あずかりっ子

あずかりっ子

小説・文芸
2,200円 (税込)

11pt

『ほんのささやかなこと』著者が描く、ある少女のひと夏

赤ちゃんが生まれるまで、ひと夏の間、親戚の家に預けられた少女。怒らず優しく接してくれる親戚との生活は初めて知る愛に満ちていた。だがこの夏もやがて終わりの時が――映画「コット、はじまりの夏」原作。感情の深みを驚くほど静かに描き出す著者の代表作

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    早川書房
  • タイトル
    :
    あずかりっ子
  • タイトルID
    :
    2055600
  • ページ数
    :
    128ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年11月05日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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あずかりっ子 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    お母ちゃんに又子どもが出来た。少女は赤ちゃんが生まれるまで、親戚の家にあずけられることになる。大家族の中で育った少女には、子どものいない夫婦の暮らしは、自然に囲まれて贅沢ではないけれど豊かな暮らしだった。

    夫婦にとっては、特別な事は何もしていない日常なのだろうが、ゆとりのない両親の元での暮らしている少女にとっては、新鮮な暮らし方だった。
    そして、夫婦は男の子を事故で亡くしていた事がわかっていく。短い夏の日々は、弟の誕生とともに静かに幕を閉じる。

    読み終わって、こんなに胸が熱くなるストーリーを久しぶりに読んだ。映画化されていることも知らなかった。映画も見てみたい。

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    7歳くらいだという女の子の視点で書かれているので、その子の理解が追いついていないために状況がよくわからないところもあり、女の子の不安や戸惑いが伝わってくる。たぶん、これまで彼女はあまり親に甘えられるような環境で育ってこなかったのだろう。でも、ひと夏の間、女の子を預かることになった親戚の夫婦は、彼女をちゃんとケアが必要な子どもとして接し、子どもらしくいられるようにする。訳者あとがきに、ケアの精神が自尊心を育み、他愛につながるとあった。女の子は、その家での生活がずっと続くものではないとはじめからわかっていて諦めているようなところもあったけれど、短い間でも育まれて彼女の中に残るものがあったと思いたい。

    0
    2026年04月20日

    Posted by ブクログ

    『ほんのささやかなこと』に続き、この著書を読んだ。全編を通じて語りすぎず、かと言ってそこはかとなくメタファーやが散りばめられていて、想像の翼を広げることができる。きつい労働、厳しい自然に黙々と生活する大人たち。そんな中で「手をかけられなかった」女の子が、悲しみの中に生きる夫婦に預かられ、自分に手をかけることの始まり知ってゆく。それは完璧な愛でもなく、むしろ不器用な、行ったり来たりの揺れる愛だ。それゆえにこの夏が、彼女の不思議な気持ちへの気づきに繋がり、人間味ある情緒の芽生えになったと分かる。読後は何やら暖かい気持ちが、自分の中に滲み出てくる。果たして彼女は今後どうなるのか、わからない、そして私たち読者もわからない生活に戻ってゆく。それが人生なのかもしれない。

    0
    2026年01月23日

    Posted by ブクログ

    アイルランドの片田舎、あまり裕福とはいえない農家の子どもである少女は、お母ちゃんが弟を身籠ったことをきっかけに親戚の家に預けられる。
    少女の時点で描かれる物語は淡々としていて、最初はどこか頼りなさげで、少女と一緒に、この先どうなるのかやや不安に思いながら読んだ。
    すぐにあたたかさが感じられ、世界が色づいていく感じがする。やさしいおじさんとおばさん。色々なことを少女に教えてくれた。
    家に帰るとなって自分の気持ちに気づいた場面、最後の場面、寡黙な少女の、胸のうちにうずまく気持ち、その成長に、グッときた。

    0
    2026年06月20日

    Posted by ブクログ

    こどもの時に憧れた海外の丁寧なくらし(摘んだベリーでジャムを作ったり、ハーブを摘んだり、動物のお世話をしたり)の描写と
    主人公の感じている無力感や寂しさなどがないまぜになって
    寂しいのにカラリというしている不思議な読後感がありした

