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漱石は明治三十二、三年から大正五年の死の年まで断続的に日記やメモを書き残しており、それは全集版で八百ページを超す大部のものである。そのうちからここにはイギリス留学の日記、修善寺大患時の日記、明治の終焉時の日記など、漱石の生涯の節目となった時期の日記七篇を収録。行文から人間漱石の内奥の声が響いてくる。
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Posted by ブクログ
726 漱石日記、日記というより一日一日ツイッターのつぶやき並みに短い文章なんだけどw漱石今生きてたらツイッター廃人だと思う。 1.ロンドン留学日記(明治33年9月~34年11月) 2.『それから』日記(明治42年5月~8月) 3.満韓紀行日記(明治42年9月~10月) 4.修善寺大患日記(明...続きを読む治43年8月~10月) 5.明治の終焉日記(明治45年6月~大正元年8月) 6.大正三年家庭日記(大正3年10月~12月) 7.大正五年最終日記(大正5年4月~7月) 五月九日(木) TootingCommon に行く。読書。夜、池田氏と英文学の話をなす。同氏はすこぶる多読の人なり。 九月九日(木) 晴。民政署より電話。旅順へ何時来るかという。 朝食の後、読書室にて橋本氏と談話。 十二時散歩。一時午餐。俣野と出づ。 この『それから』日記を見てもわかることだが、漱石の接触する 人間の多さには驚くばかりである。家族・門下生・知友・編集者は 言うまでもなく、見知らぬ人からもよく来信・訪問・贈品等があ り、明治三十九年十月ごろから木曜午後三時からを面会日と定めた
どの日記もほとんど毎日つけられています。少し短いところや日付だけ書いてあるところもありますが、そうしてまで夏目先生は書いておきたかったのかもしれません。先生の几帳面さが伝わってきました。
「漱石の感受性に立てば、漱石夫人の態度、女中たちの言葉遣い、人前で奥歯を鳴らす人たちへの嫌悪等々はもっともなことである。この日記ほど生身の漱石を感じさせるものはなく、ある意味でこの『漱石日記』中の圧巻といえるほどのものがある」(解説 平岡敏夫 p.278)
イギリス留学中や修善寺大患時、家庭のことについての日記など抄録らしいがとても興味深かった。イギリス人だからといって偉そうにしていても自分より知識があるわけではないと憤懣やる方ない記述はあるが、それほどノイローゼの片鱗は見えないと思ったら、精神衰弱時は一年半日記も書けなかったとのこと。家で働く下女をは...続きを読むなから見下す記述にはいくら明治時代のこととはいえ、さすがに鼻白む。
漱石は作品のほかに膨大な日記・その断片を残している。ロンドン留学時の日記・「それから」連載中の日記・修善寺大患時の日記・明治の終焉時の日記など、七篇の日記を収録。 日記ってそもそも誰かに読まれることを想定されて書かれているものじゃないと思うので、いざ読もうと思っても結構難しかった。特に最初は文語文...続きを読む体っぽいもので書かれているので一苦労。倫敦の日記が一番読みものとしては面白いかも。満韓紀行記はよくわかんなくてほとんどスルーする感じで読んでしまいましたワ。すみません。 修善寺の日記は「思い出すこと」の補完的な要素もある感じがした。いやしかし文章にしてみると相当漱石弱ってたんだなあとしみじみしました。ひどかったのね、よくぞ生き返ってくれた。 しっかし大正三年の家庭日記は鏡子夫人や下女への文句が辛辣過ぎてかなり鬱になりましたはい。でもこれらの漱石の負の面を小宮たちが隠してたのはもっと嫌。そりゃ小宮からすれば偉大な先生だったんだろうし病的な部分全部隠して讃えたかったんだろうど、本当のことを伝えるのも大事だと思う。だから私は鏡子夫人の言葉や次男の伸六氏の言葉の方を信じます。 大正五年の晩年日記は最後の方は植物の描写に終始してて何となくわびしい感じがしました。これで日記が終わるっていうのが何とももの悲しいです。
イギリス留学時代や修善寺の大患の時など、漱石の人生における重要な時期の日記を抜粋。だれかに見せるためのものでなくまとまっていないが、これがなかなかおもしろい。 日記を読むだけでも、相当に気難しい性格だったんだなというのが伝わってくる
夏目漱石が周りにイライラしてるのを楽しむ本だった。 半分くらい面白い。 残り半分はそんなに面白くない。
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