駒田隼也の作品一覧

「駒田隼也」の「鳥の夢の場合」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 鳥の夢の場合
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    デビュー作にして、第173回芥川賞候補作! 第68回群像新人文学賞受賞作! 「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」彼の胸に耳を当てた。するとたしかに心臓が止まっていた――。シェアハウスに住まう二人と一羽の文鳥。一つ屋根の下、同居人の蓮見から初瀬にもたらされた、気軽で不穏な頼み事。夢と現、過去と現在、生と死。あちらとこちらを隔てる川を見つめながら、「わたし」が決断するまでの五十五日。

ユーザーレビュー

  • 鳥の夢の場合

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    生と死、現実と非現実。
    そういうものが曖昧に混ざり合っていくような感じがした。

    文章の中で一人称と三人称が混ざる箇所があり、始めは読みづらかったが、次第にその人物との境目が分からなくなるような不思議な感覚になった。
    離れて見ていたはずなのに、いつの間にか「わたし」になっていて、また「わたし」ではない自分になっている。
    そんな感じがした。

    私たちは、あるはずのものは必ずあると信じてしまっている。
    疑うこともなく、当たり前にあるのだと立ち止まることもない。
    しかし、この小説の中には「ないはずのものがあって、あるはずのものがない」。
    でもそれは私たちが気づいていないだけで、この現実にもあるのかも

    0
    2025年07月26日
  • 鳥の夢の場合

    Posted by ブクログ

    結局蓮見とのあの日々はどこまでが現実?戸惑いと興味深い会話の数々。人の思考がいかに移ろい易く曖昧であるかを突きつけられると同時にそれを肯定してくれる安堵感が不思議と残る。理解できずとも何となくに委ねながら読むのもいいかと。芥川賞候補作。

    瞼の話、青信号の話、伸びる腕の話など。自分の心にも確かにあった記憶が共感となって引き出される話がたくさん出てきてとても面白かった。

    〈心に残った言葉〉
    ”あるはずのもんがないのとおなじ程度には、ないはずのもんもあるというわけ。”

    0
    2025年09月29日
  • 鳥の夢の場合

    Posted by ブクログ

    芥川賞候補作
    ふわぁんと話は始まり、そのままゆらゆらと進む
    途中で現実に引き戻されて話のスピード感も上がってそこで色々分かることもあるんだけど、逆にそれがノイズに感じるほど不思議な心地よさがあった
    まさに環境音BGM

    0
    2025年07月05日
  • 鳥の夢の場合

    Posted by ブクログ

    第173回芥川賞候補作
    第68回群像新人文学賞受賞作

    実に幻想的な作品……とも言えるが、
    心臓の「拍」が止まってしまった男が、
    シェアハウスで同居する女性に、

    「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」

    と言う。

    そこで、まず病院行けや、
    と思わず突っ込んでしまいそうに(笑)

    最後までふわふわしていて掴めず、
    まさに鳥の夢のような、曖昧な作品。

    0
    2025年11月17日
  • 鳥の夢の場合

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんとも不思議な物語。これは鳥(文鳥?)が見た夢なのだろうか。シャアハウスで同居する蓮見が「心臓が動いていないから殺してくれ」みたいなことを言うところはショッキングでもあり、それを普通に受け止める同居人の初瀬の言動もフワフワしている感じがする。様々な対立構造が小説の中にあるような感じもするが、なんかはっきりしない。純文学らしいと言えばそれまでだが、個人的にはさらっと読んで終わってしまった。

    0
    2025年08月27日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!