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なぜ「あしか汁」のことを話してはいけないのか
本作は、私・三浦晴海が、急死した大叔父の日記に記された奇妙な単語を調べた際に、実体験したことをまとめた記録です。 作中の資料もすべて、現地に足を運び、時には人の力を借りながら集めました。 しかし残念ながら共に調べてくれた、 大学時代の友人も、快活な大叔父の同級生も、高名な学者の先生も、 全員もうこの世にはいません。 それでも、皆様にはぜひ知ってほしいのです。 私がたどり着いた真相を。「あしか汁」とは何なのかを。 そしてなぜ、こうして「あしか汁」の正体を語ろうと思ったのかを。 私の一生が台無しになった理由を、 どうか無関係と思いながら楽しんでお読みいただければ幸いです。 巻末には、「あしか汁」を調べた元編集者が遺した 最期の日記を掲載しています。 -
令和最恐ホラーセレクション クラガリ
最旬ホラー作家が勢ぞろい! 暗がりから溢れ出し、人を呑み込む〈怪異〉。現代最高峰のホラー作家たちが生み落としたソレはあなたに一生つきまとう――。 背筋×ハイファッションの呪縛、澤村伊智×深夜の客人、梨×「恐怖症」売りの女、コウイチ×地方ロケ、はやせ&クダマツ×怖すぎる心霊物件、栗原ちひろ×セレブ一家の闇…… 究極の6ストーリーズ 【目次】 ○背筋「オシャレ大好き」 ○澤村伊智「鶏」 ○コウイチ「金曜日のミッドナイト」 ○はやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」 ○栗原ちひろ「余った家」 ○梨「恐怖症店」※ ※本書に収録されている「恐怖症店」(梨)は、2025年7月4日に電子書籍オリジナルとして配信された『恐怖症店』と同じ作品です。 -
猫に蹂躙されたい人に贈る25のショートホラー
※猫が怖い思いをする作品は、一つもございません! 猫×ホラーの書き下ろしショートショート集! 愛猫の死後、起きるようになった不思議なこととは(三津田信三「白猫と黒猫」)。 彼女の家の中に、まさか元カノの飼い猫が?(岡崎琢磨「瞳孔」) 社畜の私が、飼い猫と入れ替わった!?(上條一輝「かわりばんこ」) その女は猫を飼っていた“はず”だった(澤村伊智「りこしゃん」)。 祖母の頼みを聞いた私に、その猫はひどく怒って……(神永学「猫の箱」)。 猫の可愛さと怪異の恐怖にひれ伏す、猫×ホラー25作品!! ●執筆陣 岩井志麻子、岡崎琢磨、小田雅久仁、尾八原ジュージ、伽古屋圭市、柏てん、上條一輝、神永学、北原尚彦、貴戸湊太、久真瀬敏也、香坂鮪、佐藤青南、澤村伊智、斜線堂有紀、高里椎奈、高野結史、高橋由太、土屋うさぎ、塔山郁、猫森夏希、林由美子、松下龍之介、三日市零、三津田信三 -
ダブル・ミステリ 月琴亭の殺人/ノンシリアル・キラー
「月琴亭の殺人」数々の不可能犯罪を解決してきた元新聞記者の弁護士・森江春策。彼は幻の映画上映会に招かれ、潮が満ちると孤島と化す地・天眼峡に建つホテル《月琴亭》にやってきた。しかしそこに集った他の四人は、それぞれ異なる理由で何者かに呼び出されたことが判明する。かくしてクローズド・サークルと化した閉鎖空間では殺人が起き……「月琴亭の殺人」ののち、「ノンシリアル・キラー」を経て、物語は怒濤の「解決篇」へ。/「ノンシリアル・キラー」元恋人の磯島健太が死んだ。いい加減なのに憎めない、お腹の子供の父親が──。頼りない恋人を見限って、シングルマザーになるという選択肢を選んだライターの「わたし」は、妊婦が電車内でトラブルに見舞われて急死した事件の取材中に、奇妙な違和感を覚えた。被害者女性の周辺では事故死が相次いでいるのだ。この不気味な事実に着目した「わたし」は調査を進めるが……「ノンシリアル・キラー」ののち、「月琴亭の殺人」を経て、物語は怒濤の「解決篇」へ。あなたはどちらから読みますか?※収録しております「ノンシリアル・キラー」「解決編」は、電子書籍版収録にあたり、紙書籍版と仕様が異なる部分がございます。 -
帯広昭和革命1952
カバーイラスト:安彦良和 戦後の混乱期、北の地の「悪所」で、女たちの革命が起きていた。 1952年冬、北辺の街・帯広で、色街の女たちの反乱が起こる。自らを縛る不法な借金と、そのために身を売る女たち。この不条理に抗って彼女たちは自由のための旗を振った。時は朝鮮戦争のさなか、この女たちの反乱に、様々な立場の男たちの陰謀が絡みつく。「帯広革命都市」宣言。侵攻する北朝鮮特殊部隊を阻止するため、地元の復員兵だった男たちは再び雪原で銃をとる。反乱の末に辿り着いた女たちが見たものは――。 帯広出身の著者が満を持して活写する、「かつてありえたかもしれない」戦後昭和秘史。 ※この作品はフィクションです -
Cloud on the 空き家
幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚で――。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないの―― 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子 -
そのネイルは内緒のときめき
【電子版巻末にはKEKI先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 しがない会社員、月ヶ瀬仁美(つきがせ・ひとみ)。恋愛も仕事もうまくいかず、幼なじみの直樹(なおき)が経営するカフェバー《ランハチ》の二階で現在居候していて、絶賛モラトリアム中。 そんなあるとき、仕事でメンズネイリスト・怜亜(れいあ)に出会い、今まで避けていた爪のおしゃれによって心機一転、ネイルの魅力を知っていく。カフェバーやネイルサロンの仕事、お客さまと関わっていくなかで、自分が本当にやりたいことを考えていく仁美。 やがて、怜亜と直樹との関係も変わってきて……? ネイルを通してときめきを感じる、おしゃれで大人なお仕事恋愛ストーリー! -
ベトベト・メモリー
あの「父殺し」を犯したのは、君なのか僕なのか? 完璧美少年ケイと努力優等生シンのトラウマ劇は奈落に墜ちてゆく。崖っぷちの絶望と嫉妬に縛られた、愛と幻想のブラザーフッド! 「ななな、なんなんだー、こ、こ、これは」 とんでもない妄想と現実がかくも複雑怪奇に絡み合った物語に、読み手は囚われ驚愕する。―東雅夫(文芸評論家) 「天国に行っても私とお母様を見守ってください」 今日も幻聴にうなされる――耳元で囁くのは17才のケイの声だ。十代の頃の懐かしくて香しき、そして忌まわしき記憶が、うらぶれた高校教師・真一郎の意識を支配する。殺しの記憶から怪しい宗教、非合法治療まで、マージナルな想像力で繰り広げられる世にも不思議な脳内アドベンチャー。奇才・芦花公園が鋳造する幻想とリアリティのアマルガム(合金)に、読者は金縛りにされるであろう。 -
