感情タグBEST3
Posted by ブクログ
淡い黄色を背景に描かれた表紙のイラストから想像していたものとは全く違うエッセイだった。
外にでると、色々な人を見かけたり、すれ違ったりする。何となく気になって目にとめたり、聞こえてくる話をそれとなく聞いたりすることはある。それをここまで深く観察し表現することに、さすがだなと思った。
あまり考えたくないこと、関わりたくないことばかりの中で、なんとか生きているのが今の私達なんだとも思った。
Posted by ブクログ
乃南アサさんのエッセイ。小説は多少読んでいたけど、エッセイは初。
「犬棒」とは、「犬も歩けば棒に当たる」を略したようで、乃南アサさんが、外で出会った人達…時に知り合いだったり、完全にゆきずりの人だったり、顔だけは知っている人だったり…そんないろんな人とほんの一瞬すれ違いで見えたものを書いたエッセイだ。
「犬も歩けば棒に当たる」という諺は、どちらかというと、運のいいことに出会った、という意味でとらえてきたが、辞書を引いてみると、棒に当たる=痛い目をみる、という意味の方が先にくるらしい。
そして、このエッセイはその通り、どちらかといえば痛い目寄りの内容になっている。
全てが痛い話ではないにしろ、どこかしらザラっとした余韻が残る。
出掛けるたびにいつもいつもそんな人と出会うわけもないだろうから、わざとそういう話を集めているのだろう。
そしてすれ違ったなかでこういう話を拾い集めてくるあたり、さすが作家さんだなぁと感心したり。
でも今度は幸運ver.の「犬棒日記」も読んでみたい。
Posted by ブクログ
通りすがりに出会ったことは、面白いとかへぇーとか思ってもまるで夢のようにぼやけて忘れてしまう。自分が感じた感情は覚えていても、詳細はどこかへ飛んでいってしまう。
こんなに書けるなんて…… すごいです。