ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
弟に領地を奪われた侯爵は、アーデンの森に移り住んでいる。侯爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため邸内にとどまっていたが、ついに追放される。男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、一方、侯爵の功臣の遺子オーランドーも、兄の迫害を逃れて森にやって来る……。幾組もの恋人たちが織りなすさまざまな恋を、明るい牧歌的雰囲気の中に描く。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
タッチストーン こちとらも同じだ、忘れもしない、ある女に惚れて夢中になり、剣を石に叩きつけてへし折って、やい、恋敵め、今夜俺のジェーン・スマイルの所へ忍び込んで来やがったら、これ、このとおり、と怒鳴ったものだ、それから、その娘の使う砧にも、皹の入ったかわいらしい手で絞った牛の乳首にも接吻したものだ、...続きを読むまだある、畠の豌豆をその娘に見立てて口説いた事があったっけ、その蔓から莢を二つ捥ぎ取って、それを女に、いや、蔓に返し、泣きの涙で「これを俺だと思って肌身離さず」と搔きくどいたものさ……まことの恋をする者は呆れた狂態を演じて恥じないが、この世の在りとあらゆるものはあすをも知れぬ定め、同様、恋の定めはあすををも知れぬ狂気にありという訳だ。 2013/05/17-05/23
ロザリンド 本当にね、さすがの「自然」もとても適わない、「運命」ときたら、「自然」の造った阿呆をよこして、「自然」の造った智慧の邪魔をするのですもの。 シーリア もしかしたら、これも「運命」の企みではなくて「自然」の仕業かも知れない、「自然」から授かった私たちの鈍い智慧では、こんな女神論など戦わせ...続きを読むる柄ではないと見て取って、そういう私たちの智慧を磨く砥石にと、「自然」がこの阿呆を送ってよこしたのに違いない、阿呆の愚かしさというのはいつでも智慧の砥石になってくれるのですもの……ところで、お利口さん!何をうろうろしているの? タッチストーン お嬢様、お父様の所へおいでを。 シーリア お前は間者になったのかい? タッチストーン いえ、とんでもない、吾が名誉にかけて申します、お嬢様を呼んで来いと仰せつかっただけの事でして。 ロザリンド そんな誓言をどこで習ったの、お馬鹿さん? タッチストーン さる騎士から教わりました、奴さん、吾が名誉にかけてこれは旨いパン・ケーキである、吾が名誉にかけてこの芥子はなっていない、などと誓言しておりました、が、それがしに言わせれば、断じてあのパン・ケーキはなっておらず、芥子の方が上出来だったと申し上げたい、さりとて、その騎士の誓言があながち偽誓だったという訳でもございませんが。 シーリア それをどう証明できるの、お前は大した物知りだというけれど? ロザリンド 本当に、さあ、お前の智慧の見せどころよ。 タッチストーン お二人共、ちょっと前へ、それから顎をさすって、あなた方の髯にかけてそれがしは悪党なりと断言なさい。 シーリア 私たちの髯にかけて(私たちにそれがあればの話だけれど)お前は悪党です。 タッチストーン それがしの悪にかけて(吾輩にそれがあればの話だが)それなら、それがしはいかにも悪党、さて、そこです、お二人共、在りもしないものにかけて誓言なさいました、それならその誓言は決して偽りとは言えませぬ、例の騎士にしても同じ事、在りもしない奴さんの名誉にかけて誓った事だ、一向偽誓にはなりませぬ、かりに昔は名誉とやらを持っていたにしろ、「吾が名誉にかけて」を乱発し、問題のパン・ケーキと芥子にお目にかかるずっと前に、すっかり誓い果してしまったという訳ですな。 シーリア まあ、どうしたの、ロザリンド……キューピッド、どうぞお手柔らかに!一言も口をきかない気? ロザリンド 「犬を相手に語る口なし」よ。 シーリア 解っているわ、あなたの言葉は野良犬に投げてやるには勿体な過ぎるもの、でも私には少しくらい投げてくれても良い筈よ、さあ、はっきり訳を言って、吠える私を黙らせて頂戴。 ロザリンド そうしたら、万事休す、おたがいにこのまま身動き出来なくなってしまう、一人は訳を聞かされて啞になり、一人は訳の解らぬ気違いになってしまうもの。 公爵 最も悪どく醜い罪がある、人の罪を責めるという、そもそもお前自身、昔は肉欲そのもののように官能の楽しみに耽る放蕩者だった、そのお前が、勝手気儘な放蕩で腫れ上がった傷や膿の病毒を、今度は広い世間に向かってことごとく吐き散らそうというに過ぎぬ。 