仕掛島
岡山の名士が遺した二通の遺言状。一通目の遺言に従って、一族の面々は瀬戸内の孤島・斜島に集められた。行方を晦ましていた怪しげな親族も姿を見せるなか、巨大な球形展望室を有する異形の館・御影荘でもう一通の遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。折しも嵐によって島は外界から隔絶される事態に。館に招かれた私立探偵・小早川隆生と弁護士・矢野沙耶香の二人を奇怪な事件が待ち受ける。鬼面の怪人物の跳梁、密室から消える人影、二十三年前の悲劇――続発する怪事の果てに明らかとなる驚愕の真相は。謎解きの興趣を隅々まで凝らした本格推理長編。/解説=大山誠一郎 -
8番出口
全世界で社会現象になった無限ループゲームを二宮和也主演で実写映画化。 映画公開を前に、監督自ら書き下ろした小説『8番出口』刊行! ゲームクリエイター、KOTAKE CREATE氏によって2023年に制作され、累計180万ダウンロードを記録した世界的大ヒットゲーム「8番出口」。本作をもとにした小説と映画を、この夏、相次いで刊行、公開することとなりました。 小説『8番出口』は、映画の監督と脚本を務めた川村元気氏による書き下ろし。『告白』『悪人』『君の名は。』『怪物』などの企画・プロデュースを始め、自身の小説をみずから監督した『百花』など、数々の世界的ヒット映画を製作。小説家としても35の国と地域で翻訳され累計270万部を突破した『世界から猫が消えたなら』や『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』『私の馬』など話題作を発表。映画と小説で、数々のヒット作を生み出してきた氏による最新作です。 地下通路という閉鎖的な空間のなかで、行くか引き返すかの無限の2択を繰り返すというゲームをもとに、驚嘆さえ覚える深みと広がりでその世界を解釈し物語を生み出した川村氏。人生観、死生観、現代人に共通する罪の意識を、読むもの観るものに深く突きつけます。 「グローバルで闘っていくためには、国籍やジェンダーや人種など、自らのアイデンティティを全部背負ったユニークな作品をつくらねばならない。では自分のアイデンティティは何かと考え、日本というゲーム大国でビデオゲーム世代として生まれ育ったこと、映画人としてずっと携わってきたアニメーション映画の表現、小説家としてのストーリーテリングとテーマ性、この全キャリア・全得意技を投入してみようとチャレンジしました。結果、カンヌ映画祭においても、よく物語のないゲームからあのような物語を創出した、と驚かれ、同時に面白がってもらえました」 映画監督業と並行し執筆された小説は、映画では表現しえない主人公たちの進行形の頭の中、心の動きがすべて描かれ、更には、映画ではカットされたいくつかの【異変】も小説で読むことが出来る、双子のような作品です。 そして、8月29日(金)には、実写映画『8番出口』が全国東宝系で公開されます。主演を務めるのは二宮和也氏。今年のカンヌ国際映画祭では、オフィシャルセレクションに選出され「ミッドナイト・スクリーニング部門」で上映されました。日本での公開に先駆け世界で注目の作品となり、既にアジアやヨーロッパの30以上の国と地域で上映が決定しています。 小説だけでも楽しめ、更に映画を観るとエピソードの裏付けを確認するために再び小説を手に取りたくなる、映画と小説でもループに迷い込むこと必至の極上エンターテインメント作品! 小説『8番出口』【ご案内 Information】 異変を見逃さないこと Do not overlook any anomalies. 映画を先に楽しみたければ、すぐに引き返すこと If you would like to experience the film first, turn back immediately. 小説を先に楽しみたければ、引き返さないこと If you would like to experience the novel first, do not turn back. 小説で明かされる秘密を、決して他人には言わないこと Do not reveal the secret unveiled in the novel. 8番出口から外に出ること Go out from Exit 8. 【著者紹介】川村元気(かわむら・げんき) 1979年横浜生まれ。『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『君の名は。』『怪物』などの映画を製作。2011年に「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年に発表した初小説『世界から猫が消えたなら』は、35の国と地域で翻訳出版され累計270万部を突破。他の著書に小説『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』『私の馬』、対話集『仕事。』『理系。』、翻訳を手がけた『ぼく モグラ キツネ 馬』等。22年、自身の小説を原作として、監督を務めた映画『百花』が公開。同作で第70回サン・セバスティアン国際映画祭「最優秀監督賞」を受賞。25年、監督作『8番出口』が第78回カンヌ国際映画祭正式招待作品に選出された。 公式HP:genkikawamura.com -
雨利終活写真館
遺された謎が解けたとき、涙があふれだす。 巣鴨の路地裏にたたずむ、遺影専門の写真館《雨利写真館》。先月急逝した祖母が撮影されたときの話を聞くために、黒子ハナは写真館を訪れる。奇妙な遺言状を作っていた祖母の真意を知るための、手がかりを求めてのことだった。カメラマンの雨利や経理の夢子の協力で、ハナは祖母の最期の望みに気づく――。 写真館で働き始めたハナはその後、心にわだかまりを抱えた人たちと出合う。不審な転落事故や、意味不明なメモの残る妊婦の写真。様々な謎と向き合いながら、ハナも自分の人生を見つめ直す。日本推理作家協会賞受賞の名手が紡ぐ、希望と再生のミステリ。 -
臨終トーナメント
