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謎の怪奇事件に巻き込まれる学生たち。
変わり者の心理士が真相に迫る「臨床心理学×ホラーミステリー」
――僕、怪異譚は好きだけど、
臨床の現場に出ているときはすべてを信じないよ。
なんとしてでも理屈をつける。
科学に基づかない医療は危険でしかないからね。
星森大学心理学部臨床心理学科の教員、佐伯翼。
趣味で怪談を蒐集する変わり者。
佐伯ゼミの学生である多度結良と沖山修一が、
謎に満ちた怪異事件に次々と巻き込まれ……。
心理学の知識とカウンセラーの観察眼で、不可思議な事件の謎を看破する。
結良はボランティアで参加した施設で「山で幽霊を見た」という
女子高生と出会う。女子高生の心の傷、
そして“幽霊”の正体とは?(――秘密)
「毎晩この部屋で亡くなったおばあさんが現れる」と怯え、
引きこもりになっている大学生。
“心理的瑕疵物件”であるその部屋には
すべてを覆す「嘘」が隠されていた。(――優しい嘘)
7つの連作短編、
そして最後に明かされる恐怖とは――。
現役の大学教員であり、怪談蒐集家が描く
臨床心理学×ホラーミステリー、ここに開幕!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
2026.02.23
島田秀平さんの『お怪談巡り』で佐伯つばささんを知った。
「臨床心理士 x 怪異現象」という新しいジャンル。「怪異は心理的なもの」という、いわば「科学で説明できないものはない」という話かと思いきや。
実際「心の問題」で片付けられることもあるかもしれないなと、この本を読んで改めて思った。同時に「説明のつかない事象もあり得る」ことも強く理解。
短編集で、登場人物像も分かりやすくて、読みやすかった。全て実話に基づいていて、いわゆるオチのない話なだけに「ナニソレ」という意味でゾクっとした。
私も、夕焼けをじっと見ていてふっと周りの音が消える経験をしたことがある。「夕焼け恐怖症」は、何となく分かる。
Posted by ブクログ
怪談イベントにも出演する臨床心理士・佐伯つばさ先生の初著書。2025年作品。
実話怪談本ではなく、実話怪談を元にしたミステリー仕立ての短編小説集です。
大学で臨床心理学を研究する佐伯翼助教授が、佐伯ゼミに所属する沖山修一と多度結良という男女2人の学生が持ち込む怪異の謎解きをするという全7編の連作短編集になっています。
全体的に「虚偽記憶」というものが縦軸のテーマとしてある気がします。
オカルト的怪異と、人間心理の不可解さと、二重の不思議が楽しめますが、人間心理の不思議でオチがついた話が、結局は人間心理では片付けられない、という大オチになるのは、こちらの心理も操られているかのような不思議な読後感があります。
登場人物のキャラクターが薄すぎる、とか、セリフが話し言葉として不自然、とか、小説として読むにはマイナスポイントはありますが、ラスト2編で修一と結良の過去の記憶に関わる体験談と、直後のエピローグとの、読者の記憶さえ疑わせる構成の見事さは、小説としての瑕疵を補って余りあるものでした。
Posted by ブクログ
臨床心理学とホラーミステリーが融合した、全7話の連作短編。なんと実話がベースになっているという事実に驚かされた。
物語の中心となるのは、大学の臨床心理学科に所属する佐伯教授と、そのゼミ生2人。彼らは心霊や怪異とされる現象に対して、心理面接によるアプローチと現場調査の両面からアプローチし、その謎を解き明かしていく。
作中で描かれるのは、過去の事件や事故などの心理的トラウマによって形成される「瑕疵(かし)」という概念だ。
登場人物たちは皆、胸の奥にそれぞれの「瑕疵」を抱えて生きている。誰もが完璧ではなく、過去の傷や後悔、人には伝わりにくい葛藤を抱えているからこそ、人を単純な善悪だけで判断してはいけないのだと強く実感させられた。一見すると理解しがたい奇異な行動も、その背景にある「心」に触れることでガラリと見え方が変わる。人間の心理が持つ複雑さと繊細さが実に丁寧に描かれた、味わい深い傑作だった。
Posted by ブクログ
著者の佐伯翼さん自身が、臨床心理士である主人公佐伯として展開する7つの短辺からなる話。心理学的な視点から怪奇現象や人間の心の闇に迫る内容となっており、各物語では、現実と幻想の境界が曖昧になるような不思議な出来事が描かれ、読者を不穏で不安感を煽る独特な世界観へと誘う。
佐伯の教え子であるゼミ生の結良と修一は様々な怪奇事件に巻き込まれていく。二人の話を聞き、また行動を共にし、佐伯が心理学的なアプローチを用いて不可解な事件を解明していく過程が描かれており、最後の章では思いもよらない展開が待っており、ただの不思議な物語というだけでは終わらなかったところにいい意味で裏切られた。物語の中で、人間の心の奥深さや、社会に潜む「瑕疵(かし)」について考えさせられる内容となっており、また各エピソードは実際に起こった出来事を基として書かれているところも更に引き込まれていく魅力だと思う。
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