駒田隼也の作品一覧
「駒田隼也」の「鳥の夢の場合」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
生と死、現実と非現実。
そういうものが曖昧に混ざり合っていくような感じがした。
文章の中で一人称と三人称が混ざる箇所があり、始めは読みづらかったが、次第にその人物との境目が分からなくなるような不思議な感覚になった。
離れて見ていたはずなのに、いつの間にか「わたし」になっていて、また「わたし」ではない自分になっている。
そんな感じがした。
私たちは、あるはずのものは必ずあると信じてしまっている。
疑うこともなく、当たり前にあるのだと立ち止まることもない。
しかし、この小説の中には「ないはずのものがあって、あるはずのものがない」。
でもそれは私たちが気づいていないだけで、この現実にもあるのかもしれない。
絶対にあるはずのボールが見つからないこと。
話した当人すら忘れてしまった言葉を覚えていること。
現実には存在していなかったけれど、確かに存在していた大切な時間のこと……。
そういう、特別ではない日常にも、ちぐはぐに曖昧になる瞬間、混じり合う瞬間はあるのだと思う。
普段受け流すように暮らしている日常を、ほんの少し立ち止まって見つめたくなるような作品だった。