YouTube登録者数80万人超(2025年6月時点)&動画の総再生回数3億回超。 ホラークリエイターやがみによる、異色の社会派エンタメ小説! 舞台は、とある離島にある超高級老人ホーム「クォールハウス」。 国内最高峰の設備とサービスを誇り、選ばれし人間のみが入居できる楽園だ。 金融業界の帝王、人道支援活動家、巨大宗教の創設者、元国民的アイドルetc. ホームに暮らすのは、さまざまな分野で成功を収めた上級シニアたち。 地位、名誉、金など、あらゆるものを手に入れた彼らが人生最後に求めるもの。 ――それは、完璧な死を迎えること。 誰しもに平等に与えられている「死」という運命。 もし、自身の死に様を意のままにデザインすることができたなら? 人生の終末を賭けた、老人たちの「禁断のレクリエーション」が幕を開ける! 正義や悪だけでは語れない。あなたの倫理観が180度変わる。 人間の“真の幸せ”に迫った、異色の社会派エンタメ小説、ここに誕生! ■出版社からのコメント 処女作『僕の殺人計画』の刊行から2年半。ホラークリエイターとして活躍するやがみさんが2作目に選んだのは、ホラーでもなくミステリーでもなく、社会派小説でした。その背景には、彼の長年の創作活動から生まれた“死生観”があります。舞台に選んだ「老人ホーム」は、彼とはあまりにも縁がない世界。しかし、原稿を読み終えた今。それを伝える手段として、すべてが必然だったと思わざるを得ないのです。彼の新しい挑戦を、ぜひ見届けていただけますと幸いです。 -
荒魂怪談
目をとる 手をとる 命をとる 神の前に 人は虫けらぞ。 圧倒的、畏怖と戦慄 荒ぶる神の祟り 原始の恐怖36怪! 和魂と荒魂。神にはふたつの顔があるが、どちらを前にしても人はひれ伏すのみ。 神は人の理の外にあり、真に恐ろしきは霊や人の生みだす呪いではなく、神仏の怒り=祟りなのかもしれない。 神輿が出る日は農作業をしてはならぬという祭りのルール。破った者は…「禁忌」服部義史 夜の散歩で拾った五十円玉で気まぐれに参拝したお稲荷様。その効果は吉か凶か…「御礼詣」ホームタウン 戦時中、炭焼き小屋の裏に密かに祀った裏靖国神社。その目的とは…「裏の靖国」鷲羽大介 原因不明の体調不良に苦しむ女性に憑いていたのは怒れる犬神。その原因は…「争いの原因」橘百花 3日間連続したある一族の葬儀。親族が抱える妖しい木箱の正体…「願いと箱、そして代償」小田切大輝 山で石を拾ってから体調が悪い女性。友人は石が山神様のものだと言うのだが…「卵石」卯ちり 新しく住職として入った寺に漂う禍々しい気。原因はどこに…「ある僧侶の死」(鶴乃大助) 山道を走るトラックに積まれていた騒がしい檻。中に入っていたのは動くはずもない木造の…「檻の中」斉砂波人 ブラック企業の社長がトイレの傍に祀った祭壇。病んでいく社員はやがて…「邪鬼」渡部正和 山中に落ちていたミニチュアの祠を入れた桐箱。気味が悪くて投げ捨てたのが悪かったのか…「まめがみさま」蛙坂須美 神像集めが趣味の祖母が古物商から手に入れた黒塗りの箱の正体…「正座する人達」つくね乱蔵 大学で肝試しをした学生に起きた異変。神が憑いていると言われる女子学生が見たものは…「Q」幽木武彦 峠の祠の祟り、神社の境内で鳥が死ぬサイン、奇怪な10の怪異譚…「らんしん」黒木あるじ 父方の里の奇妙な風習。祖母の葬儀で恐ろしい真実が…「一緒に暮らさないか?」営業のK 拝み屋のもとに相談に来た母娘。自分たちには神がついていると言うのだが…「ヨモノキさま」(郷内心瞳) ほか、36の神仏恐怖譚! -
妻はりんごを食べない
友達のように仲のいい夫婦に訪れた、突然の「妻の不在」。スマホではこんなにも簡単に「つながる」のに、こんなにも手がかりが無いなんて。そこはどこ? あなたは誰? 不安は、不信になり、不穏へ――。日本を北に南に、夫は”見えない妻”を追う。 40代に入った小川暁生は、妻と二人の生活を気に入っている。 ところがある日、妻が実家に行ったきり、戻ってこない。 京都にある彼女の実家を皮切りに、彼女に縁のある場所を探る暁生だったが、どこへ行っても、彼女は気配だけ残し、姿は無い。 見知らぬこの地で彼女は何をし、どんな顔を見せていたのか? 遠く離れた土地と土地を結ぶ“線”には、どんな秘密があるのか? そもそも彼女は無事なのか? 穏やかすぎる夫婦に突然訪れた、愛のゆらぎの物語。 なにひとつ手がかりのないまま置き去りにされ、僕は、ひとりぼっちで途方に暮れている――。 -
バッドフレンド・ライク・ミー
謎の男が仕掛ける、前代未聞の犯罪劇! 『イッツ・ダ・ボム』で犯罪小説界に新風を吹き込んだ超新星・井上先斗が松本清張賞受賞第一作として世に放つのは、前代未聞の犯罪劇! 「――君は自信が欲しいんだ。 よかろう、与えてやる。 ただし、困難な道のりにはなる」 姫に飛ばれて300万円の借金を抱える元ホストの森有馬。 自信も金もない、しょうもない自分に嫌気が差している。 そんなときに飛び込んできた“うまい話”。 怪しいのはわかっている、それでも。 待ち合わせ場所にいたのは、真っ青なスーツに身を包んだ胡散臭い男だった。 ジンと名乗るその男が有馬に課した「七つの試練」。 こなすたびに数万円の報酬が支払われる。 そして最後の試練を成し遂げたその時、 〈500万円〉と自信が手に入る、らしい。 「必ず、意識をしてほしい。 自分が、いま行っているのは非合法な何かへの助走だと」 果たして有馬は、ジンに課された試練を乗り越え、自信を手に入れることができるのか。 ノワールの新世代が贈る“現代版アラジン”がいま、幕を開ける! -
梓凪子の調査報告書
14歳の少年はなぜ死んだのか? 転落死した甥の死の真相に迫る《元警察官の女性調査員》。 母ひとり、子ひとり。ふたりの幸せを壊したのは―― 《元警察官の著者》が描く、心抉るミステリー。 島田莊司選・ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作、待望の文庫化 14歳の誕生日の二週間後、梓輝也は百貨店屋上から転落死した。梓凪子は葬儀の場で、姉であり輝也の母の未央子から、死の真相を調べてほしいと依頼される。 遺書はないが、警察は自殺と判断していた。因縁を抱え警察を退職し、調査会社で探偵をする凪子は、困難な調査に乗り出す。 訪れたのは、学校という名の“聖域”。 何かを掴みかけたその時、凪子に魔手が迫る――。 -
一撃のお姫さま
恋愛小説の旗手・島本理生の新境地! 他人からはままならない恋愛に思えても、本人たちは案外、その”雑味”を楽しんでいるのかもしれない――。 *5つのちょっと不思議な、新たなる読書体験 「停止する春」 東日本大震災から11年目。会社で毎年行われていた黙とうがなくなった。 それから私は、仕事を休むことにした。代わりに、毎日時間をかけて大根餅を作る。ある日、八角の香る味玉を作り置きした私は、着ていたパジャマの袖口を輪にして戸棚に結び、首を突っ込んだ……。 「最悪よりは平凡」 掃除機をかければインコをうっかり吸い込み窒息死させ、夫が書斎を欲しがれば娘を家から追い出す母に、「妖艶な美しい娘」をイメージして「魔美」と名づけられた私。顔見知りの配達員にはキスされそうになり、年下のバーテンダーには手を握られ、不幸とまでは言い切れないさまざまな嫌気を持て余す。 「God breath you」 女子大でキリスト教を中心に近現代の文学を教える私はある日、ほろ酔いでおでんバーから出たところを若い青年に声をかけられる。彼は、世を騒がせた宗教施設で幹部候補として育てられた宗教二世だった。 「家出の庭」 ある日、義母が家出した。西日に照らされた庭に。青いテントの中で義母はオイルサーディンの缶を開け、赤ワインを飲んで眠る。家出3日目、私はお腹に宿した子が女の子だと知る。 ほか -
