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犬も歩けば棒にあたる――。その故事のごとく、一歩外に出てみれば、そこにあるのは幸運か災難か!? 巧みな人物造形と心理描写で多くの読者から支持される著者が、街で見た人物や光景を日記形式で描く人間観察記。あなたの身近の風景も、著者の手にかかれば、一瞬にして物語になる!
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Posted by ブクログ
巻末の解説に書かれてある通り… 「犬棒日記」と言うタイトルと、ほんわかした表紙の絵に裏切られました。 エッセイなんですけど… 犬も歩けば棒に当たる的な、日常の何気ないエッセイかと思いましたが、 読んでいると…ぞくっとする感じ。 乃南アサさんの観察から、見えてくる出会った人々の日常が、ちょっと危険...続きを読むを孕んで危うい感じ。怖いなぁ…。 乃南アサさんのデビュー作「幸福な朝食」も、そんな感じらしく…サイコサスペンスだそうです。 読んでみたいような…怖いからやめておきたいような…。
淡い黄色を背景に描かれた表紙のイラストから想像していたものとは全く違うエッセイだった。 外にでると、色々な人を見かけたり、すれ違ったりする。何となく気になって目にとめたり、聞こえてくる話をそれとなく聞いたりすることはある。それをここまで深く観察し表現することに、さすがだなと思った。 あまり考えたくな...続きを読むいこと、関わりたくないことばかりの中で、なんとか生きているのが今の私達なんだとも思った。
乃南アサさんのエッセイ。小説は多少読んでいたけど、エッセイは初。 「犬棒」とは、「犬も歩けば棒に当たる」を略したようで、乃南アサさんが、外で出会った人達…時に知り合いだったり、完全にゆきずりの人だったり、顔だけは知っている人だったり…そんないろんな人とほんの一瞬すれ違いで見えたものを書いたエッセイだ...続きを読む。 「犬も歩けば棒に当たる」という諺は、どちらかというと、運のいいことに出会った、という意味でとらえてきたが、辞書を引いてみると、棒に当たる=痛い目をみる、という意味の方が先にくるらしい。 そして、このエッセイはその通り、どちらかといえば痛い目寄りの内容になっている。 全てが痛い話ではないにしろ、どこかしらザラっとした余韻が残る。 出掛けるたびにいつもいつもそんな人と出会うわけもないだろうから、わざとそういう話を集めているのだろう。 そしてすれ違ったなかでこういう話を拾い集めてくるあたり、さすが作家さんだなぁと感心したり。 でも今度は幸運ver.の「犬棒日記」も読んでみたい。
通りすがりに出会ったことは、面白いとかへぇーとか思ってもまるで夢のようにぼやけて忘れてしまう。自分が感じた感情は覚えていても、詳細はどこかへ飛んでいってしまう。 こんなに書けるなんて…… すごいです。
まず外出先での他人の観察および聞き耳の深さと広さに驚かされた。さらに見聞きしたことを咀嚼し、あたかも短編小説のようにして出力されたものに関しては見事としか言いようがない。 ただ著者に入力された情報と思考・出力と事実がどこまで合致しているかが気になったが、日常を切り取ったエッセイにもこんな形もあるのだ...続きを読むと教えてくれた気がした。
日常生活の中ですれ違う人達の会話や行動を集めたショートショート。 結末が気になる物が多いので、モヤモヤしますが、サラッと読めるのでちょっとした空き時間に読むのが良いですね。 1つの話は5ページ弱なので。 内容は嫌な気持ちになるものが多いです。 次は幸せなショートショート読みたいですね。
共感できたり出来なかったり。 カフェで読書が趣味ですが、ついつい近くの人達の話す内容に耳を傾けるようになってしまいました笑
ひとたび外に出てみれば、そこ謎めく不は思議且つ奇妙な世界と出逢ってしまう。乃南氏の、日常にての圧倒的人間観察記が綴られる。
この作家を初めて読んだが、エッセイと言いながら短編小説かと思うような感じ。日常のことなのにミステリーみたいな話。周囲の人たちを観察して書いているんだけれど、見た目からこんな感じで~妄想っぽい所。 ほのぼの感はまったくないので私にはあわなかったな。
「×月×日」から始まる、一篇3ページ程度のストーリー。 最初これは日記の体をしたエッセイなのかと思った。 さすが作家というのは、普段の生活からストーリーを引き出すのが巧いものだ。 何気ない日常の隣でどんな会話がなされているのか、人ごみの中にどんな異彩を放つ存在があるのか、その耳は、目は、逃さないの...続きを読むだな。 日ごろの観察眼のたまものということか。 けれど、こんなにこんなにドラマって落ちているもの? 明らかに変だよ、その人っていうのが次から次へと彼女の前に現れる。 ほのぼのとした情景、一切なし。 これは、日記の体をした、日常系ショートショートですね。 きちんとオチが付くものばかりではない。 けれどちゃんと、いや~な感じは残していく。 だとすると、一気に読むのではなかった。 いくつかは事実に基づいた話もあると思うけど、「日常系の」という縛りが付いたショートショートなど、それほど大量に書けるものではない。 なんとなくパターンが透けて見えて、後半はちょっと読むのに飽きた。
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