    現代の私たちの感覚で主人公のおかれた状況をみると、「この親はありえん!」と断罪したくなりますが、舞台となったアイルランドでは1980年代までカトリックの影響力がとても強く、避妊も中絶も困難なこと、農家では労働力として多子が望まれていたことなど今とは異なる背景があります

    個人的には、優しい人も正しい人も心が豊かでない人も悪意がある人も、いろんな人がいるんだ、と主人公が知る瞬間が個人的に一番印象的でした。
    人によってものすごく大きな違いがある、ということに気付いたけれど、それを良いも悪いとも決めずに「事実」として受け入れる。成長とも諦めとも言える。

    気に入ったフレーズたち
    P47 その日その日の卵料理と、マーマレードを塗ったトーストを食べる。

    P53 おじさんはそれ以上なにしない。ただそこに突っ立って、自分の言葉が残した船跡にとらわれている。

    P78 「なにも言わなくていい」と、おじさんは言う。「言う必要のないことだと覚えておけばいい。だいたいひとってのは、口を閉じておく完璧な機械を逃して多くのものを失うものなんだ」

    P105 今はなしているのは実のお母ちゃんだけど、わたしはもうちゃんと成長して、いろんなことがわかっていたから、あそこで起きたことは言わなくていいことだってわかっている。「なにも言わないでいる」完璧な機械だった。

    0
    2026年05月31日

    Posted by ブクログ

    短いのに、読み終えたあとにじんわり余韻が残る物語。多くを語りすぎない文章だからこそ、行間から家族の事情や少女の気持ちを想像しながら読めた。両親も悪い人ではないのだろうけれど、少女に愛情を注ぐ余裕がなかったのだと思う。特に父親にはがっかり。おじさんとおばさんのもとで、少女が少しずつ本来の明るさを取り戻していく様子がよかった。人に大切にされる経験の大きさを感じた。『コット、はじまりの夏』も見てみたい。

    0
    2026年03月31日

    Posted by ブクログ

    ここの湧き水は これまで飲んだどんなものにも負けないぐらいひんやりして、澄んでいる
    お父ちゃんがいなくなった味、ここに一度もいなかったような味、なにも残していかなかったあような味がした

    あとがきにあるように徹底して贅肉をそぎ落としたミニマルな語り それでも想像力を湧かせる言葉がありました

    0
    2026年02月02日

    Posted by ブクログ

    映画「コット、はじまりの夏」の原作ということで読んでみました。翻訳が難しそう。映画の方がわかりやすく好きかも。

    0
    2026年06月04日

    Posted by ブクログ

    1時間もかからず読み終えてしまう中編で、情報量は非常に制限されている。その分、少女の心の動きについて、預かった夫妻の悲しみと繰り返される痛みについて、限られた言葉のその奥にあるものをじっくりと想像させてくれる。

    0
    2026年02月21日

    Posted by ブクログ

    ちょっと、西の魔女が死んだを思い出した。
    子供にとってひと夏という短い時間が、一生の中でどれだけ大切なものになりうるかが、さらっと描かれた文章の中に詰まっている。

    楽しいときを留めておけないくらいなら、いっそ素っ気なく振る舞う感じ。
    願望や喜びの感情をあえてセーブすることで、避け難い現実からのダメージを大したことではないかのように、やり過ごす感じ。
    そんな子どもならではの心の防衛反応が、あぁ分かるなーと思う。いろいろと思い出す。
    だからラストの一言が、ぐっとくるね。
    ここは、クレア・キーガンがうまい。実に鮮やか。
    映像やセリフでは、この一言に込められた想いの半分も伝えられないのではないだろうか。
    文字で、本で読むことで味わえる仕掛けだ。

    0
    2025年11月22日

あずかりっ子 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    早川書房
  • タイトル
    :
    あずかりっ子
  • タイトルID
    :
    2055600
  • ページ数
    :
    128ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年11月05日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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