不等辺五角形
避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。 -
人形のアルファベット
奪われし者たちの悲鳴がグロテスクに世界を覆う。GRANTA「若手作家ベスト20」選出、英語圏で最も注目を集める作家による、シャーリイ・ジャクスン賞受賞作を含む鮮烈のデビュー作! 肉片が、聞いている――。 ミシン、人形、缶詰、蜘蛛、そして女たち……。 ★シャーリイ・ジャクスン賞受賞(本書収録作「ワクシー」) ★GRANTA「若手作家ベスト20」選出(イギリスの老舗文芸誌「GRANTA」が10年ごとに選出) 雑誌「MONKEY」(スイッチ・パブリッシング刊/「アガタの機械」/柴田元幸訳)や「文藝」(河出書房新社刊/「ネズミの女王」/上田麻由子訳)で話題の著者による鮮烈デビュー作が、ついに刊行! ******** 「既成概念を覆す試み」 ――ウォール・ストリート・ジャーナル 「素晴らしい! 印象深く、しかし、すぐに消えてしまいそうなほど儚いイメージ。グルドーヴァは、美しさを描くための最も難しいテクニックを見事に駆使している」 ――デボラ・レヴィ(『ホットミルク』著者) 「ダークで知的で美しく、絶妙にグロテスクな、グルドーヴァの世界を読む喜び。 ――ヘレン・オイェイェミ(『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』著者) 裂けたストッキングと手縫いのベルベットのドレス。知的なバロック小説であり、完璧かつ大胆、巧妙かつ繊細な傑作。アンジェラ・カーターの正統な後継者であるカミラ・グルドーヴァの、飾り気がなく、それでいて魅惑的な文体を、ぜひ読んで、愛してほしい!真似ごとや作り物ではない、真に奇妙に輝く宝石のような作家だから」 ――ニコラ・バーカー(2007年ブッカー賞最終候補作『Darkmans』著者) 『人形のアルファベット』は、独自の世界を細部に至るまで創り上げている。初めて見る風景なのに、まるでずっとそこにあり、誰かに見つけられることを、そして魅了されることを待っていたかのよう。 ――シーラ・ヘティ(ニューヨーク・マガジン誌2018年ベストブック『Motherhood』著者) ******** 日常をグロテスクに彩る、珠玉の13編! 女たちが自分の身体を、果物の皮をむくようにほどき始めると、本当の身体が出てきて――。(「ほどく」) すべての女の人生の目標は、試験で賞金を稼ぎ子どもも欲しがる男を見つけること。(「ワクシー」) 薄暗い屋根裏のミシンが生み出す幻影たちに、どんどん魅せられてゆく、ふたりの少女。(「アガタの機械」) 女から求められ芸術のミューズである八本脚の男が、ある日美しいミシンと出会い――。(「蜘蛛の手記」) -
ティータイム
【注意】本作は全く優雅ではありません。 まず思いつかない、ぶっ飛んだ設定の奇想文学の集合体です。 「摩訶不思議なる読書旅。その果てに待つのはさらなる絶望、それとも大解放?」 ――万城目学(作家/『八月の御所グラウンド』) ※本作を読まれる皆様へ 本作はデビュー作『百年泥』で芥川賞を受賞した著者による短編集です。 作中に、やたら大人びた兄妹や、インドから脱出できない日本人や、 電車の網ダナの上で生活する女性や、末恐ろしいサンタクロースが登場します。 この奇妙さに、一度吸い込まれてみましょう。 ・・・・・・ちゃんと、戻ってきて下さいね。 なぜか笑えて、どこか怖い。 奇妙奇天烈な小説を4篇収録した、約5年ぶりとなる待望の新作。 【著者略歴】 石井遊佳(いしい・ゆうか) 1963年大阪府枚方市生まれ、埼玉県在住。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。2017年「百年泥」で第49回新潮新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作で第158回芥川龍之介賞を受賞。これまでの著書に『百年泥』『象牛』がある。 -
ポピュリズム
「あなたの一票が、首相を決める」 20XX年、第5回首相直接選挙、開幕! 十数年前から日本に取り入れられた直接民主制。 国会は廃止され、議員は20歳以上の国民からランダムに選ばれる。 首相選に立候補するための条件は「日本国籍を持つ30歳以上の人」で、供託金は1億円。 投票するのは全有権者――。 立候補が見込まれる人物は、女性首相を目指す新日本党の政治家、関西を中心に絶大な人気を誇るTVタレント教授、SNS総フォロワー数800万人以上のインフルエンサーなど。 全国民を巻き込んだ“選挙ショー”の結果はいかに。 社会派小説の旗手が提示する、有り得るかもしれない「未来」。 【著者略歴】 堂場瞬一 どうば・しゅんいち 1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『弾丸メシ』『幻の旗の下に』『デモクラシー』「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。 -
クリスティ書店の事件簿
美しい雪山の書店、ブック・シャレー。故郷に帰ってきたエリーは、姉のメグと看板猫のアガサとともに、ミステリ好きの集うこの書店を切り盛りしている。ある日、山腹と麓をつなぐゴンドラの中で男の刺殺体が発見された。男は死の直前に書店を訪れ、アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』のサイン入り初版本と、不可解なメモ書きを残していた。時を同じくして、店からは従業員の女性が姿を消す。ふたつの事件には関係が? エリーとメグは、ミステリ好きたちの知恵を借りて推理を働かせることに――謎と雪が降り積もる書店が舞台の新シリーズ! -
巫女 配信者シャーマンとハヨンの悪霊事件簿
