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Posted by ブクログ
民俗学や歴史の中で語られるカニバリズムにリアルを感じて、世界観に引き込まれた。本当にこういう儀式や風習が存在した時代があったのかな、と思わされたので調べてみたい。
特に印象的なのは、ここで描かれる食人に対して嫌悪感よりもむしろ尊さを感じたことです。
文化や風習という歴史的背景と、犯人の孤独心や愛に対する執着心が重なって生まれた行為であり、私の中では正当化されてしまった。
食人に対して単にグロい、怖い、ではなく美学を感じさせるのはこの小説ならではだと思う。
日常的な料理の温かく美味しそうな描写によって、犯人による食人描写の生々しさが際立っていた点も良かった。
ただ、個人的には蛇足な部分も多く、もう少し犯人の人格や心情を深く語って欲しかったなと思う。
全体としてはとても面白かったです。
Posted by ブクログ
なかなかのグロさだった。映画『羊たちの沈黙』を思い出してしまった。
私には表現できない残虐な2人の死体が発見される。
この事件の捜査をしていくのだけど、さらに残虐な死体が増えていく…。徐々に真相も分かってくる。その真相がまた気が滅入る。日本でもそういう事があったのか?生きていくためにやらざる得なかったのだろうな。私が知らない歴史に驚いた。
ページがもう残り少ないけど、この話このまま終われるの?どう考えても終われないよね、と心配になった。ちゃんと終了したんだけど、この終わり方はなかなか良いなと思った。最後まで狂気に満ちていた。ずっと頭に残りますね、これは。
話は面白いと思ったけど、登場人物がみんな好きになれず、話にあまり引き込まれなかった…。
Posted by ブクログ
和田はつ子『禁忌』ハルキ文庫。
『多重人格殺人』を加筆・訂正、改題、文庫再刊。
今でこそ時代小説を執筆している和田はつ子であるが、かつては猟奇殺人事件などを題材にしたホラー・ミステリー・サスペンス小説を執筆していたのだ。
親本の『多重人格殺人』は1996年に角川ホラー文庫から刊行されており、当時は猟奇殺人事件をテーマにしたサイコ・ホラー・ミステリー小説の全盛期であったことを思い出す。既読作ではないかと思ったのだが、どうやら未読のようだった。
この作品が刊行された1996年には、まだスマホが登場していなかったし、不同意性交という言葉も使われていなかったので、これらの描写が加筆されたのだろう。
描かれるのは、若い女性が犠牲になったカニバリズムを示唆するような猟奇殺人事件である。恐ろしく冷たい雰囲気の警視庁捜査一課のキャリア刑事、水野薫が探偵役ではなく、文化人類学者の大学准教授、日下部遼が探偵役を務める。
明言はされていないが、犯人は既に冒頭から登場しており、その犯人の動機と犯人に迫る過程が描かれるのだが、どうにもしっくり来なかった。
恐らく、映画化されたトマス・ハリスのサイコ小説『レッド・ドラゴン』や『羊たちの沈黙』を意識しているのであろうが、そこまでの域には到達していない。
密かにモデルを目指しながら旅行会社に勤務する28歳の結城みちるという女性と幼女の遺体が横浜市、佐野市で次々と発見される。2人の頭からは脳がえぐり出され、手足からは肉がそぎ取られていた。
警視庁捜査一課の肩書きの無いキャリア刑事、水野薫は、最初の被害者となった結城みちるの交際相手である大学准教授の日下部遼の自宅を訪ねる。日下部は文化人類学者であり、水野に協力し、連続猟奇殺人鬼のプロファイリングを行う。
次第に明らかになる犯人の恐ろしい嗜好と正体……
本体価格720円
★★★
Posted by ブクログ
女性刑事の水野と文化人類学者の日下部は残虐な連続殺人事件を追っていた。それは被害者の頭部に穴が開かれ脳みそを取り出されている事。また並行して犯人の僧侶の知翔についても同時に描かれている。脳を食べると神秘的な超能力を得る、ということに囚われより脳を欲するようになる…。知翔が殺すことは被害者に対し救いであると思っている傍ら、食べたいという欲求に争おうと苦難していることに興味をそそられた。ただ殺すことに快楽があるってだけじゃないっていう。目的は父と同じ一族に入りたかったというだけで。それだけで歪んでしまった知翔に少し同情してしまった。そして水野と日下部は協力して捜査をしていくのだが、いかんせん主人公の水野の性別への偏見が凄くて途中で辟易してしまった。男はどうとか、女はこうとか…。あんまり気持ちのいい文章じゃなかったなぁと思う。
最後、知翔が兄を殺し脳を食べているところを二人に見られているシーンは戦慄した。想像するだけで悍ましいシーンだなと思った。
水野と日下部の行動よりも知翔の葛藤の方が心が揺らぐなと思った。
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小説・文芸
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