ジェイキス しかし、たとえ世間一般の奢りを責めたからといって、特定の個人を攻撃した事にはなりますまい?奢りの風潮は、大海のように腫れ上がり、やがては奢れる者の財力が潮のように引き始める、そういうことが無いと誰に言えましょう?また私が都会の女は身分不相応にも王女の着るような高価な衣装を身に附けていると言ったとする、が、私が都会に住むどの女を特に名指しているのか、それは誰にも解りますまい?一体、どの女が名乗りを挙げてそれは私の事だと申出て来ましょうか、その女のすぐ隣の家にも同じような女が住んでいるのに?あるいは身分の賤しい男が、てっきり自分の事を言われたのだと早合点して、「俺の一張羅はお前に買ってもらった訳ではない」などと言い出すかもしれません、が、それこそ反ってこちらの言葉に乗って自分の愚かしさを暴露してしまう事ではありませんか?そこです!――これは結局どういう事になるのか?結論はどうなるか?さて、一体どの点で私の言葉が相手の名誉を傷附けたか、一つ考えてみましょう、もし私の言った事が先様の身に憶えのあるものなら、これは即ち身から出た錆、悪いのは御当人です、逆に、全く身に憶えのない事なら、何の事は無い、手前の非難は宙に舞う雁の如し、どこの誰にも当たり障りがないという事になります……誰だ、そこへ来たのは? オーランド この世に生を享けているものは、たとえ虫けらでも責めようとは思いません、私自身を除いて。自分の事となれば、確かに間違いだらけの人間ですから。 ジェイキス その間違いの最大なるものは、恋をしているという事だ。 オーランド その間違いだけは、あなたの最高の美徳とでも取換えたくはない……あなたの相手はもうたくさんです。 タッチストーン せっかく書いた詩が人に解ってもらえなかったり、気のきいた頓智が理解力があるおませな子供に受けとめられなかったり、これほど応える事は無いね、小部屋を宛がわれて法外な宿銭を請求されるより恐ろしいよ……つくづく思うね、神々がお前さんを詩的な人間に仕立てておいて下されば良かったのにとな。 ウィリアム はい、ちょっとした才は持ち合わせております。 タッチストーン なるほど、旨い事を言う……それで憶い出したが、こんな諺がある、「愚者は己れを賢と思い、賢者は己れの愚者なるを知る」とね……(ウィリアム、唖然として大口を開けている)さる異端の哲学者は、葡萄が食いたくなると、まず口を開けてから葡萄をそこに持っていったそうだ、つまり、葡萄は食うべき物、口は開けるべき物という訳だ……この娘に気があるのかね? ジェイキス その虚偽の七つの段階をもう一度順序立てて言えるかね? タッチストーン そりゃあもう、手前共の口論は版で押したように正確無比――本に書いてあるとおりに行われます、その点、皆様の礼儀作法と御同様でして……さて、その段階を 逐一列挙して御覧に入れましょう。第一「慇懃なる口返答」、第二「穏健なる毒舌」、第三「乱暴な逆ねじ」、第四「勇敢なる非難」、第五「攻撃的反論」、第六「間接的虚偽」、第七「直接的虚偽」……以上、すべての場合、決闘は避けられます、もっとも、「直接的虚偽」の場合は例外、いや、それすら逃げられる、即ち、「仮に」という一言を附け加えておきさえすればよろしい。かつて裁判官が七人掛りでも話が附かなかった揉め事がございましたが、いよいよ当人同士が顔を合わせる段階になりまして、その一方が計らずも「仮に」という一語に想い到りましたと思し召せ、たとえば「仮に、あなたがかくかくしかじかと言うとする、それなら吾輩はかくかくしかじかと答える」という調子で、ついに二人は手を握り合い、兄弟の契りを結ぶに至ったという事でございます。「仮に」こそ唯一無比の仲裁役、その徳、広大無辺なるはこの「仮に」の一語。
入手しやすいシェイクスピアとして、角川文庫版もちくま文庫版も、それぞれ捨て難い風情と長所があるんだけど、でも、やっぱり福田恆存を外すわけにはいかないなぁ、と改めて感じる。劇中に挿入される詩の、言葉の流れがいい。現在は手に入り難いけれども(そしてたしかにもう「旧い言葉遣いなのかもしれないけれど)、坪内...続きを読む逍遥にも感服。
社会の教科書にもでてきますよね!? この著者の名前は。。。 内容は、やはり劇をみたい! 単純にそう思いました。 どっかやってないかにゃーん(= ̄▽ ̄=)ニィーーッ
ジェイキス「御機嫌よう、またお目に掛かりましょう、出来る限り、たまにね。」〜オーランドー「今後とも精々赤の他人であるように心掛けたいものです。」〜これぞ熱血友情?
