駒田隼也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ生と死、現実と非現実。
そういうものが曖昧に混ざり合っていくような感じがした。
文章の中で一人称と三人称が混ざる箇所があり、始めは読みづらかったが、次第にその人物との境目が分からなくなるような不思議な感覚になった。
離れて見ていたはずなのに、いつの間にか「わたし」になっていて、また「わたし」ではない自分になっている。
そんな感じがした。
私たちは、あるはずのものは必ずあると信じてしまっている。
疑うこともなく、当たり前にあるのだと立ち止まることもない。
しかし、この小説の中には「ないはずのものがあって、あるはずのものがない」。
でもそれは私たちが気づいていないだけで、この現実にもあるのかも -
Posted by ブクログ
該当なしだった芥川賞直木賞の候補作を買って本屋を応援しようキャンペーン。
芥川賞の方の候補だからストーリーが平坦なのはもうそういうものとして、スタイルが合わず。変則的なリズム感、括弧書きのない台詞、句点の放棄などなど全体的に型に嵌まらない文体なんだけど、少しくだけすぎで、演出上の効果を狙ってるのか単純に下手なのかがわからない。同じ芥川賞の『推し、燃ゆ』も同じ感覚だったけど、こういうのが「今っぽい」って評価なのかな。
自分だけが友人の過去の発言を覚えていて「”使命感”に似た気持ちを持った」とか、本来の語義から遊離した、ニュアンスの解釈が読者任せな言い回しが多いのも気になる。一行一行噛みしめる