雲の墓標

雲の墓標

572円 (税込)

2pt

太平洋戦争末期、南方諸島の日本軍が次々に玉砕し、本土決戦が叫ばれていた頃、海軍予備学生たちは特攻隊員として、空や海の果てに消えていった……。一特攻学徒兵吉野次郎の日記の形をとり、大空に散った彼ら若人たちの、生への執着と死の恐怖に身をもだえる真実の姿を描く。観念的イデオロギー的な従来の戦争小説にはのぞむことのできなかったリアリティを持つ問題作。

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雲の墓標 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年01月20日

    2015.10記。

    個人的追悼:小説家阿川弘之氏 (長いです)

    小説家の阿川弘之氏がなくなった。とくに若い頃熱心に読んだ敬愛する作家のひとり。

    阿川氏は自ら若き士官として務めた旧日本海軍への深い愛情を文学の下敷きにしていた。故に、戦後の文壇からは長く「反動」のレッテルを貼られ、大江健三郎に代表...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月31日

     何というか、描写が凄いの一言


     藤倉悲しい。
     この作品の中で、誰に一番感情移入をしたかと問われれば、
     自分は間違いなく藤倉と答える。

     藤倉が一番現代人っぽい感受性を持っており、でも、昇華の仕方は矢張り軍人らしさはあったかな
     甘い物食べたがってた吉野がどんどん変わっていくのが、緩やか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月09日

    生き方を4通りに分けた時、その目指したものがねじれるように四人に収まってしまった。
    予備学生として従軍した阿川先生自身が、「死」に向かい順応していく、して行くように見せかけて懊悩するのその心理。彼らと年齢が近い分、今の自分に置き換えた時、非常時というくくりを取り外してしまえば、「人間はこんな風に変わ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    学徒動員され、特攻隊員の心情を日記形式で綴った小説です。
    入隊当初は大学での万葉集の研究に名残を残し、戦争という波に飲まれていく主人公。徐々に死というものに対する考えも変化していく。 かなり前に読んだので内容もうすらうすらになりましたが今でも間違いなく自分の中で1番の戦争文学です。

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    Posted by ブクログ 2024年04月24日

    十年以上前に読んだ本で、ふと思い出して読み返して、また泣いた。学徒出陣で特攻隊に組み込まれた人の日記という形式で終戦までの日々が語られ、時々彼の友人たちの手紙が挟まる。淡々とした語り口の中で、しだいに軍隊に染まっていくさま、思想がごく自然に変わっていくさまを見るのがつらい。死を目前にして、読んでるこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月18日

    「阿川弘之」を代表する作品のひとつ『雲の墓標』を読みました。

    「阿川弘之」の著作はエッセイの『エレガントな象 ―続々 葭の髄から』以来なので、約1年半振りですね。

    -----story-------------
    青年たちは何を想い散ったのか。
    史上最悪の戦術の犠牲となった特攻兵の清廉な魂を描く。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年08月24日

    目的化した死が、あらゆる不安をはらいのける
    サルトルは、自由が人間を縛りつけるのだと言った
    だが徒競走ならば、自由もへったくれもない
    きれいさっぱり清められた一本道を、おのが死めがけて突っ走る
    そのように自らを律して特攻の日を迎えようとする若者たちの手記
    というテイで書かれた小説
    その、スマートとす...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年10月22日

    戦争に肯定的な軍人は、戦時中でも案外少なかったのではないかと思う。日本人特有の空気に支配されていたのだ。

    戦時中にこれほど、自分に素直に書いた日記が実際にあったのだろうか?

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    Posted by ブクログ 2015年09月08日

    読み終えたあと虚脱感を感じた。特攻隊として散っていった主人公の思いについて、日記形式に書かれている。主人公の気持ちを考えるも、なんと言うか、リアリティが感じられない。いや、これは想像力が無いだけなんだろうけど。同時代人はどう思うのだろうか。身につまされる思いがするのだろうか。
    近頃の子供たちは、小さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年06月20日

    平和な時代の僕達から見れば悲惨な話だが、当の本人は淡々とそれを受け入れている。
    以前読んだレマルクの西武戦線異常なしを思い出した。

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