遠く離れた森の中 愛と嘲笑が交差する お気に召すまま暮らす中 それでもすべてが調和する 暗い出来事が下地となっているのに、どういうわけか悲劇とならない。それは、愛の力が初めからひとを結びつけているからか。その愛を育むのが、人里離れた森の中。屋敷にあのままロザリンドたちがとどまっていたら、きっとマク...続きを読むベスやオセロ―のように悲劇になっていたんだと思う。背景の描写は細かくなされていないのに、確かに存在感があるアーデンの森。劇のときは、やはりこの森をどう表現するか演出家や舞台さんの力が求められるところ。疲れ切った心を和らげ、愛の力が存分に発揮される森。 愛という夢を紡ぐのは、男装したロザリンド。男性として振る舞う女性、愛すると同時に愛され、実在すると同時に実在しないという奇妙な二重性が、憎しみの色を喜劇の喜びの色へと導いていく。 かといってのんびり事が過ぎるわけでもなく、道化やジェイキスの配置によって、まるっきり夢を見ているわけではなく、思考にピリッとしたスパイスが加えられて単なる恋愛物にとどめない。道化が最初に述べた、偽の誓いというのがよく効いている。欺瞞という行為は、それ自体、正しさを浮かび上がらせるという矛盾。正直者ほどよく嘘をつき、嘘つきほどよく正しいことを言う。役者は嘘を正しさとして演じなければ嘘になるし、観客は嘘が嘘だということを常に見極めていなければ、嘘になる。そうでなければ、喜劇にならない。常に二重性がつきまとう。 そして最後にはそれぞれのお気に召すように、すべてが調和する大団円を迎える。各々が勝手に動いているようで、実はひとつの構図の中を生きていた。
シェイクスピアの喜劇は初めて読んだが、悲劇とはその構造が全く違うようだ。そもそも、あるべきはずのところに葛藤の見られることがほとんどない。失われた公爵領の奪回にしても、恋のゆくえにしてもそうだ。一方、それを補うかのように、アーデンの森の魔法が劇空間を包みこんでいる。そして、このこととも相まって劇全体...続きを読むには祝祭的な趣きが強いようだ。ただし、いたるところにタッチストーン(道化)が登場し警句を発することで、劇の解釈は一筋縄ではいかなくなるのだが。ある意味では彼こそが劇の主役だと言って言えなくもないくらいに。
シェイクスピアは初めて読んだが、面白かった。 まず台本形式で書かれていることに驚き。内容については、様々な人々の恋が展開していくと同時に皮肉やら人生観やらが織り込まれていて、上手いなあと思った。 堅苦しい(古めかしい)口調なので敬遠してしまうかもしれないが、一読の価値、充分あり。
ロザリンドいたずらっこでちょうかわいい。 ところで私の持っているこの本にはかわいい表紙がついていないんだが……解せぬ ロザリンドとシーリアと道化かな?
弟に領地を奪われた公爵は、アーデンの森に移り住んでいる。公爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため邸内にとどまっていたが、ついに追放される。男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、一方、公爵の功臣の遺子オーランドーも、兄の迫害を逃れて森にやってくる・・・。幾組もの恋人たちが...続きを読む織りなすさまざまな恋を、明るい牧歌的雰囲気の中に描く。 (裏表紙紹介文より) *** シェイクスピアの喜劇の一つです。 とあるサイトさんで出てきたので、読んでみました。 新潮文庫のは以前「ヴェニスの商人」も読んだことがあったのですが、やはり昭和に翻訳されたものだからか、それとも今訳してもこうなるのか、現代文になれきった身としてはちょっと読みづらかったです。。。 内容としては、なんだか毒舌やはっきりした物言いが多かったです。 本人を目の前にしてお前は美人じゃないとか、自分に求愛している男(A)の前で私はあなた(B)が好きなのとか。 あとは、領地を追われたとはいえ、貴族が洞穴とかで暮らしたり、羊飼いに扮したり。 順応性高っ。 面白かったですが、ただ、やっぱり本で読むより劇を観た方が良いんだろうなぁと思いました。 もうひとつ。 この時代の人たちって、なんだか全力で恋してる感じですごいなぁと思いました。 もちろんフィクションだけど。 p166 中村保男氏 解説 『(「お気に召すままという」)この題名はアーデンの森で気ままに日々を送っている人たちのことを指すのだという説もあるが、それよりも、この芝居をありきたりの牧歌と見るか、もっと複雑な作品と解釈するかは読者や観客のお気に召すまま、という意味にとるほうが当たっていると私は思う。』
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
お気に召すまま
新刊情報をお知らせします。
ウィリアム・シェイクスピア
福田恆存
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
ドリアン・グレイの肖像
黙示録論 ──現代人は愛しうるか
ヴェニスの商人
シェークスピア 恋愛傑作選
芥川龍之介と太宰治
アントニーとクレオパトラ
ウィンザーの陽気な女房たち
試し読み
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲お気に召すまま ページトップヘ