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昭和五十年暮、最後の元海軍大将が逝った。帝国海軍きっての知性といわれた井上成美である。彼は、終始無謀な対米戦争に批判的で、兵学校校長時代は英語教育廃止論をしりぞけ、敗戦前夜は一億玉砕を避けるべく終戦工作に身命を賭し、戦後は近所の子供たちに英語を教えながら清貧の生活を貫いた。「山本五十六」「米内光政」に続く、著者のライフワーク海軍提督三部作完結編。 ※新潮文庫版に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
井上成美を知ったのは、第二次世界大戦の敗け方を組織論の観点から分析した『失敗の本質』だった。 彼は日本全体が開戦ムードに傾く中、徹底して非開戦を唱え、艦隊決戦論が主流の海軍で航空主兵論を説いたという。 合理主義者で誰に対しても歯に衣着せぬ物言いをすることから煙たがれる場面も多かったようだが、自分の頭...続きを読むで考え抜き、正しいと思ったことを貫く姿勢に私は感銘を受けた。 同じ著者が書いた、『米内光政』や『山本五十六』(どちらも井上成美の実力を買って重用した)も読んでみたいと思う。
ほんとに正しいことを言ったのに、したのに、時代に押し流されてしまった人。空軍力の増強をいち早く取り入れようとしたのもこの人。 戦後はもっとまっすぐに日本のために尽くしてくれた方が良かったかもしれない。ストイックすぎたひと。
先日読んだ『失敗の本質』の中で艦隊思想が主流の日本海軍の中で一部に航空強化論があったことが語られており、興味を持った。井上大将の徹底した合理的思考は常人からは敬遠されがち。だが、その本性は冷徹漢ではなく、むしろ”人をつくる”ことに心血を注いだ人生である。こういう人が懐刀に止まらず、サクッとトップに立...続きを読むち、時代に合うグランドデザインを描くと組織は強いのだろう。戦争物の本は今まであまり読んでいないので読みづらいが自分が広がる感じがしてそこも良い経験だった。面白かった。
2016.10.22 海軍のよさを体現した人だったのではないか? 江田島での教育方針、戦後を見据えてのことだったことには感服した。 戦はへただった。 山本、米内もそれぞれに良さと悪さがあり、井上もそう。それを、丁寧に書き上げている筆者のすごさにいけい。それを互いに補っていた。
阿川弘之著の海軍提督三部作完結編。 井上成美は、「山本五十六」、「米内光政」と共に日独伊三国同盟に反対し、米国との対戦に終始反対していた。また、開戦当時より日本の敗戦を予告し、敗戦前夜は終戦工作にも奔走する。 この三人の中でも井上は参謀タイプで合理的な判断を重視し、孤立を怖れずに自ら強い信念を貫く...続きを読む。 当時、世の中が陸軍を中心にファッショ的になる中でも信念を貫くことは生命の危険にも晒されることでもあり、その気骨ある姿に敬意を抱く。 当然のことながら、井上の言動に対して海軍内でも大いに批判があったわけだが、それを凌駕するだけの合理的な判断力、これはきっと留学等を経験する中で幅広い知見を得ていたのだろう、卓越した知力(考え抜く力)を有していた。 また海軍兵学校長も務め、戦後は地域の子供達へ英語教育を施すなど教育者としての顔もみせる。 著者は、人間として「堅物」、「付き合い難い」、とネガティブな人物像も記しているが、それ故、井上の真の姿(人間性)、実像を描くことに成功しているのではないか。 戦後は、英語の授業料を拒むなど、私生活でも清貧を貫く。まさに侍精神、武士道を残っていた時代なのかもしれない。
11/9-11/25 こういう軍人がもっといたら、 馬鹿な戦争をしなくてすんだのに。 阿川氏の作品をもっと読んでみよう。
井上成美大将がいてよかったと思った。 すごく感動しました。 こういう先見性のある人1人1人のおかげで日本はよりひどいことにならずにすんだんだとおもった。
阿川弘之による「最後の海軍大将」井上成美の伝記。 戦前、戦中にその合理的かつ冷徹な目で対米戦争に勝利の可能性がないことを見いだし、戦争に一直線だった当時の日本の流れに抗って何を犠牲にしても戦争は避けるべきだという姿勢を貫いた海軍左派軍人の一人井上成美。戦後は軍人としての責任をとり神奈川の片田舎に...続きを読む隠棲し英語教師として余生を送った。山本五十六、米内光政とともに必死に軍ではなく国?国民を第一に考えて行動することはあの時代にあってはものすごく勇気のいることだったと思う。その急進的な姿勢から敵を作ることも多かったようだが、それくらい極端にやらないとひっくりかえせないと踏んでいたのだろうか? 印象に残っているのは海軍兵学校校長時代のエピソード。英語は敵性言語であるとして日本中の学校が英語教育を廃止する中、「海軍士官は国際的に通用する人物でなければならず、英語が国際語である以上敵性言語だろうがなんだろうが学ぶべきだ」という明快な論理のもと戦中唯一英語教育を守り通したことは戦後の海軍兵学校卒業生の活躍につながっていると考えて問題ないであろう。 再読予定なので読んだらまた書き直します。
山本五十六、米内光政、井上成美。 ともに帝国海軍大将、三国同盟反対派、米英戦争反対派。 井上成美はこの中で一番知られていないが、もっとも戦後に影響を与えたと言っても過言ではないと感じた。 満洲事変から太平洋戦争に至るまで、海軍が陸軍の横暴を抑えられれば日本の運命ももっと良くなっていたと思わざる...続きを読むおえない。
東郷平八郎や山本五十六のような著名な戦功をあげた人物ではないにも関わらず、本書は色々なところで推薦されており、30年以上も読み継がれています。その理由を知りたかったのですが、確かに今の世にも通じる内容が多いのだなと感じました。 本を読み進めていくと、井上成美という人物像について、以下の点が浮かんで...続きを読むきます。 ・希望的観測を嫌って事実を重視し、合理性を重んじる人だった。 ・冷静な観察眼や大局観を持っていた。 ・組織に対しても迎合しなかった。 ・故に、周りから疎まれていった。 真の理解者は米内光政など限られた人のみだったようですが、少数でも深い理解者とともに仕事ができることは幸せなのかもしれない、とも思ったりします。周りから見ると少し偏屈な人物だったようですが、自らの任務と職責に対する態度、および、自らのスタッフへの接し方は見習いたいところが多いです。 また、本書は「組織力学」「教育論」に関する示唆も多く含んでいます。700ページを超えますが、一人の軍人の伝記といったカテゴリーを超えて、多くの人に読んでほしい一冊です。
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