレキャラでしかも仕事のできるタイプというのは、一歩間違うとウザキャラになりかねないが、くーちゃんはそうならない。うまく説明できないが、はっきりいって私の大好きなとある友人を彷彿とさせ、ああなんだか彼女っぽい…と思いながら読んだ。くーちゃんを取り巻く女の子友情パートも読み応えあった。
でも一番見ていて面白かったのは二年生で部長の斎藤神(じん)くんかもしれない。色々とコミュニケーション面の問題点はあるが、「部活は全員強制参加、活動内容が内申書にも響く」という学校の窮屈な制度のなか、既存の部活全てに否を突きつけ自分の夢を実現するためにクラブを創設、クラブと認められるための規定の部員数(五人)に満たないまま泰然と一人本を読みながら一年間過ごし切ったこの強さ。序盤のうちは「なんだこの人ぜったいありえん」という印象だったのに、いつの間にか評価爆上がり、青春部活マジックを擬似体験してしまったかもしれない。いや、加納朋子さんマジックなのかな。
どんな結末が待っていたかは…読んでみてのお楽しみ。
Posted by ブクログ
海月と書いてミズキと読む佐田海月は、親友の樹絵理に「飛行クラブ」なる珍妙な部活に入ろうと誘われる。そのクラブは、樹絵理の一目惚れし、幽霊部員の先輩中村と、謎の気難しい男、神と書いて斎藤ジンの2人のみ。部活の内容は「空を飛ぶこと」もちろん実績はないのだ…。
この作家、なんか失敗したよなあとずっと避けていたのだが、今検索してみたら読んでいなかった。あの角川ホラーとは違う人だったか。失礼。
おそらく、高校生くらいを読者に想定した青春小説である。自分があるんだかないんだかという主人公、惚れっぽいが流されやすい親友、野球部を休部している人のいい先輩に、誰とでもいつも正面衝突する男、ひとこと話すと突き刺すような嫌味をいう同級生など、薄いキャラクターが強烈なキャラクターに振り回されるという構図で、非常にわかりやすい。
主人公が中学生(表紙だと高校生に見えるよね)ということもあり、アルバイトなどの社会との接点を作れないという制約がありつつ、家庭と学校だけで最後まで書ききったのはなかなかの力技である。
どうやって「飛行活動」を行うのか、それは書いても書かなくても同じだろうが、割愛。
文章は正直なところ瑞々しいというところまで行かず、かなり乱暴な部分があり、4人存在した場面で誰が怒ったのかがわかりにくいなどという部分もある。
それでも中学~高校生ぐらいならフィーリングで理解は出来るだろう。大人にはもうちょっとしがらみだの冒険だのがあったほうが良かったと思いがちだが、よく考えてみれば中学1年だぞ。しがらみや冒険なんて無理だ。
Posted by ブクログ
愉快痛快なんて書くと、怪物くんみたいだが、実際そうなのであって、更に、奇妙キテレツまで加わり、まるで藤子先生を讃える文章みたいになってしまった。が、あながちテイストは間違っていない、と思う。多分。
冒頭の飛行クラブのヤバ・・いや、夢に溢れる内容を読んで、これはどういう方向に話がいくのか、逆に好奇心が芽生えたと思ったら、今度はバカ・・いや、個性的な登場人物たちに釘付け。そして、なぜかキラキラネームっぽいのが多い。
巻きこまれ型主人公。くーちゃんこと、佐田海月(みづき)
普段はくーちゃん任せで前に出ないが、恋は別の、ジュジュこと、大森樹絵里(じゅえり)
高所平気症の怖いもの知らず。仲居朋(るなるな)
両親から野球を期待されているが本人は嫌がっている。餅田球児(キュージ)
いい人。中村海星(ヒトデ先輩)
飛行クラブ部長。尊大。何様?神様?でおなじみの、斎藤神(ジン)
人の悪口と噂話大好き。イライザこと、戸倉良子
読んでいて、やや現実感に乏しい感はあったが、軽い感じには思わなかった。その理由として、子供と大人の関係性の大切さを書いていることと、ユーモアたっぷりな文章の内に、何か、力技や強引さも厭わない、憑かれたような熱量を感じたこと(そして、加納さんのダジャレが絶好調なこと)。
ああ、これはもうテーマありきなんだなと思っていたら、あとがきで確信しました。意地でも飛びたいんだ。そう、私だって飛びたい。まあ、最後のエピソードは、本当に強引すぎるかなとも思ったが、それくらい何とかしたかった加納さんの思いを、私は感じ取りました。幼心に思ったことと馬鹿にするなかれ。子供は子供なりに、自分らの限界のようなものがある、もどかしさに気付いている。それにそっと手を差し伸べる大人の存在が、子供にとって素晴らしいものになることは、紛うことなき現実感。特に、くーちゃんの母は、その見本みたいな感じで、すごく印象的だった(働きアリのエピソードとか)。
ちなみに、飛ぶ以外でもちゃんと青春しております。恋や友情や親子関係といった大切な要素が。私としては、久々に明るく楽しい物語を読んだ気分ですが、部長やイライザの意外な心の内の思いなどに、それだけではないものも感じて、やっぱり青春っていいなあ、と思わせられるのです。読もうかどうしようか迷ってる方は、清水の舞台から飛び降りるつもりで、是非(飛び降りるじゃ飛んでないか)。
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