映像化決定! 『ミリの書斎』2024年ライジングスター作家、イ・サグのホラー・エンターテインメント IT企業で働くハヨンは、隣人の騒音に何日も悩まされていた。精神的に限界を迎えたある日、わらにもすがる思いで人気巫女のサイト「巫女姉さん(ムーダンオンニ)」に助けを求める。すると不思議と状況は好転していくのだが、同時にハヨンは気づいてしまう。超常的な何かの存在が、日常に潜んでいることを。ただし、ハヨンはまだ知らない、自分がそれに巻き込まれ行くことを……。 寡黙で美しく、やや金に汚い巫女姉さん(ムーダンオンニ)と、 理不尽に愛された小心者ハヨンが悪霊に立ち向かう11の物語り開幕。 【目次】 episode1 隣人騒音解決の護符 episode2 上司の悪霊退治の護符 episode3 たこ焼き商売繁盛の護符 digression1 キム主任の青春時代 episode4 巫女うさぎ商売繁盛の護符 episode5 イケメン俳優と恋愛成就の護符<brdigression2 私のお姉ちゃん観察記 episode6 クリスマスイブに退職成功の護符 digression3 巫女のクリスマス episode7 アスリート大願成就の護符 episode8 悪霊退治の護符 エピローグ -
疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション
狂気と享楽の世界に耽溺する―― 10の名作が誘う、底なし沼へようこそ (あらすじ) 山上の神社へ肝試しに訪れた、美しい少年士官が出逢った不可思議な出来事とは。(泉鏡花「妙の宮」) 病気療養中の少女には、女学園の後輩であり恋人の少女がいた。ある日、恋人が密室殺人事件に巻き込まれ——。(小栗虫太郎「方子と末起」) 下宿先の住人は皆奇妙な行動をする。(坂口安吾「蝉 あるミザントロープの話―」) 10名の文豪の名作が集った、耽美と幻想の世界に溺れる一冊。 <収録作品> 江戸川乱歩「鏡地獄」/谷崎潤一郎「人魚の嘆き」/小栗虫太郎「方子と末起」/泉鏡花「妙の宮」/木下杢太郎「少年の死」/坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」/夢野久作「死後の恋」/芥川龍之介「疑惑」/小川未明「百合の花」/中島敦「文字禍」 -
ロストワールド
バブルの寵児ともてはやされた不動産王の夫と八年前に離婚し、現在は脚本家として働く沢野瑞枝。 夫はバブル崩壊後にすべてを失い、失踪してしまったため、一人娘・日花里の養育費も払われないままだった。 あるとき、年下のプロデューサーの奥脇から、瑞枝自身をモデルに「バブル期をドラマに描かないか」という依頼を受ける。 夫との出会いや結婚生活など、自らを切り売りするようなオファーに躊躇っていた瑞枝だが、娘からの励ましを受けて仕事に挑み始める。 執筆中に当時のことを振り返る中で、ずっと会っていなかった元夫の影が現れ、離婚以来音信不通だった夫の親友と再会し、 さらには自身のドラマに出演する人気俳優が接近してきて…。 一人の女性、そして家族の再生を描く傑作長編! -
ペネロピアド 女たちのオデュッセイア
ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。 オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。 その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。 『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作! 解説・小川公代 ★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子 -
新しい法律ができた
何がどうしてそうなった? 1行目は全員一緒、できた新法25本! 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』『だから捨ててと言ったのに』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第五弾。 著者一覧(掲載順) 金子玲介 日野瑛太郎 朱野帰子 阿部智里 真下みこと 須藤古都離 嶋戸悠祐 多崎 礼 風森章羽 名倉編 真梨幸子 東川篤哉 霜月流 矢樹純 高田崇史 潮谷 験 献鹿狸太朗 高田大介 大沼紀子 矢部嵩 柾木政宗 くどうれいん 白井智之 赤川次郎 五十嵐律人 -
巨鳥の影
心の不思議にせまる長岡ミステリーの醍醐味! 窮地に陥った時、人は何をするのか? ーー長岡弘樹が紡ぎ出す短編には、考え抜かれ、磨き上げられた短さのなかに奥深さがある。ーー宇田川拓也(ときわ書房本店) 生活のなかで、ふとした心の隙間に忍び込む殺意や悪意が、蟻や、鳥、魚、犬、プラナリアなど、さまざまな生物と絡んで事件が発生する。 のぞきや、泥棒、殺人など、犯罪の背後にあるドラマを描き、謎解きだけではないミステリーの魅力を放つ。 その根底には温かなまなざしと伏線のしかけがめぐらされている。 心の揺れや、ゆがみが引き起こす犯罪&どんでん返しの妙を堪能する8篇の極上ミステリー。 仕事中の刑事が給油に立ち寄ったガソリンスタンドで、勤務していたのは外国人だった。そのとき、聞き慣れない鳥の鳴き声がした。 ある盗難事件の捜査過程で、その外国人従業員の友人が浮かんだ。彼は逮捕されたが、違和感が残る。その後、真犯人が判明したが……。(「巨鳥の影」) 語り手は新米刑事・空き巣男を女教師が正当防衛で殺人という通報。 侵入犯は教え子の父親だったと判明。小さなやせた息子に掃き出し口からしのびこませ、鍵をあけて泥棒していたという。父親は、息子をガリガリの状態のままにするため、食べさせず、虐待していた。 自宅に侵入された担任教師は犯人の父親をゴルフクラブで殴って殺した。盗犯等防止法が適用され、不起訴という判決が出た。その後、孤児となったその子の行く末は……。(「死んでもいい人なんて」) 隣室のキャバ嬢の部屋にそっと忍び込む。ときどき鍵をかけ忘れると知っている。 内気な学生のペットは蟻だけ。柑橘系の彼女の香りを吸い込む。 そのとき大きな地震が起き、彼女が戻ってきた。そして蟻をペットに借りたいと彼女が訪れて…。(「水無月の蟻」) 医者の父から教わったのは、ホワイトボードマーカーで手鏡に描かれた魚が水に浮くということだった。それが思いがけぬ破滅を生んで……。(「鏡面の魚」) 他、ミステリ短編の醍醐味を堪能する4篇収録。 -
母の旅立ち
