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ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。
オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。
その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。
『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作!
解説・小川公代
★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子
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Posted by ブクログ
『オデュッセイア』を、夫を20年待ち続けた賢妻ペネロペイアの視点で⁉なんて、アトウッドにしかできまいよ。死後の世界で前世を振り返るペネロペイアの独白、不実と殺された12人の奴隷女たちによる恨みのコロス(ブロードウェイ風になっていたりしてオモシロ)から、衣食住の詳細も豊かに浮かび上がる現代の女性像との対比。いや~本質はそんなに変わっていないのかも…。
たまたま飛行機で見た映画が、レイフ・ファインズ&ジュリエット・ビノシュがこの夫妻を演じる『The Return』だったりして、それぞれの解釈の違いも楽しく、薄い本なのに実に読みごたえがありました。
Posted by ブクログ
ホメロスの『オデュッセイア』を知らないまま読んだけれど、なんとなく分かる程度には説明があってよかった。あくまでも現代的に読みやすく語られていて、女たちの声が身近に感じられるつくりになっていた。
それだけに若い女中たちが見世物のように罰せられるシーンは心理的に抵抗を感じる箇所でもあり、冒頭の『オデュッセイア』の引用では震え上がった。
20年もの長期に渡る王の不在を、ペネロペイアひとりで守り切ることはできなかっただろう。ペネロペイアの手足となって働いていたはずの女中たちをこのように処する神経とは……。女は家の持ち物でしかないのだ。著者が女中の絞首に疑問を抱くのも理解できた。
けれど印象的な数字などから、もっと象徴的な出来事や信仰を描いたものかもしれないという考察もあり、神話の世界って大変だなと思った。そもそも国に帰れない期間が長すぎる。
ペネロペイアが自由に語ってくれるので堅苦しくなく読めたのはよかった。でも私が心を寄せるのはやはり女中のほうだった。
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