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19世紀末.赤ん坊のころに難破船から助け出されたソフィーは,学者のチャールズに育てられた.ロンドンで12歳になった彼女は,母の記憶と形見のチェロケースを手がかりに,パリへ.そこで屋根の上を住処とする子どもたちと出会って…….仏ソルシエール賞ほか受賞多数.切ないほどの愛と勇気を,音楽がいろどる冒険物語.
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Posted by ブクログ
裏社会に通じている子どもたちと共闘して横暴な大人に立ち向かっていく話はディストピアものなどによくあるけど、こちらは19世紀末のロンドンとパリが舞台。子どもの個性なんか尊重されず(というか、そもそもそんなものがあるとも思われておらず)大人にとって便利なように生きさせられるという意味では、やはりそこにも...続きを読むディストピアがあったのかもしれない。 この物語は、魔法は出てこないけど一種のファンタジーでもあって、屋根の上をひたすら渡り歩いていくのでなんかずっとヒヤヒヤしながら読んでいたけど、そういう意味で冒険心のようなものは満たされたかな。でも、最後、チャールズはどうなるとか、マテオをはじめとするRooftoppers はどうなる、という疑問は残したままおわりました。
お役所的には「不合格」でも、ソフィーに生きる力がしっかり備わっていたからこそ、屋根の上の子たちとも渡り合えたのだし、あの幸せな結末にたどり着けたのだと思う。だからチャールズの子育ては間違ってなかったんだな。
沈没した豪華客船から救出された赤ちゃんのソフィーは、イギリス人のチャールズの元で愛情たっぷりに、自由にすくすくと育っていた。それなのに、お役所から来た人たちはチャールズに女の子を育てることは出来ないと決めつけ、ソフィーとチャールズを引き離そうとする。そんな中、ソフィーの母親の手がかりが見つかり、ふた...続きを読むりは役所の手を逃れてパリへと向かう。パリで出会った屋根の上で暮らす少年少女たちの助けるを借り、ソフィーは母親の手がかりを求めて警察署の中に忍び込む。 イギリスでの愛情あふれるふたりの生活がとても素敵。芯があり、でもどこか世間から外れたチャールズがとても魅力的だ。チャールズに対する絶対的な信頼があるから、ソフィーは自由に屋根の上を走れるのだと思う。なぜ豪華客船の事件が隠されていたのかなど、謎が残っているのが気になる。
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