【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 「わたし、死なないから」えっ? いまなんて言った?ーー看取りのプロ医の次女のもと、四姉妹+父で母を送ったドタバタ記 「わたし、死なないから」えっ? いまなんて言った?ーー底抜けに明るいがトラブルメーカーの母に残された時間はあと1ヶ月。看取りのプロ医の次女による仕切りのもと、母を在宅で看取り、家族葬で送ることになった。母にいちばん迷惑をかけられながらも心優しき長女、気が強く明晰な次女、行動派の三女、作家である四女の「わたし」、そしてほぼ戦力外の父が一致団結。喧嘩したり、泣いたり、笑ったりした、「その日」を迎えるまでの20日間を描く実話。終わりよければすべてよし。死は人生最大の禊である。 著・文・その他:尾崎英子 作家。1978年、大阪府生まれ。2013年『小さいおじさん』(文藝春秋、のちにKADOKAWAより『私たちの願いは、いつも。』として文庫化)で、第15回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。著書に『ホテルメドゥーサ』(KADOKAWA)、『有村家のその日まで』『竜になれ、馬になれ』『たこせんと蜻蛉玉』(以上、光文社)他。近年は10代から楽しめる作品にも執筆の幅を広げ『きみの鐘が鳴る』『学校に行かない僕の学校』(ポプラ社)他。2024年、『きみの鐘が鳴る』で、うつのみやこども賞受賞。 -
こうしてぼくはスパイになった
1944年2月、ナチス・ドイツの空襲がつづいているロンドン。13歳のバーティは空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係としてはじめての任務のため、街へ飛びだしていった。自転車のかごにのっている相棒は、救助犬のリトル・ルーだ。大あわてで自転車をこいでいたバーティは、女の子にぶつかってふたりとも転んでしまった。女の子が立ち去ったあと、バーティは通りで一冊のノートを拾う。それは秘密諜報員になるための訓練を受けた女性のもので、文章の後半は暗号になっていた。ノートを道に落としていったアメリカ人の少女エレノアに再会したバーティは、ノートを書いたフランス人女性・ヴィオレットが行方不明になったと知る。彼女を探すため、エレノアと探偵志望の友だち・デイヴィッドといっしょに、ノートの暗号の解読に取り組むが……。数々の文学賞に輝いた児童文学作家が贈る、子どもたちの勇気と謎解きを描くミステリ! -
ヤシキガミ団地調査録
幼いころにオカルト雑誌のライターだった父親が失踪したことをきっかけに、安定した職業である公務員を志す青年・守屋亨(もりやとおる)。念願叶って新宿区役所職員としての初日を迎えるも、配属された先はオカルトを扱う非公式の部署だった。 子供が失踪するマンション、火の気のない屋上で焼死体が相次いで発見されるアパート、孤独死ゼロを謳う奇妙なタワマン…… 守屋は“ヤシキガミ団地”と呼ばれる曰く付き物件の調査をすすめるなかで、土地を鎮める“地免師”を名乗る男・納戸(なんど)に出会う。事実解明に奔走する2人だが、架空の建築会社がヤシキガミ団地の着工に携わっていることが分かり…。 『領怪神犯』木古おうみが贈る、バディホラーシリーズ開幕! -
珈琲怪談
なんか、怖い話ない? 異界が覗き、怪異の似合う古い街。 男たちが喫茶店に集ってすること、とは――。 男子会で、ホラーをダベる。京都、横浜、東京、神戸、大阪、再びの京都――。なぜ多忙な四人の男たち(外科医、検事、作曲家、音楽プロデューサー)は、わざわざ遠出して喫茶店を何軒もハシゴしながら、怪談を披露し合うのか――。そして、いつも茫洋としているが、気づくとなにか肝心なことをぼそっと呟く塚崎多聞とは誰なのか? ホラー小説家としてデビュー(『六番目の小夜子』)した著者による、深煎りネルドリップ、男子ホラーはいかが? 奇妙な味がじわじわ恐い(ほぼ実話)全6編。 -
後宮の悪妃と呼ばれた女
簫蘭の帝都・簫京の玄玲帝の皇宮へ輿入れした美しい王女達の中に、砂漠の小国・佳南のカディナ王女は従者と共にいた。だが王女にとって簫蘭は一年前に攻め入られ、父と兄を連れ去られた因縁の国。皇太子妃として皇宮入りし、帝に謁見して彼女が嗜む観相学で凶相を見て以来、簫蘭の波乱をも予感していた。ある夜、カディナは奴婢の泯美の殺人未遂現場に遭遇し、顔相の素晴らしさから助けるも翌日、春鈴淑妃の毒殺遺体が発見されて… -
奇術師の幻影
北欧ミステリの女王、渾身のドンデン返し まさかこんな結末が待っているとは ――池上冬樹氏(本書解説より) 北欧ミステリーの女王+スウェーデン最高のメンタリスト。 最強タッグで贈る警察ミステリー、誰も予想しなかった 驚愕のラストを迎える。 地下鉄トンネル内で発見された白骨の山。やがて連続殺人だと判明した事件は、法務大臣の失踪へと予想を超える大事件へと発展した。ストックホルム警察特捜班が奔走する中、たびたび犯罪捜査に関わってきたメンタリスト、ヴィンセントのもとにはパズルめいた挑戦状が頻々と届き、彼の過去を暴こうとする……。 特捜班の刑事ミーナと、ヴィンセント。それぞれを巻き込む事件は、いずれもクリスマスをデッドラインとしていた。聖夜にいったいどんな惨劇が演じられるというのか? 事件捜査のスリルに、個性あふれる刑事たちの物語をよりあわせる警察ミステリー、最後の最後に明かされる驚愕の真相。 「すでに一作目から作者たちは、大どんでん返しの伏線をはっていたことになる(本書解説より)」。 -
長くなった夜を、
コールセンターで派遣社員として働く関本環。両親はともに高校教師で、環は幼いころから厳格な父親の教えに従い生きてきて、38歳になった現在も夜9時の門限を守っている。そんな環とは対照的に、両親に反発し自由奔放な妹の由梨は、離婚した夫との間に公彦という男児がおり、実家に戻ってパートとバイトを掛け持ちしながら暮らしている。環はそんな妹に代わり、公彦の世話をしているうち、居なくてはならないかけがえのない存在になっていた。そんな時、由梨は両親と決別し、実家を出てマンションで暮らし始める。公彦の様子が気になり、両親が寝静まった後、毎夜のように妹のマンションを見に行く環だったが、由梨が公彦を置いて男と出かけ行くのを目撃してしまう。心配の果てに、環は以前父が放った「ある言葉」に突き動かされ、突発的な行動に出てしまい――。家族というコミュニティーが抱える闇を露わにした問題作。 【著者略歴】 中西智佐乃(なかにし・ちさの) 1985年、大阪府生まれ、大阪府在住。同志社大学文学部卒業。2019年、「尾を喰う蛇」で第51回新潮新人賞を受賞。著書に『狭間の者たちへ』がある。 -
死体の汁を啜れ
この街では、 なぜか人がよく殺される。 ならず者たちが謎を追う!! ミステリ・ランキングを席巻する 鬼才が贈る、前代未聞の死体パズラー! 豚の頭をかぶった死体、 死体の腹の中の死体…… この街では、なぜか人がよく殺される。 殺人事件の発生率は南アフリカのケープタウンと同じくらい。 そんな牟黒市で見つかる一風変わった死体の謎を追うのは、 文字の読めないミステリ作家、深夜ラジオ好きのやくざ、 詐欺師まがいの女子高生、事件を隠蔽してばかりの刑事。 ミステリ・ランキングを席巻する 鬼才が贈る死体大博覧会【EXPO】、開幕!!! 解説/東川篤哉 【目次】 前日譚 豚の顔をした死体 何もない死体 血を抜かれた死体 膨れた死体と萎んだ死体 折り畳まれた死体 屋上で溺れた死体 死体の中の死体 生きている死体 後日譚 解説 『死体の汁を啜れ』を削れ 東川篤哉 -
