ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。
オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。
その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。
『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作!
解説・小川公代

★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子

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ペネロピアド 女たちのオデュッセイア のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    p.165〜170が出色。
    家父長制やら父権制やらの生皮をベリベリ引っぺがす爽快感が素晴らしい。
    これが四半世紀前に書かれた作品だとは。
    アトウッドの炯眼に驚くばかり。

    巻末に古典劇や神話のなかで沈黙させられてきた女性たちが語る作品群が列挙されていて、そちらも興味深い。ぜひ、読んでみたい。

    0
    2025年08月16日

    Posted by ブクログ

    面白かった。アトウッド自身SF = Speculative Fictionと呼びたいと言われているのも納得。でもやはり自分にはまだまだ歴史的・文学的教養は全然足りないことも思い知らされる。

    タイトルがイリアス(イリアド)に絡めてペネロペイア→ペネロピアドになっているという点や、古典の舞台を思わせる

    0
    2025年06月22日

    Posted by ブクログ

    楽しい、楽しい、楽しいー、と、ニヤニヤしながらページをめくり、そして、昔読んだ「イリアム(ダン・シモンズ)」を再読するぞ、心に決めたのでした。

    0
    2025年11月03日

    Posted by ブクログ

    大昔読んだオデュッセイアは当たり前にオデュッセウスの冒険が描かれていて、ペネロペイアはひたすら夫の帰りを待っているだけの存在だった。
    正直、12人の女中が殺されたくだりがあったかどうかも覚えていない。
    英雄の物語の裏で、女たちにはこういうことがあったのかもしれない。新しい視点でおもしろかった。

    0
    2025年09月22日

    Posted by ブクログ

    初めてアウトウッドの著作を読んだ。

    英雄譚というものは古来より男性視点で語られており、英雄譚の中の女性は戦利品で、家の財産で、奴隷で弱者で声なき者である。ペネロペイアは『賢く貞淑なオデュッセウスの妻』という評判だからこそリアルな女性として声を上げる様を私は想像したことすらなかった。彼女らの生き生き

    0
    2025年09月18日

    Posted by ブクログ

    『オデュッセイア』を、夫を20年待ち続けた賢妻ペネロペイアの視点で⁉なんて、アトウッドにしかできまいよ。死後の世界で前世を振り返るペネロペイアの独白、不実と殺された12人の奴隷女たちによる恨みのコロス(ブロードウェイ風になっていたりしてオモシロ)から、衣食住の詳細も豊かに浮かび上がる現代の女性像との

    0
    2025年08月03日

    Posted by ブクログ

    ホメロスのギイシャ神話「オデュッセイア」を、女性登場人物の視点で描く。
    オデュッセイアに20年放置された妻ペネロペイアと、オデュッセイアが帰還した際になぜか殺された12人の女中たちが、
    神話では語られなかったオデュッセイアが冒険に出かけていた間の20年を語る。

    ジェイムズ・ジョイス の「ユリシーズ

    0
    2025年07月17日

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