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Posted by ブクログ 2021年03月15日
重い、これは告発小説なのだろうか?
圧倒的な力の不均衡のもとにループしてゆく暴力、暴力。
男と女、白人と黒人、若者と老人、人間と動物。
欲望と憎悪と復讐心と。
これはアフリカーナーの懺悔録なのだろうか。帝国主義のもたらした残滓としての「恥辱」が重層的に描かれる。52才にして未だ枯れやらぬ男であるが故...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月02日
都会的で女遊びが好きな大学教授が、社会的に転落した結果、新しい愛と多様性の受容を達成する話。後半に娘の家で強盗に襲われてからの話は深くて切れ味があって良いのだが、前半の転落するところまでのスケベ親父っぷりがひどくて引いた。
全体としては、人生も後半になって大きな内心の変化に至るまでの主人公の心...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年09月02日
南アフリカの大学(都会)と田舎の二つが舞台。
仕事で2度しか訪れていないが、リアリティをもって読むことができた。
主人公は西欧文学専攻の大学教員。それがセクハラ疑惑から転落し、犬の殺処分に携わる中で、これまでの人生を振り返る。その振り返りは生やさしいものではない。過去の女性は彼の中では全て美しく輝く...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月03日
恥辱とは何か。確かに、本書の主人公やその娘に与えられるものは私たちの常識感からいえば恥辱以外の何物でもない。しかし、主人公たちにおける価値観のゆらぎのなかで、それが恥辱ではなくなっている。アパルトヘイトが終焉したときに南アの人々が感じた価値観のゆらぎがこのようなものだったのだろうか。それは想像するほ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年03月06日
教え子に手を出し職を追われる文学教授デヴィットの物語が、こんなにも自分を揺さぶってくるとは思わなかった。アパルトヘイト撤廃後の南アフリカを舞台に様々な二項対立を暗喩として匂わせながら、一つの破滅と僅かなる再生を描き出す。それは共生や理解といった安易な解決を拒みながら、それでも共に有ろうとする痛みと覚...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月24日
最初はしょうもないオッサンやなーって感じだったんだけどね。まぁ最後までそれは変わらなかったわけですよ。
しかし平たく言えばいい年こいても性欲が収まらないオッサンが若い子に手を出すといういやしかし普通に今でもあるけどそれが文学的な表現でここまで生まれ変わるのかと思えば待ちでパパ活に励む世のおっさんども...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月20日
元文学部の教授が学生と関係をもったために大学を追われるも妙な開きなおりさえ見せる序盤、あまりにも現実での見おぼえがありなんともいえない気分になる。とまあそれはさておき、まだ訴えられる前の主人公の勤めるさきがコミュニケーション学部というのが最高で、この全体のかろやかな皮肉の調子はなによりも文体に滲み出...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月28日
読み終わるとニック・ホーンビィの『ハイ・フィデリティ』を唐突に思い出した。ポップソングの代わりにバイロン。もっとも細部の類似点ならジョナサン・フランゼンの『コレクションズ』かもしれないけれど。物語の進行に首を傾げる場面はいくつかあれども、男というのはこんなものかもしれないと腑に落ちる。最後の一文は秀...続きを読む
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