悪意の日本史
悪意で読み解く日本の裏面史 SNSによる誹謗中傷事件が、連日ニュースを賑わせている。 これらは「現代病」として取り上げられるが、日本の歴史を振り返れば、 決して今に始まったものではない。 勝者によって書かれる『日本書紀』などの歴史書では、 戦や権力闘争に敗れた相手は、醜く惨めに描かれることが定めのみならず、 道鏡事件における称徳天皇のように、女性への性的な誹謗中傷も古来行なわれてきた。 本書は、古典や歴史書に記された事実から人間の悪意を読み解き、 その裏にある共通点や現代に通ずる歪んだ正義感を読み解くもの。 自らもいわれなき炎上を体験した著者だからこそ書ける、日本人の本質。 [目次] はじめに 昔からあった匿名掲示板的誹謗中傷 1 悪意極まれば人間扱いしない―容貌描写と悪意 2 悪意をうたう古代歌謡 3 古代の大罪、呪詛 4 嘘の告発と悪意 5 公正であるはずの歴史書に秘められた悪意 6 言霊が信じられていた古代なればの罰としての改名 7 弱者へ向けられる悪意、強者へ向けられる悪意 8「悪霊」化の瞬間 9 女性蔑視と悪意 10 中世の大罪・悪口 11 近世の悪口祭と、古代の大祓 12「普通の人」がよそ者へ向ける悪意 13 悪意を利用した支配 14 家族の中の悪意――日本版シンデレラ『落窪物語』の場合 15 七代祟る――一定の家筋への悪意 16 まじないとわらべ歌の悪意 17 悪意をぶつけられた歴史上の人物 おわりに 正義に見せかけた悪意の怖さと、悪意の自覚の大切さ -
京王沿線怪談
京王線×井の頭線 東京・多摩に広がる街の怖い話 東京都下を縦横に結ぶ京王電鉄沿線の街で語り継がれる不思議や怪奇を多数収録したローカルご当地怪談集。 ・朝方の激しいノック、消える老婆など怪異が頻発する異様な物件「笹塚のマンション」 ・遺跡からの出土遺物保管庫で人知れずおこなわれている仕事と恐怖「府中のミイラ」 ・怪女!杉並や中野に出没していた都市伝説が京王沿線にも…「調布の赤い女」 ・渋谷駅東口に建つとある高層ビルにて、異様な風体の男を目撃するも…「ビルの谷間から」 ・町田街道沿いの葦茂る高尾の沼で目撃した戦慄の女の正体とは…「沼の女」 ・千歳烏山のとある郵便局でバイト中に目撃した銃痕だらけの男の霊「烏山」 ・多摩センター付近の某所にある、事故や事件が異常発生する曰くつきの忌み地「耕せない土地」 ・池の畔を歩いていると、不思議な女性と出会い…。不思議あふれる吉祥寺の名所「井の頭池の女」 ・人ならぬ異形が彷徨う聖蹟桜ヶ丘の川原「大栗川にいたもの」「多摩川にいたもの」 ・初台の住宅街から迷い込んだ古い洋館が建つ緑色の歪な異空間「渋谷区緑町」 ・明大前の某大学にある学生会館の舞台袖。その闇に潜む存在しないはずの者「上手の人」 ・南大沢のとある集合住宅で多発する怪奇現象の数々「団地の日々」 ・新宿三丁目駅を境に時空がループする奇妙すぎる体験談「三丁目の三怪」 ・橋本から国道16号を走行中、緑色に光る謎の飛行物体が…「とびだし注意」 ・八王子の山中で首吊り死体を発見した男性の身に起きた戦慄の出来事「あのー」 ――など、新宿を起点に多摩地域を横断する京王線を中心に、相模原線や井の頭線など京王電鉄沿いに広がる街々に埋もれた怪異譚を怪談作家ふたりが綴る! -
あやかし帝都の癒しの花嫁
少女は癒しを与え、青年は剣を取る。形だけの婚姻から始まる、和風シンデレラストーリー。 相馬家の長女・澪は家族で唯一異能を持たず、家族から蔑まれて生きてきた。 そんな時突然、秋月公爵家当主・暁斗から、形だけの花嫁として澪を迎えると伝えられる。 彼は顔を覆う傷と失明した片目を隠すため、仮面をかぶって暮らしているという。 一緒に暮らすうちに、2人の距離は少しずつ近づいていく。 ある日、澪はあやかしに負わされた傷を治す、癒しの力を持っていることに気づき――。 4月13日生まれ。「江戸の花魁と入れ替わったので、花街の頂点を目指してみる」シリーズ(富士見L文庫)にて第5回カクヨムWeb小説コンテスト キャラクター文芸部門大賞を受賞しデビュー。著書に『あやかし乙女のご縁組~神託から始まる契約結婚~』(集英社オレンジ文庫)などがある。 -
ようこそ瑕疵ある世界へ
謎の怪奇事件に巻き込まれる学生たち。 変わり者の心理士が真相に迫る「臨床心理学×ホラーミステリー」 ――僕、怪異譚は好きだけど、 臨床の現場に出ているときはすべてを信じないよ。 なんとしてでも理屈をつける。 科学に基づかない医療は危険でしかないからね。 星森大学心理学部臨床心理学科の教員、佐伯翼。 趣味で怪談を蒐集する変わり者。 佐伯ゼミの学生である多度結良と沖山修一が、 謎に満ちた怪異事件に次々と巻き込まれ……。 心理学の知識とカウンセラーの観察眼で、不可思議な事件の謎を看破する。 結良はボランティアで参加した施設で「山で幽霊を見た」という 女子高生と出会う。女子高生の心の傷、 そして“幽霊”の正体とは?(――秘密) 「毎晩この部屋で亡くなったおばあさんが現れる」と怯え、 引きこもりになっている大学生。 “心理的瑕疵物件”であるその部屋には すべてを覆す「嘘」が隠されていた。(――優しい嘘) 7つの連作短編、 そして最後に明かされる恐怖とは――。 現役の大学教員であり、怪談蒐集家が描く 臨床心理学×ホラーミステリー、ここに開幕! -
迷子宮女は龍の御子のお気に入り
第7回カクヨムWeb小説コンテスト、〈恋愛部門〉特別賞受賞の新・後宮恋愛ファンタジー! 失踪した姉を捜すため、龍華国後宮の宮女となった鈴花。ある日彼女は、銀の光を纏う美貌の青年・コウレン(※)と出会う。官正として働く彼の正体は、皇位継承権――《龍》を喚ぶ力を持つ唯一の皇族だった! そんな事実はつゆ知らず、とある能力を認められた鈴花はコウレンの側仕えに抜擢。後宮を騒がす宮女殺し事件の犯人探しを手伝うことに。後宮一の人気者なのになぜか自分のことばかり可愛がる彼に振り回されつつ、無事に鈴花は後宮の闇を暴けるのか!? ラブロマンス×後宮ファンタジー、開幕! 【登場人物】 ・鈴花(りんか) 人の纏う「色」が視える不思議な目の持ち主。 健気で努力家だが方向音痴が悩みの種。 ・コウレン 皇位継承権を持つ絶世の美青年。しかし現皇帝との関係は微妙なようで……。 心優しい鈴花に次第に惹かれていく。 ※コウレン:「王へんに光」「王へんに連」 -
馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
