前作のなかで感じた春奈のイラつく感じがなくなっていて安心した。
今作でもこれまでと同じ感じで心霊的な事象を(バカみたいに)否定し続けるのなら、作品全体は好きでも読み始めから中盤までが不快すぎるので切ろうかと考えていたところだった。本作の流れなら次作以降も安心できそうでよかった。
"現在"の時間軸で
...続きを読むの被害者が多く、これまでのシリーズの中でも救われることの少ない作品のような気がするが、読後に不快な感じはしない。
前半は、悪魔が心理的な介入だけでなく物理的にも影響力を行使してくる描写に、怖いと言うよりも不安(絶望感)が大きく、仙龍らが合流した時の安堵感がすごかった。
中盤で状況がはっきりすると、悪魔の能力の行使範囲やその能力を弱める案も出てきて恐怖感は抑えられる。
後半ではそれ以上のひねりはなくスッキリと建物を浄化できて一件落着。
前半の絶望と後半の爽やかさはいつも通りで面白かった。このシリーズは、ヘンな見せ場を作ろうと終盤にどんでん返しをしたりしないので、ビックリ系ホラーのような"悪い"緊張感が無く、安心して読んでいられる。