昭和36年のテレビ草創期、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ミュージカル仕立て、生放送のミステリドラマの脚本を手がけることになった風早勝利。四苦八苦しながら脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。アクシデントを乗り切り、さあフィナーレという最中に主演女優が刺殺体となって発見された。現場は衆人環視下の放送中のスタジオ。駆け出しミステリ作家・風早と那珂一兵が、テレビ局内の殺人事件の謎解きに挑む。『深夜の博覧会』『たかが殺人じゃないか』に続く、“昭和ミステリ”シリーズ完結篇。/解説=小山正 -
みしらぬ国戦争
国名も位置も分からない未確認隣接国家〈UNC〉の侵略で、「交戦状態」となったこの国。2年間続く戦争に人々は飽き飽きし、数字だけで伝えられる戦況を他人事のように感じていた。海岸の漂着物を確認するという徴集業務に従事するユイも、そんな「日常」を送る1人。ユイの目的はただ1つ、両親の形見に刻まれた謎の文字を解明し、幼い頃失った記憶を取り戻すことだ。その文字の記された漂着物を拾い集める男性、文字と同じ言語の歌を歌う少女らと交流を深めながら、その秘密に迫ろうとするユイだったが――。 みしらぬ敵、みしらぬ文字、みしらぬ歌、みしらぬ戦争。全てが繋がるとき明らかになる、戦争の“真実”とは? -
あらごと、わごと
【呪師とは、常人にはない異能を持って、古来、魔と戦ってきた者たちである】二人の宿命の子が、汝を討つ! 汝、その定めからは逃れられぬ――血まみれの老呪師は、いまわの際に魔王・藤原千方に言い放ったという。「それが、あらごと、わごとのことと千方は信じておる」苦難の果てにようやく出会えた名呪師の姥の言葉に、あらごとは打ちのめされた。そんな思い込みで父母が殺され、村が滅ぼされ、二人は追われつづけるのか。だがこの先、十五もの通力を持つ魔王と戦うには、“生大刀”“火鼠の皮衣”など各地に散らばる四つの宝の力を借りなければならぬ――姥の教えにより、姉妹の秘宝探しの旅が始まる。それは魔王との凄絶な争奪戦にして最終戦の始まりでもあった! 圧巻平安ダーク・ファンタジー。 -
名探偵と海の悪魔
青崎有吾さん絶賛! 大スペクタクル本格ミステリ! 日本推理作家協会賞 翻訳部門最終候補 英国推理作家協会スチール・ダガー賞候補 英国歴史作家協会ゴールド・クラウン賞候補 「このミステリーがすごい!」第4位 「週刊文春ミステリーベスト10」第6位 「本格ミステリ・ベスト10」第6位 呪われた帆船で連続する怪事件は悪魔の仕業か? 海洋冒険+怪奇小説+不可能犯罪。あまりに面白すぎる本格ミステリ巨編! 時は17世紀、 大海原を進む帆船で起こる怪事件。 囚われの名探偵に代わり、屈強な助手と貴婦人が謎を追う。 すべては悪魔の呪いか、あるいは――? 単行本 2022年2月 文藝春秋刊 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
超人計画インフィニティ
「我は人間にその存在の意義を教えむとす。即ちそは超人なり、人間の黒き雲より来る雷光なり。」フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラ』(生田長江訳/新潮社) 二十年前、「超人」という光を目指し、孤独と虚無に満ちた引きこもり生活の中で、妄想と哲学を武器に闘った。中年を迎えた著者は再びその旅路を歩み始める。老い、貧困、そして現実の荒野を越え、真の「超人」として生きるとは何か? 中年男性よ、君たちはどこへゆく。僕のゆく道は「超人ロード」だ! 「くっ・・・・・・ダメだ。こんなスペックでは、マッチングアプリではとても戦うことができない!」 人間世界の事情に疎い脳内彼女に、俺は説明してやった。 確かに年収百万超は、俺の感覚ではかなり立派であると感じられる。だがこの人間社会では、年収百万では尊敬されないのだ。 また俺は、自分の身長がちょうどいいサイズ感であると思っている。だが一説によると、この身長の男には人権がないとされていた。 また俺の人生で誇れる数少ないことの中には、高校卒業がある。何年も登校して昼の三時過ぎまで椅子に座るという苦行を、弱冠十八歳の俺は、見事に最後までやり遂げたのだ。だが、誰もそのことを褒めてくれない。 それゆえ俺のスペックをマッチングアプリのプロフィールに書いても、それは負け戦の始まりであり、むしろ俺の存在価値をただめちゃくちゃに毀損されるだけに終わるのだ。 「しかも俺は四十を超えてて頭も禿げてるんだ! このエイジズムとルッキズムに支配された悪の世界では、俺は戦う前から敗者なんだよ!」 「そ、そんな・・・・・・だとしたら滝本さんはもう一生、恋愛ができないじゃない!」 「ああ、その通りだ! 恋愛なんてもういいんだよ・・・・・・」 「た、たいへん! 恋愛から撤退した中年男性は、すぐにセルフネグレクトに陥ってしまうらしいわよ!」 「別にいいんだ。レイ、お前がいてくれるから・・・・・・いつの日か、このアパートの布団の染みになるまで、お前とこうして適当な話をしていられれば、それで俺は幸せなんだ・・・・・・」 ――本文より -
追跡
謎が謎を呼ぶノンストップサスペンス 東京都武蔵野市で住宅一棟が焼ける火災が発生。 焼け跡からは、その家に住む志村潔(69)とその息子夫婦と見られる 男女三人の遺体が見つかる。単なる住宅火災に見えたが、 夫婦と見られる遺体の死因は焼死ではなく、 刺されたことによる失血死であった。 しかも現場からは、この夫婦の子供と見られる小学生が消えていた。 さらには、志村の経歴をたどると、“息子”がいた形跡がない。 一体この火事で死んでいたのは何者だったのか? 警察が捜査をに乗り出すのと軌を一にして、 地下組織『I』の作業員の樋口にもある指令が下される。 不可解な火災、血の繋がりのない“家族”、消えた子供の行方…… エンタテインメントを追求した、究極のノンストップサスペンス。 -
魔城の林檎
禁断の果実が、親友を消した。 幼い頃からの親友を追って大手美容会社マルムに就職した神楽七星。しかし彼女は二週間前に退社扱いとなり姿を消していた。「彼女は死んじゃいない。私は絶対に諦めない」。七星は親友を見つけるため、彼女が恋をしていた人物を捜す。しかし見えてきたのは予想外の真実だった。特別な林檎を使った化粧品で業界のスターダムに躍り出たマルムの、絶対に外に知られてはならない黒い秘密。やがて七星は日本中を震撼させるような暗い渦に巻き込まれていく。 「ビストロ三軒亭」「神楽坂つきみ茶屋」などのシリーズを手掛けてきた著者初の単行本。 斎藤千輪は、シスターフッドも絶品!
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